女優が大して可愛くない、映画『白魔女学園』

 坂本浩一監督映画『白魔女学園』(2013年公開)を観た。学芸会の部分と面白い部分が混在。まあ、見てもいいし見なくてもいい。かなあ。
 登場人物がほぼ女ばかり(回想でイジリー岡田が出てくるくらい)。それも女子校?の十一人。当然ありがちな学芸会レベルの演技と演出が続く。
 例えば、最上もがと夢眠ねむが校内を案内される場面。保健室のドアを小宮有紗が開けると、中で着替えをしていた女達が「きゃー」と悲鳴をあげる。女子校だよ。行動がバカすぎる。
 後、黒い制服の女子たちが白魔女が出てきても驚かない。超能力?魔力?を使っても驚かない。これまた行動がバカすぎる。
 ただ、アクションシーンになると少しは見れるようになる。坂本はアクション監督も勤めているだけあって、吹替と思われるけど技の切れとか技の受けとかはちゃんとしている。とは言っても、肉体を使ったアクションよりもCGによる超能力?魔力?対決の方が多めで、正直、飽きる。
 後、せっかくの女子高生によるアクションなのにスカートの中がサポーター。着替え、水泳、などなどセクシー風(あくまでも風、エロくはない)に撮っているのに、こういう肝心なところは防御が硬い。何のためにこういう女優連中は映画に出ているんだろう。パンツすら見せる気がないなら映画に出るな。
 高良光莉、格闘技をやっていたのか?。一応、それらしく見える。
 撮影は独特というかひつこい。とにかくいちいち場面転換にスローになったりコマ送りになったりを繰り返しながら場面転換する。独特な編集テンポが出ているのは認めるけど、くどすぎる。映画の初めから終わりまで使い続けるので逆に平板になる。
 言ってもしょうがないけど魔力の理由が何も示されない。なんかさあ、ロジックぐらいは説明しようよ。
 行動に間がない。「あの声」「見てくる」と最上と夢眠が地下?へ。もう少しさあ、変な声がしたら、怖がるとか、地下が怪しいことを前フリしておくとか、うまく見せるためにやるべきことあるよねえ。下手くそというより、見せる気すらないのがまるわかり。多分、アクション撮りたいだけ。
 「殺しあっていただきます」。お前はたけしか?。やっぱり、という『バトル・ロワイアル』(2015/8/13掲載)的展開。ここ笑える。
 最上が血だらけの夢眠とキスする。キスを終える最上のショット。唇に血がついていない。うーん、見せ方下手くそ。血を拭きとって舐めるとか、いろいろあるだろう。
 最上、妹役の山谷花純との対決。最上がこれまで死んだ仲間の能力を使えるようになっている設定は面白い。
 最上、確かに何か内に秘めた感じはある。華奢で神経質そうな雰囲気はこれからも邦画の中で役どころは多そう。小宮の高飛車な感じはなかなかいい。
 まあ、この映画最大の欠点は、女優が大して可愛くないことなんだけどねえ。最近のジャリタレントはひどいなあ。
 エンパス、白ゆり計画、学校法人田中千代学園。

これは漫才じゃない、映画『エミアビのはじまりとはじまり』

 渡邉謙作脚本・監督映画『エミアビのはじまりとはじまり』(2016年公開)を観た。凄まじくつまらない。駄作。
 映画冒頭、森岡龍と前野朋哉の漫才と思われる舞台。小道具使っている。漫才じゃない。ワンショットで撮ってない。漫才の撮り方じゃない。とまあ、冒頭からいろいろひどい。その前に、二人の掛けあい自体がものすごーくつまらない。映画の中の芸術問題が大発生。駄作にありがち。
 車の中のショット。2000本以上の邦画作品を見てきたけど、この車内映像はワーストクラス。夜、雨、森岡が車内で電話。停車中だと思っていたら、なんと走行中という体(てい)。なんと車内の振動が一ミリもない。ここまで手抜きする邦画は初めて。車窓も真っ暗で雨のしずくが見えるだけ。いやはや、劇場公開作品で、ここまで手を抜くかね。
 とにかく会話が長い。それも固定カメラのワンショット。見ているとダレてきて飽きてくる。船内のレストラン?。前野の歌、長い。これまた飽きる。技術云々の前に面白くしようという意欲を感じない。
 30分頃の漫才の舞台。ワンショットでまともになったと思ったけど、客が静かすぎ。すべっているという演出でもない。環境ノイズすらない。当然なんだけど、漫才自体も凄まじくつまらない。
 40分頃、スズキ(SUZUKI)マイティボーイ(と思われる)が出てくる。丸ライトで初期型か?。ここも固定カメラ、長い、飽きる。
 居酒屋と思われる。個室とはいえ、店内静かすぎ。低予算のため、エキストラを入れない工夫なのはわかるけど、その分、オーディオは工夫しようよ。
 前野、空中浮揚。え?この映画、ファンタジーなの?。ジャンルがよくわからない。
 森岡とマネージャー役の黒木華。ノートパソコンで前野が駐車場で暴行される映像を見ている。空中浮揚しているのを見て、森岡「これCGじゃないの?」と黒木に訊く。バカすぎる。その前になんでそんな映像がパソコンで見れるのかが問題だろう。なんかもう本当にいろいろうんざりする。
 前野と山地まり、死んだことになっている。山地は遺影があってわかるけど、前野の死ぬシーンはないよねえ。いつ死んだの?。理由、ちゃんと示してないよねえ。前野と山地、天冠(てんかん、死者の頭につける白い三角布)をつけて出てくる。幽霊らしい。今時、古風なでかた。合成の手間、省きたかったのかな。
 森岡と新井浩文の舞台。また、小道具使っている。それ漫才じゃないよねえ。ワンショットじゃないし。漫才はサンパチマイクの前で会話のみで客を笑わせることだよねえ。漫才自体を理解して撮っているのかすら怪しい。結局、正面から漫才を撮る気なんかさらさらないのがまるわかり。
 舞台裏と思われる廊下。控室と思われる部屋のドアが引き戸。廊下に手すりがある。どう見ても病院にしか見えないけど。今の公共施設はこういう作りなのかなあ?。不思議。
 エミアビ→笑みを浴びせるの意、えみあびせあい→笑み浴びせ合いの意、らしい。つまんねーえ。
 ちなみに漫才が出てくる邦画は『キッズ・リターン』(2014/12/24掲載)、『手紙』(2015/6/7)、『軍旗はためく下に』(2015/12/2)、『なくもんか』(2016/6/3)、『正しく生きる』(2016/11/19)。

若尾文子のなよなよ演技、映画『千羽鶴』

 増村保造監督映画『千羽鶴』(1969年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 料亭、若尾文子と平幹二朗。対面で座っている。徐々に徐々に若尾がにじり寄りながら平に近づいてくる。ここ、若尾の性格描写としてうまい。
 若尾、娘(梓英子)の前で平に抱かれた話。その後、ずーっとめそめそなよなよ演技が続く。流石に他の俳優との差がありすぎて違和感がある。心臓病というエキスキューズはあるけどねえ。やり過ぎ。
 照明、全体的に暗め。特に日本家屋の中の暗さは雰囲気が出ている。
 雨に濡れて死にそうなのに茶室に入ってくる若尾。もうほとんどストーカーな上にホラー。そんな時にお茶を入れると眠たいこと言っている平。まず病院に連れて行きなさい。
 若尾、自殺で死んだはずなのに家の中、静かすぎ。一応、それなりに大きな家なのに、梓一人しかいない。普通、親戚とか、お茶の友達とか、検死とか、大騒ぎになるのでは?。
 大きなお世話ばかり焼く京マチ子。ある意味、この人もストーカーなんだけど。ずーっと人間関係の解説をする。最後に平と肉体関係を持つのかと思うと、案外、そうはならない。京、真面目。てっきり平が女に溺れていく話かと思っていたのに、中途半端な感じ。
 梓と平、互いに茶碗(唐津と志野)を割る。父親、母親との決別なのか?。わかりづらい。

みるべきは樋井明日香のヌードくらい、映画『後妻業の女』

 鶴橋康夫監督映画『後妻業の女』(2016年公開)を観た。前評判がいいので期待したけど、大したこはない。見てもいいし見なくてもいい。
 結婚相談所ブライダル微祥のサマーパーティー会場。海岸で熟年の男女がゲームに興じている。ブライダル微祥の社長が豊川悦司、会員の女が大竹しのぶ。二人は結託して高齢の男に近づき結婚や内縁の妻となり、寿命を縮めて(殺人もあり)遺産を相続する、ということを繰り返す。
 遺産相続目的で結婚を繰り返すことを後妻業と言うらしい。へー、映画を見ると勉強になるなあ。
 でまあ、7番目と字幕が出て、これまで大竹が付き合った男たちが出てくるのだけど、これがものすごく表面的で薄っぺらい。この時点でかなりつまらない。記号的意味しか表現していない。
 でまあ、メインになる津川雅彦との付き合いになり、津川の娘二人、長谷川京子と尾野真千子、法律事務所、探偵の永瀬正敏を巻き込んで、豊川と大竹の事件をあぶり出して追い詰めていくと言う話になる。
 で、このまま作っていればかなり面白い映画になっていたはずなのに、何故かそうはならず、お話は脱線していく。
 まず、最大の欠点がシリアスな話なのにコメディータッチな部分がちょいちょい顔を出す。これが邪魔。なんか話をはぐらかしている感じで感情移入や集中力を邪魔している。この映画のタッチが非常につまらない。
 後、津川と大竹の二人の生活がほとんど描かれない。だから大竹が実際にどのようひどい女なのかが全くわからない。具体的に描かれるのは、公園に放置しているとか、病院で血管の中に空気を入れたという場面だけ。これまた非常に表面的。津川が大竹に惚れた理由もツイストダンスシーンだけだし。連続殺人まで犯してお金に執着する大竹や、彼女に近寄ってくる男など、全体的に人物像を掘り下げて描こうという気がないよう。
 大竹、回想で30歳設定のショットあり。流石に無理。今後、こういう表現にVFXは介入してくるんだろうなあ。
 豊川の部屋。オーディオセットがあり配置も結構まとも。スピーカーはBowers & Wilkins(B&W)の802 Diamondと思われる。
 豊川、自分を励ますために自分で自分の顔を殴る。こういうの邦画、好きだねえ。『ナインソウルズ』(2017/2/12掲載)とか『14歳』(2017/2/14)とか。
 津川を殺す車の転落シーン。簡単すぎ。計画も立てるシーンなし。回想だから仕方ないけど、こういうところをさらっと流しすぎ。
 豊川と大竹、大声で殺しの話を客のいるバーでする。なんか後半リアリティラインが下がり気味で、どんどんつまらなくなる。
 樋井明日香、脱ぎシーン多め。おっぱいポロリあり。豊川から後背位で攻められるシーンあり。
 トランクが動き出すシーンとか本当にいらない。この映画と内容にコメディ要素いる?。うーん、なんか根本的な作りの路線が間違っていると思うけど。
 風間俊介、ぎゃあぎゃあうるさい。ずーっとうるさくて平板。
 ラスト、裏切った永瀬正敏と尾野真千子が普通にあっている。遺産相続は方がついたけど、大竹と豊川が殺人犯であることは変わりがないよねえ。なんでみんな何事もなかったように海を眺めているんですかねえ?。最後まで薄っぺらい作品だと思うけどなあ。
 「キッスは目にして!」、「黄昏のビギン」、スバルレオーネ、スカイツリー、竿師。

未来派妖怪大戦争、アニメ映画『GANTZ:O』

 川村泰監督アニメ映画『GANTZ:O』(2016年公開)を観た。キャラクター目白押し、ゲーム的展開、あまり強くない主人公など、最後まで見れる。
 アニメーションながらカメラワークを意識した画面作り。『ファイナルファンタジー』に見られるキャラクターの人物像や外観が人に似れば似るほど不気味になる人形と不気味の谷現象がさらに増大。映画冒頭、なれるまではかなり気持ち悪い。
 エンドロールを見るとMotion Capture Stuntsの名がずらり。人の動きを取り込んでキャラクターを動かすというのも、よく考えれば本末転倒な行為ではある。まあ、それほど人の動きを再現するのは、表現する方も受け取る方も難しい証拠ということかな。
 主人公の家の中にある電子レンジはSHARP(シャープ)RE-T13とおもわれる。
 出てくる女性キャラが走ると胸の揺れがすごい。なんか実際の女性が走る映像よりもエロく見える。顔は不気味に見えるのに、身体は理想的に見える。人の感受性は、不思議だねえ。
 和風妖怪キャラ多数出現。ロボット対巨大怪獣の対決、強化スーツ対決、女体のだまし絵的集団妖怪など盛りだくさんで飽きさせない。後、身体損壊シーン多数。妖怪キャラ、敵キャラだから、怪我だけなら再生できるなどのエクスキューズがあるから見れるけど、かなり血みどろ戦。
 死後の世界だと思っていたら現実とつながっているのはご愛嬌。かなり飲み込みづらいけど、アニメならなんとかセーフ。実写だと絶対無理。
 無限ループを暗示するラストは続編のために付け足したのかなあ。物語としてはいらない。配給は東宝。今、邦画界でもっとも鼻息が荒いなあ。

敗戦と三国人、映画『男の顔は履歴書』

 加藤泰監督映画『男の顔は履歴書』(1966年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 窓の外は工事。立ち退きを迫られている病院の室内。ちょび髭に黒縁メガネの男(安藤昇)が医者。左頬に傷がある。で、中谷一郎が救急患者として運び込まれる(この時点で顔などの詳細は観客に提示されない)。安藤、中谷を知っているらしい。
 で、急に野外を歩く黒スーツ姿の安藤と中原早苗。安藤、眼鏡もヒゲもないから正直、映画冒頭の人物と同一だということをしばらく気づかなかった。結局、ここからは中谷との出合を描く回想ということらしい。うーん、見せ方、下手くそ気味。
 中原、男三人に襲われる。安藤と小競り合い。アクションシーン、あまりうまくない。
 撮影は独特。アップ多めで全体像を見せない。人物の表情の撮り方はうまい。
 安藤、キャラ設定がわかりづらい。ニヒル、戦争を経験して目の前で何が起きても表情一つ動かさないという設定なんだけど、見ているとただのでくのぼうに見えてしまう。なんかぼーっと突っ立っているだけに見える。
 安藤、真田広之が少し入っている顔立ちで、アクションシーンの形相などはイキイキしているのに、普通の演技になると周りの俳優から完全に浮いている。すごい違和感。周りは舞台俳優ばりのオーバーアクションなのに、安藤一人だけシリアス演技している感じ。演技、演出共に統一感なし。
 若い菅原文太や伊丹十三が暴れまわっていたり、倍賞千恵子似の真里明美が可愛かったり、面白くなりそうな要素はあるんだけどねえ。
 ラスト近くになって現在の時制の患者が中谷だということがわかる。けど、別に感動はない。中原が中谷の妻になっていることも、びっくりするほどのことでもないし。
 昭和廿四年八月、三国人団体、九天同盟、朝鮮人、復員、引揚者、新生マーケット。

ちゃーびらアリビラがじゃんびら、映画『ホテル・ハイビスカス』

 中江裕司監督映画『ホテル・ハイビスカス』(2003年公開)を観た。沖縄の一面はうかがえる。けどそれだけとも言える。見てもいいし見なくてもいい。
 蔵下穂波、NHKドラマ「あまちゃん」に出ていた女優だと気がつくまで時間を要した。子役の頃があったんだねえ。
 子どもの演技、内地の人が見るとどう感じるのかわからないけど、地元民が見ると作りすぎている感じ。後、絶叫し過ぎで平板、疲れる。
 和田聡宏が路上で倒れるシーン。三人の子役、すぐに駆けつける。間やためがない。いかにも予定されていた演技をこなす感じ。こういったあたりの見せ方は下手。
 夜、蔵下の部屋の撮影。室内灯をつけていない。一応、撮影はちゃんとしている。
 「しかまち、かんぱち、栄町」を邦画で聴いたのは初めて。沖縄版の短い韻を踏むラップ。後に出てくる「なんだばー、かんだばー、ふーちばー」も同じ。作ろうと思えば、「ちゃーびら、アリビラ、がじゃんびら」なんてのも即席で作れる。
 渡具知ストアー前や、蔵下たち三人が入り込むキャンプ・シュワブの海岸上境界線と思われる鉄条網。米軍の実弾射撃訓練の音と思われるSEが入る。155mm榴弾砲と思われる音や機関銃の連射音が聞き取れる。
 「フェンス」「太陽(てぃーだ)母ちゃん」「美恵子の大冒険」「お盆どぅーい」とオムニバス形式のようなタイトルが出るけど、別に特に意味はなさそう。
 ホテル・ハイビスカス創立31周年記念のプレゼント。余貴美子が当たる賞品が事前にネタバレしているので、全然盛り上がらない。ここも見せ方、下手くそ。
 ちなみに映画の中に出てくる単語の説明。「カルテックス沖縄」。終戦直後は給油所といえばカルテックス(石油メジャー)のみ。よって沖縄では給油所のことをカルテックスと言っていた。携帯型プレーヤーをウォークマンというようなもの、かな。「大城コーヒーシャープ」。シャープはショップのこと。沖縄での外来語はネイティブに近い発音が今でも受け継がれていて、ツナはトゥーナー、パーティーはパーリィー、などがある。
 後、蔵下がノートに書く「ミンタマー 死なす」。ミンタマーは目玉の大きな人につけるニックネーム。巨根の人はタニマガー、後頭部が大きい人はガッパヤーなどがある。死なすは殺すの意。沖縄では明るいことも赤いことも「あかさん」と表現する。まだ単語が未分化な日本語古語の状態を温存していると思われる。死なすも多分、死ぬことと殺されることが未分化な状態のため死になすをつけて殺すことを表現したのではないか、多分。
 バスの中の風景、実写。かなりドキュメンタリーっぽい。
 爆竹シーンは、意味不明。
 撮影協力は沖縄県名護市、国頭郡、ホテルおおさか、久志観音堂、久志小学校。ちなみにサイト「ホテルハイビスカスロケ地探訪問」がロケ地を訪れている。映画の中と現実との違いが見えて興味深い。
 石敢當、CAMP KING JOE GATE2、ビリヤード、二見入口、ぐしけんパン、琉球人形、丸正クリーニング、マブヤー。

軍国キャバレーが現代的、映画『電送人間』

 福田純監督映画『電送人間』(1960年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 戦後十四年という設定。中丸忠雄が殺人を犯す動機は終戦直後のドサクサに紛れて金塊を盗みだそうとした仲間への恨み。太平洋戦争の傷が身近なものだということを伺わせる。
 中丸を追うのが東都新聞社学芸部記者の鶴田浩二。記者には一応見えるけど、犯人追跡としては配役どうなんだろう。優男すぎるのでは?。
 共に行動するのが日邦精機株式会社の白川由美。おまけのように着替えシーンがある。白川、『美女と液体人間』(2016/6/4掲載)でもシミーズ姿で出ていた。当時のサービスなんだねえ。
 15分頃、軍国キャバレーDAIHONEIという店が出てくる。一周してこれすごく現代的。客引きのボーイが軍服姿、店内の女達は白のセーラー服(学生服ではないほうね)。静かな客を模範兵、酒の名前が焼夷弾、ミサイルなど。いやはや、これ今の右傾化している世の中で開店すれば、ウケるかも。
 21分頃、SONY(ソニー)のオープンリールテープレコーダーTC-101が出てくる。70分頃には、SONY(ソニー)の2BANDトランジスタラジオTR-710(またはTR-710B)が出てくる。
 SLの映像は迫力あり。車の中の車窓は合成。中丸が伝送されて後、ホログラムのように透けている姿は異様な感じが出ていて特撮はうまい(特撮監督は円谷英二)。
 電送装置の設定はかなりいい加減。受け手側の伝送装置を先に送りつけて、その機械を出口として使っているようなんだけど、梱包された箱が小さい。受け側装置の本体はなかなか見せないんだけど、ラストに出てくると本体が箱より大きい。うーん、かなりいい加減。
 後、伝送されて後、ホログラムっぽくなるのも考えてみると意味不明。別に正しく伝送されているのであれば、普通の人間でよくねえ?。わざわざ半透明みたいになる必要はない。まあ、映画的に伝送されましたよというのを観客に見せたいための演出なんだけどねえ。
 後、中丸、殺人の後、必ず窓から逃げる。うーん、ワンパターン。後、殺人予告は夜中の十二時なのに、中丸が外に逃げて追いかけると、朝のように明るくなっている。まあ、多分、朝か夕方撮影したんだろうねえ。フィルターの技術も当時はまだ稚拙だったのかな。
 浅間山の噴火、煙の中から赤い文字で「終」。なかなかこっている。
 スリラーショウ、悪魔の洞窟、立体テレビ、多摩川園、認識票、クライオトロン、タントル、ニオブ、絶対温度4.2度、小牧牧場、金粉ショウ、三国人、軍用行李、恐怖ノイローゼ、電気兵器、テレポートテレキネシス、軽井沢、愛知県知多半島篠島(小篠島?)。

2017年03月前半観たおすすめ邦画

2017年03月前半観たおすすめ邦画
 2017年03月観た邦画は30本。

【次点】

『米』監督今井正、1957年公開、2017/3/8掲載。
 湖(干潟?)に接する農村風景が異国と思えるほど別世界。田植をする女達の作業着が機能的で現代ファッションとしても通用するほど美しい。大画面向き。お話はベタベタせず突き放したラストで終わる。

【次点の次点】

『カイジ』監督佐藤東弥、2009年公開、2017/3/2掲載。
 映画としては駄作。けど、藤原竜也と香川照之の顔芸対決は見もの。やり過ぎていて爆笑。

『眠らない街 新宿鮫』監督滝田洋二郎、1993年公開、2017/3/3掲載。
 真田広之のアクションの切れもあるし、田中美奈子のライブシーンもあり、奥田瑛二の気持ち悪るーいサイコなゲイ演技も熱演で面白い。改造銃のガジェット類もなかなかよく出来ている。

『永い言い訳』監督西川美和、2016年公開、2017/3/9掲載。
 作りが丁寧。妻役の深津絵里が死んでからそれを受け入れるまでを、薄情な小説家で夫役の本木雅弘が好演。特に子役との生活シーンは本木の子供番組を見たくなるほど微笑ましい。

『風の中の牝鷄』監督小津安二郎、1948年公開、2017/3/10掲載。
 映画としてはどうということはない。けど、75分頃に突然訪れる階段落ちは必見。まさか死んだのでは?と思わせるほど、頭を打ちながら田中絹代(吹替と思われる)が階段を落ちる。小津、アクションも撮れるじゃん。

『プライド』監督金子修介、2009年公開、2017/3/11掲載。
 満島ひかりがうまいのは当然だけど、ステファニーの豊満な肉体は必見。ヌードシーンは無いけど、服を突き上げる肉体の存在感がすごい。オペラシーンがあるんだけど、口の動きと歌のシンクロ率が高く違和感があまりない。ここはうまい。

『美女缶』監督筧昌也、2004年公開、2017/3/11掲載。
 超低予算ながら、作りが丁寧。日常の中のSFを描いていて最後まで見れる。最後のオチは読めなかった。悔しい。

『にがくてあまい』監督草野翔吾、2016年公開、2017/3/13掲載。
 野菜嫌いの川口春奈とベジタリアンでゲイの林遣都が一軒家に住むというお話。料理シーン多数。ゲイギャグ多数。最後まで恋が実らないのも潔くてよい。

【残念】

『だれかの木琴』監督東陽一、2016年公開、2017/3/14掲載。
 有閑マダムの常盤貴子。ストーカー行為がどんどんエスカレート、性的妄想も頻繁に。夫が浮気、娘は常盤が狙っている池松壮亮の店の客になってしまう。これは当然、常盤の一家惨殺でしょう、と期待するも、普通の家族のお話になる。えー、なんか途中ではしごはずされた感じ。

『ヲ乃ガワ WONOGAWA』監督山口ヒロキ、2014年公開、2017/3/15掲載。
 話は壮大、美術も悪くないし、面白そうなんだけど、邦画のSFはあちこちに低予算感が顔を出して見るのが辛い。

【駄作】『東京少年』『羊をかぞえる。』『HOTEL FLOWERS(ホテル・フラワーズ)』

邦画でSFは辛い、映画『ヲ乃ガワ WONOGAWA』

 山口ヒロキ脚本・編集・監督映画『ヲ乃ガワ WONOGAWA』(2014年公開)を観た。話は壮大、美術は頑張っているけど、邦画のSFはしょぼくて見るのが辛い。見てもいいし見なくてもいい。
 今から千年後のお話。コンビナート風の都市の遠景、和風建築寺院に配管が巻き付いている、飛び交うCG風のヘリ、ローテク風のガジェット類、人造生命体の奇妙な声、独特のフォント、方言風の言葉、など、出だしの雰囲気はいい(美術監督・宮下忠也、楽器製作・明和電機)。
 けどねえ、話が進んでもずーっとコンビナートの建物の中でしか行動しない。後、村というか街というかが出てくると、とたんに貧相。この辺は低予算映画の辛さがもろに出る。
 弔い屋という集団は少し面白い。タイヤの見えない霊柩車が移動する姿は映像として面白い。及川奈央が巫女役。銭湯シーンは胸隠し過ぎて動作が不自然。死体を圧縮袋に入れるのは最近の邦画の流行りのよう。『クリーピー』(2016/11/6掲載)に出てきてた。黒沢清より山口のほうが早かったんだあ。
 国王直々に捜索命令が出ているのに、前田亜季とボブ鈴木、全然捕まらない。このあたり、かなり雑で緊張感がない。
 妊娠を知らない。千年前の文明が隠蔽されている。無説明固有単語の羅列(ここは椎名誠のSFに共通点を感じる)。仲間の屍を乗り越え、真相を暴くために地下設備へ向かう前田。細胞の劣化による人類の岐路。選択を迫られる前田。とまあ設定はハードSF的で面白いんだけどねえ。
 やっぱり映像がしょぼい。地上がコンビナートと村芝居だとすると、地下はダムや水道局の施設だということがまるわかり。人類の世代交代を維持しているのが国王と部下三人くらい。うーん、流石にしょぼすぎる。後、真実の内容は国王によるセリフで全部説明。残念ながら話の壮大さに全く映像がついていけていない。邦画の限界が露呈している残念作。
 エンドロール、ロケ地協力に工業関係、新潟県関係の名前多数。
 おぼがなし日?、特別処理局、山形県。

適当に作っているのがまるわかり、映画『HOTEL FLOWERS』

 大月英治撮影・編集・監督映画『HOTEL FLOWERS(ホテル・フラワーズ)』(2011年公開)を観た。作り適当。学芸会。駄作。
 とにかくもっさりしていて演者が何をしているのかしたいのかがわからない。意味不明ショット、場面、不要な字幕多数。
 そもそも人の行動として変なシーンが多い。例えば、リゾートホテル?に寝起きする化粧の濃い原幹恵。倉庫のような場所で寝泊まりしている。物音がすると、原、デッキブラシを持ちだしてコンクリート打ちっぱなしの天井を叩く。ネズミを追い払っているらしい。あのさあ、日本家屋なら天井裏にネズミが住むけど、スラブが露出している倉庫の天井叩いてなんでネズミが逃げるんですか?。そもそもネズミはどこにいるの?。なんかもうほぼ無意味なショットと場面。脚本のレベルが低すぎて、ただただ飽きる。
 照明がものすごく雑。ライトで照らしているのがまるわかり。陰もくっきり。ここまで雑で下手くそなのも久しぶり。
 行動をセリフで説明する。鏡を持っているのに「はい鏡」と言って渡す。見てたらわかるから。そんなセリフいらないから。
 37分頃、森下悠里の映像のつなぎがおかしい。中指を立てている腕がショットが変わるごとに上げたり下げたりと変化している。
 一箇所だけ良い点がある。手榴弾が爆発するシーン。ピンの見せ方、前フリも効いていて、ここだけ映画的。こういうのが見たいんだよねえ。
 一宮流、面落とし?、小川町。

蒼井優の鳥ダンス、映画『オーバー・フェンス』

 山下敦弘監督映画『オーバー・フェンス』(2016年公開)を観た。うーん、見てもいいし見なくてもいい。
 オダギリジョーの身分が函館職業技術訓練学校の生徒、という珍しい設定。建築科で木造建築を学んでいる。ホゾをノミで加工するシーンや木材の組み上げシーンなどがある。水に濡れた砥石の表面が美しかったりするけど、専門的な職業をあらわす映像表現としてはそこそこ。伊丹十三や矢口史靖の緻密さはない。
 ロケ地、海の見える坂、かもめのいる防波堤など、函館市と思われる寂れた海岸沿いの住宅地は雰囲気がある。
 蒼井優、バレーと組み合わせてようなダチョウの求愛だというダンスはちょっと面白い。蒼井、情緒不安定、精神病気味。薬を飲むシーンあり。急に大声を上げたり、声音が変わったり、とエキセントリック演技はうまい。ヌードシーンはあるも背中とおしりにかけてのみ。おっぱいポロリなし。蒼井、痩せ過ぎ。まあキャラ設定と合ってはいるけど。蒼井の乗る車はフォルクスワーゲン(VW)のポロかな。
 遊園地が閑散としているのはわかるけど、蒼井が動物たちを逃がすシーンは流石に、低予算すぎる。羽毛が降るシーンもなあ、強調するほど美しもないし、面白くもない。
 広い北海道の割に、登場人物の性格がみんな内向的。現実社会に拗ねてる奴ばかりが訓練学校に行くみたいで、なんか切り口がずれているような気がする。
 函館漁業協同組合住吉支所、八番街、観光遊覧船ブルームーン、函館公園こどものくに、北海道職業能力開発促進センター函館訓練センター。

一家惨殺事件だったら絶対面白い、映画『だれかの木琴』

 東陽一脚本・編集・監督映画『だれかの木琴』(2016年公開)を観た。後半、普通の家族ものになるのが残念。一応、最後まで見れる。
 美容室MINTの従業員が池松壮亮。客が常盤貴子。顔が映った瞬間、老けたなあ、という感想。歳相応で当然のこと。母親役をやる歳だもん。久しぶりに見たのでつい。
 常盤が512 CAFE & GRILLで一人ワインを楽しむショットを長めに撮る。有閑マダムであることを示している。意味深な雰囲気を提示。この辺の見せ方、手練。
 常盤の家。一軒家。CSPという会社(撮影協力はCSPセントラル警備保障株式会社)のセキュリティシステムがついていて、音声メッセージがうるさい。後にわかるのだけど、夫は勝村政信。警備会社に勤めていて営業職?のよう。
 勝村が初めて登場するシーン。「奥さん」と呼びかけて家に入ってくる。対応する常盤。ソファーで急に勝村が常盤の首を舐め始める。ここすごく意外で驚いた。奥さんと呼びかけているので二人は他人だと思った。さらに勝村がまさか常盤と目合(まぐわい)シーンを撮る俳優だとは全く予想できなかった(ただしヌード、おっぱいポロリはなし)。キャスティングにびっくり。
 ダブルベッドを買う。常盤、ベッドの上に仰向けに倒れる。すると勝村の手が出てきておっぱいを揉みしだく。頭の上からもうひとつの手が出てきて、髪をなで耳たぶをいじる。ここ常盤の性的妄想。非常に面白い。
 池松の彼女役佐津川愛美、ロリータ?ファッション。佐津川、違和感がない。日常でも着ていそう。
 44分頃、常盤の家の中、ヘリの音が鳴り響くシーン。ヘリ、頭上(左から右に移動していく)にサラウンドする。
 3mm切れとか、念書を書く。とか、いやはやサービス業も楽じゃない。
 電車の中、腰掛けている乗客がみんなスマホを見ている。一人だけ、位牌を見ている。それを無表情で観察している常盤。ここ爆笑。
 ソファーで隣同士でメールで会話する常盤と勝村。ここはやり過ぎ。かなり不自然。
 撮影と編集は『桐島、部活やめるってよ』(2014/2/18掲載)形式が採用されている。同一の時制を視点を変えてもういちど再生する、あれね。違う視点で再現することで、新な真実が見えるならこの手法に意味があるけど、ただの繰り返しに見えて、正直飽きる。
 常盤、MINTのメールに返信、池松の家を見つける、いちごをドアにかけて帰る。池松の家を訪ねる。佐津川の働いている店BABY.で白のシンデレラワンピースを買い池松の家のドアにかける。とストーカー行為がどんどんエスカレートしていく。
 で、当然、観客は期待するよねえ。妄想癖、ストーカー行為のエスカレート、放火の頻発、夫の浮気、池松に髪を切ってもらっている娘の木村美言。車の中で勝村が話す殺人事件の前フリもあるし、嫉妬の鬼と化した常盤が家族を惨殺。セキュリティシステムを使って誰にも邪魔されず惨殺。となるかと思って期待するもそうはならず。後半は普通の家族ものに。
 螢雪次朗の「女の本質は狂うこと」とか、常盤の「母親としてだけ生きているわけじゃない」とか、光るセリフもいっぱいある。いろんな前フリ、設定、常盤の行動、家族の状況からして、どう考えても常盤による一家惨殺事件というラスト以外考えられないんだけど。脚本を、スポンサーの圧力で家族ものの毒にも薬にもならないラストに書き換えられたとしか思えない。そのくらい残念な作品。
 絶対、三池崇史あたりが『オーディション』(2014/4/10掲載)の頃の純粋さでリメイクするべき。
 メゾネットタイプ、ホームセキュリティ、和風ダイニングふくろう、シグロ30週年記念作品。

ゲイギャグ満載、映画『にがくてあまい』

 草野翔吾監督映画『にがくてあまい』(2016年公開)を観た。作りが丁寧。右肩上がりに面白くなる感じ。ベタベタしない恋愛映画として面白い。
 広告企画会社?に勤める川口春奈。極度の野菜嫌い。らしい。でまあ、嫌いな場面が描かれて後に、林遣都が出てくる。林、ベジタリアンでゲイ。成り行きで山口の部屋に林が泊まったようで、目が覚めると林が朝食を作っている。
 山口の下着姿あり。ボクサーパンツっぽい。胸見せない。エロさほぼなし。がっかり。仲間由紀恵似の顔立ち、演技もうまいし、申し分ないのに。若い女優は出し惜しみがひどくて、サービスが悪いねえ。
 でまあ、山口が初めて林の料理(野菜のミレットスープ)を食べるシーン。山口、意外にあっさり食べてしまう。うーん、ここはさあ、かなり抵抗してから食べないと。これまでの野菜嫌い設定が台無しじゃん。この映画の中で、ここだけ下手くそ。 
 二人、一軒家に住むことになる。日本風の一般家庭。厨房は充実している。林の料理シーンが多め。丹念に撮っている。このあたりは『Little Forest』(2015/9/5掲載)や『あん』(2016/3/7)などの料理を伏線にした映画と似た傾向。
 映像は最近のデジタルカメラの特徴なのか逆光シーンが多く、なおかつ白く飛ばない。白熱球のような暖色系の日本家屋の中で窓の外が薄い水色。このあたりの色の配置はうまい。
 ゲイギャグ満載。川口、ゲイを女好きにさせる方法をネットの知恵袋に相談。林と後輩の体育教師真剣佑ときゅうりの使い方の話(見方によるとものすごくお下品)。川口の「なぜ脱ぐ?」と言った後のシャツの遠投(CGもしくはおもりが入っている?)。押し入れの布団にきのこ(男根の象徴?)。林の「お父さんのほうが好みです」。石野真子の「(林は)攻めかしら受けからしら?」。ゲイ関係に詳しく爆笑。
 一軒家と会社の往復だった物語が、川口の実家を訪れることで家族の話に。話に変化が出ていて飽きさせない。ただし農作業シーンは無し。
 川口、中野英雄、石野、林の四人で食事。振り袖を着て実家に帰れなかった自分の弱さを告白する感動的なシーン。なのに川口、中野が作ったクラフトビールを吐く。この辺の緩急、非常にうまい。草野、素晴らしいセンス。
 軽トラを運転して一人で帰る林。後ろからバイクが追いかけてくる。運転しているのが川口。振り袖の着物、裾をたくし上げてバイクを運転。赤いパプリカをかじっている。ここ、絵として面白い。で、山口が軽トラを運転することに。けど、マニュアル車を運転できない山口。脚本、細かいなあ。感心感心。
 片山家の墓の前。山口バランスを崩して倒れそうになると林が抱きとめる。けど、キスなし。最後までベタベタしない展開が潔い。
 ちなみにゲイの邦画でおすすめは『ハッシュ!』(2015/7/29掲載)。合わせてどうぞ。
 ゴーヤーの冷やし茶碗蒸し、花言葉は競争、有機野菜、一物全体、ハート引越センター、タカキビ、HARU BARUファーム、STUDIO MOURIS ROPPONGI、BEANS BAR、絵画商法、オートマ限定、夜の写生教室、成田空港。

ありがちなハサミ男形式、映画『羊をかぞえる。』

 毛利安孝脚本・監督映画『羊をかぞえる。』(2015年公開)を観た。すさまじいつまらなさ。低予算というより貧相。駄作。
 とにかく会話がつまらない。『ハサミ男』(2014/4/17掲載)の豊川悦司の役回りがローラーシューズを履き髪の長い女の子の宮井くらら。生意気そうな感じは悪くない。
 見てればだんだんわかってくるんだけど、宮井、すでに死んでいるわけ。で、染谷俊介と赤澤燈には見えていて、他の人には見えないという設定らしい。ここの作りがものすごく下手くそ。染谷と赤澤の二人と宮井の関係性が全く描かれないので、宮井が生きていようが死んでいようが、後に現世から消えようが、全くちっとも楽しくも嬉しくも悲しくもない。全く感情移入できない。話の作りがめちゃくちゃ下手くそ。
 で、急に男二人に追われるきぐるみのくまが出てくる。中に入っている廣瀬智紀を助けろ、借金の金を工面しろと言い出す宮井。ここでもまた、なぜ宮井が廣瀬を助けなければならないのか、出合や経緯が全く全然描かれないので、本当に何のために廣瀬が出てくるのかが理解できない。毛利、脚本のセンスまるっきりゼロ。
 アクションひどい。アクションに伴う美術や小物は段ボール箱。バカの一つ覚えのように何度も出てくる。低予算のためだというのはわかるけど、学園祭レベル。これで劇場で金とるなんて詐欺に近い。
 杉江大志(完全に女顔)の聴いているカセットテーププレーヤーがサンヨー(SANYO)のTALK BOOK MR-48かな。染谷、赤澤、廣瀬の三人が競馬中継を聴いているラジオがパナソニック(Panasonic)のRF-2400。
 沖縄の小さな映画館、『素晴らしき哉、人生!』、筑波海軍航空隊記念館、水戸市森林公園、ポティロンの森。

前田亜季、制服で変身すればいいのに、映画『最終兵器彼女』

 須賀大観監督映画『最終兵器彼女』(2006年公開)を観た。ドラマ部分と戦争部分が乖離しすぎ。見てもいいし見なくてもいい。
 北海道小樽中央高等学校での学園生活。窪塚俊介と木村了、最初、顔の違いがわかりづらい。学園生活みたいなのが描かれて後、窪塚、木村、貫地谷しほりの札幌の街歩き。からの空爆。
 いやはや、この展開は正直驚いた。VFXは荒いけど、戦争アクションになると展開が速くて、観客に考える間を与えない。ここの見せ方うまい。空から前田亜季が降ってきて機械人間であることが判明。
 小樽に帰り窪塚と前田。機械人間であることを一度訊くけどそれだけ。その後はずーっと男女のいちゃいちゃが続く。空爆のことも全く出てこない。ものすごーく不自然。不自然すぎて意味不明状態。札幌で戦争しているのに小樽は何の影響もないの?。それも空爆だよ。いくら何でもひどすぎる。
 で、ポケベルが鳴ると前田、参戦。で、男女のいちゃいちゃ。これの繰り返し。ひたすら飽きる。
 レンタルビデオ店Little Planet。酒井美紀が働いている。酒井、そこはかとなくエロい。隙がある感じ。いいねえ。
 前田と貫地谷の制服、少し変わっている。白いブラウスの上から肩紐のあるスカート。後ろから見ると胸の大きくえぐれたワンピースにも見える。襟にスカーフ。
 細かいことだけど、前田、私服から変身する場面が多い。ここは制服から変身するのがサービスだよねえ。少し制服が破れるとか。いろいろ見せ方があるよねえ。須賀、努力不足なのでは。
 窪塚、前田から告白され付き合っているし、酒井とも意味深なシーンが何度か出てくるし、貫地谷にも告白される。いやはや、モテすぎ。その割に、窪塚、モテる理由がわからない。設定と配役に無理がある。
 貫地谷、死ぬ。怪我、大したことなかったのに。脚本、雑。
 前田と窪塚。CG映像と思われる空爆された街中(小樽?)を二人が歩くんだけど、背景と人物が違和感ありすぎ。2006年だと流石にまだまだな感じ。
 なぜかわからないが、須賀、寝ている顔を上から撮るショットが多い。俳優の顔が広がってブサイクに見えるんだけど。
 ラスト、人身御供のように身を捧げる前田。砂地を歩く窪塚。モニュメントのような翼の一部。それから砂の中に窪塚が前田にあげた小さなぬいぐるみが出てくる。ここさあ、見せる順番、逆のほうがよくねえ?。
 何か得体のしれない構造物。砂の中に落ちているもの。拾い上げるとぬいぐるみ。構造物の汚れを払うと翼の一部。「やっとみつけたよ、ちせ」といいながら涙をこらえる窪塚。この順番で、どうでしょう?。
 北海道ロケ、小樽市旭展望台、おたる水族館、小樽北運河。

地元宣伝+障害者=つまらない、映画『ウイニング・パス』

 中田新一監督映画『ウイニング・パス(Winning Pass)』(2004年公開)を観た。キャラ設定が雑。演出も意味不明部分多め。見てもいいし見なくてもいい。
 松山ケンイチのバスケットシーン、コート内で立ち止まりぼーっとしている。編集がもっさりしていて何しているのかわかりづらい。
 松山の乗るバイクはヤマハ(YAMAHA)のTWと思われる。松山、バイクで走り出すシーン。ヘルメットのシールドはスモークで顔が確認できないのに、二人乗りで走行しているバストショットになると透明シールドになっている。うーん、撮影雑。
 オートバイの事故シーン。アクション、いまいち。
 松山、脊椎損傷のため便や尿のコントロールができず、自力で歩けず車いすの生活になる。ベッドから落ちて松山が尿を漏らすシーン。佐藤めぐみと角替和枝、ずーっと棒立ちで見ているだけ。それも長い。本当に編集がもっさりしていて、なんか別の意味があるんじゃないかと疑うほど。
 松山の妹役が堀北真希。なんか顔が変わっているような。堀北、整形なのか?。
 松山の入院している九州労災病院、大部屋に他の患者(ベンガル)がいるのはいいけど、四人部屋に二人というのは不自然。まあ、邦画の中ではよくあるけど。出ました屋上。矢崎滋と松山、どうやって登ったのかなあ?。病院の屋上って立入禁止ではないのかな?。何度も何度も何度も書くけど、邦画で学校と病院の屋上、安易に使い過ぎ。
 矢崎、指の爪が汚れている。町工場で働いているという設定で細かいけど、九州方言はうまくないような気がする。
 松山、急に堀北の同級生男子を追いかける。松山が喧嘩を売っているんだけど、男子逃げる。それも恐れおののいて逃げている。どう考えても腕力で勝てるはずなんだけど、松山、車いすなんだし。全く理解不能なシーンが続いて後、二人で笑う。見ている堀北。うーん、なんかどうしょうもないシーン。何がしたくて何が伝えたいんだあ。
 車椅子バスケットボールの試合シーン。本当の選手も混ざっているので迫力がある。けど、松山が入ると滞る。動作が止まったショットを頻繁に入れるので試合の流れがぶちぶち切れる。見せ方、下手くそ。
 学校、バリアフリーにしたという話だったのに、玄関がバリアフリーじゃない。逆に佐藤の家の門の前の段差がバリアフリー化されている。なんで?。佐藤の家に松山が来たの初めてだよねえ。
 矢崎、松山のために競技用の車椅子を「自作」する。ひどすぎる。なんか車椅子製作業者をバカにしてない?。そんな簡単に作れるわけないだろう。
 ベンチにいる松山、ずーっと座っているだけ。試合に出る前の準備運動とかして身体温めるとかないのかな?。
 体育館内、うるさくなったり、無音になったり、人がいるのかいないのかわかりづらい音入れ。ここも下手くそだなあ。
 ラストの大団円も意味不明。車椅子バスケの人たちはそういう風に喜ぶんでしょうか?。不自然に見えるけど。
 この映画がつまらない点は松山のキャラ設定。映画冒頭からものすごいひねくれものとして描かれる。で、病院にいるとだんだん性格が良くなるように見える。ところが車椅子バスケを始めるとまた独りよがりの性格が出てくる。ひねくれた性格は何が原因なんですかねえ。
 学校で松山が戻ると大歓迎している。あのー、映画冒頭のひねくれた性格からするとそんなに歓迎されるのおかしくないですかあ?。
 とまあ、松山のひねくれ性格の原因もわからなければ、物語にも絡んでこないし、性格が良くなる理由もわからない。なんかもう色んな所が適当なやっつけ仕事な映画。
 ちなみに車椅子バスケットボールが出てくる邦画は『パラレル』(2016/4/29掲載)、『マンゴーと紅い車椅子』(2016/9/23)がある。
 足立山妙見宮、小倉南スポーツセンター、福岡県立八幡北高等学校、サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」、3年1組、北九州市。

レプリカントを思わせる切ないラスト、映画『美女缶』

 筧昌也脚本・監督映画『美女缶(びじょかん)』(2004年公開)を観た。低予算ながら作りが丁寧。ラストは読めなかった、悔しい。
 4:3のビデオ映像風。低予算感はあるも撮影、演技など割としっかりしている。脚本は、なんちゃってギャグに逃げたり、登場人物を低能設定にしたりせずにきちんとストーリーを構成させている。
 缶を開けるとすぐに美女が出てくるわけではないのはうまい。一つ動作をかませることで違和感をなくしている。さらに隣人の小沢喬が美女缶を使っている前提で前フリしているので、ここでも観客の違和感を消している。
 説明ビデオも唐突に出てくるわけではなく、ビデオデッキが壊れる前フリで印象づけ。美女缶付属学習ビデオを小沢が見て後に、藤川俊生が見るというプロセスを踏むのは丁寧。
 藤川が新しく購入したVHSビデオデッキはシャープのVC-GH10。
 男女関係は添い寝だけ。ヌードなし、目合(まぐわい)なし。吉居亜希子が割と可愛いだけに残念。ビデオ内で性的に奉仕するっぽい説明もあるので、ここはもう少し頑張りたいところ。
 藤川の最初の彼女(木村文)が藤川の部屋に入ってきて食べ残しのカレーについて訊かないのは変。すべてお見通しということなのだろうか。
 読めなかったラストが、、。単純な方法なんだけど、意外に切なさも感じる。品質保持期限が、洋画『ブレードランナー』のレプリカントのよう。
 うなじパイ、時短、臨床心理学、白山神社、宇奈路市、非県民。

ステファニーの豊満ボディー、映画『プライド』

 金子修介監督映画『プライド』(2009年公開)を観た。こってりしたメロドラマを見ている感じ。配役もいい。最後まで見れる。
 配役がドンピシャ。金持ちの娘役がステファニー。素晴らしい肉体美。ヌードシーンなど全く無いけど、服から盛り上がる線が見事。俳優にとって肉体という持ち物も武器なんだなあと思わせてくれる。
 ステファニーに対抗するのが満島ひかり。華奢なんだけど、雑草っぽい生き方や二重人格のような性格の演じ分けなど、ちゃんとうまい。
 とまあ、この時点でかなり面白いんだけど、与えられている境遇やキャラが変化球で映画全体を面白くしている。
 普通さあ、お金持ちは性格が悪くて、貧乏人は素直でいい性格。貧乏人が逆転勝利を最後につかみとるというのが定番の物語。なんだけど、この映画はお金持ちが素直、貧乏人が実に嫌な性格。嫌い合いながらも互いに補完しながら成長していくというお話。あわせ鏡のように相手に自分の妬み嫉み見てしまうというというところが面白くてうまい。
 後、この映画の見せ場、歌のシーン。二人とも音楽大学の生徒ということになっている。オペラを歌うシーンあり。ここ、口パクなんだと思うけど、ほとんどわからない。びっくりした。普通、こういうところで白けるもんだけど、ちゃんとしている。
 ステファニーと渡辺大の出合はかなり強引。後、渡辺、高島礼子の店プリマドンナの中でずーっと女装なんだけど。かなり意味不明。脚本に違和感を感じたのはここだけかな。
 プリマドンナで英語の曲を歌うステファニー。声がマイケル・ジャクソンの子供の頃を思い出させる。
 満島が歌うと沖縄風のメロディーの部分で背景が南国風に変わる(ロケ地は沖縄琉球村か?)。ここ地元の人が見るとなんか安直で笑った。
 79分頃、ステファニーのアパートにあるオーディオセットが映る。ラックスマンのプリアンプのC-600fとユニバーサルプレーヤーDU-7i。一応、金持ちだけに高級機。だけど、パワーアンプがないと音出ないんですけど。まあ、手抜き改め映画的省略かな。
 シルバーのベンツの後部座席に乗っている及川光博とステファニー。車内がすごく揺れる。なんでこんなにカメラが揺れているんだろう?。低予算の映画で車窓が合成で全く揺れないのは当然変なんだけど、揺れすぎるのもなあ。やっぱり変。
 高島「女が二股かけるのは、どうでもいいか、どうしょうもないかよ」。セリフ、かなりがんばってます。
 満島、長門裕之のゲロを手のひらで受けたり、コップの中に唾吐いたり、とアグレッシブ。
 S.R.M.というバンドを組み歌うステファニーと満島と渡辺。渡辺のピアノは若干やらせっぽい。満島が観客席から登場、歌全体といいデュエットといいなんかディズニー見たい。客席の人が少なめで棒立ちなのはいまいち。
 後、急にドラムなどもいてバンド体勢になっている。練習風景が全く無かったのも今ひとつ。このあたりは手抜き改め映画的省略。
 ラスト、誰ともハッピーエンドにならず、三人それぞれの道を歩むことに。べたべたしてなくて、後味すっきり。
 ちなみに金持ちの娘という話の邦画は『白鳥麗子でございます!』(2015/7/27掲載)、『Let's 豪徳寺!』(2016/11/23)がある。
 BC CLEANING SERVICE、OPERA PALACE Tokyo、クインレコード、ホットショコラ、Walthamの腕時計、新国立劇場、昭和音楽大学、Zepp Tokyo、洗足学園音楽大学、スターホテル横浜、立教大学、戸田中央総合病院、LUXMAN、Roland、BANG&OLUFSEN、ソニー、JBL、H!BInO。

この映画、死人か怪我人が出たのでは?、映画『風の中の牝鷄』

 小津安二郎監督映画『風の中の牝鷄』(1948年公開)を観た。映画としては大したことないけど、階段からの転落シーンが怖い。ここは必見。
 一階が大家夫婦と子供二人。二階に田中絹代と子どもが間借りしている。田中絹代、めちゃくちゃ若い。のに顔が落ち着いていて、いつもの田中。28歳という設定なんだけど、奇妙な感じ。田中に若い頃があるのは当たり前なんだけど、不思議。
 若いといえば後半出てくる笠智衆も若い。年寄り役しか見てないので髪が黒黒している若い笠はやっぱり不思議。
 で、田中、復員してくる夫の帰りを待っているんだけど、子どもが大腸カタルになり入院。入院費用を工面するために売春(と思われる)に走る。
 ここが小津映画の限界なんだけど、目合(まぐわい)シーンありません。布団が映るだけ。手を握っているだけの『東京マリーゴールド』(2017/3/9掲載)より奥ゆかしい表現で、正直、今の感覚だと、何が起こっているのかわからなないかも。時代ですなあ。
 頻繁に映る象のオリ風の巨大構造物が不思議。ひとつは鉄骨がぐるりと取り囲んでいるだけ、もうひとつは鉄骨の中に構造物がありそうなんだけど何かで覆われていて詳細がわからない。一体、これ何なんですかねえ。錆びたドラム缶、錆びたフランジ付きの鉄管など、小津、好きだねえ。
 小津映画といえばカメラアングルがまず話題にのぼるけど、こういう巨大構造物を意識的に挟みこむのも特徴。『秋刀魚の味』(2015/2/3掲載)では煙突が象徴的に撮られていた。
 マックスファクターの言い間違いギャグが出てくる。
 とまあ、ここまでは普通の夫婦を描いた映画なだけなんだけど、75分にすごいシーンが出てくる。
 田中と佐野周二が口論となり、佐野が田中を二階から突き落とす。で、ショットが変わり一階の階段。上からダダダッと人が落ちてくるんだけど、なんと本当に人(顔が隠れるので田中かどうかはわからない。多分吹替)が途中後頭部を打ち付けて下まで落ちてくる。すべて実写。気楽に見ていたけど、本当に死んだんじゃないのか?この人。と思った。そのくらい本当に落ちている。ここは必見。
 その後、びっこで階段を登る田中。もうホラー映画みたい。佐野は声をかけるだけで全く助けない。多分当時は男尊女卑でこの演出で良かったのかもしれないけど、今見ると、もうなんか殺意すら感じられてサスペンスなの?これ。と思ってしまう。びっこをひき泣きながら佐野にすがりつく田中。これ夫婦の愛というより、時が立つと別な意味が生じている。怖すぎ。小津、サスペンス撮れば良かったのに。
 チフスの注射、麻疹。

見るべきはたこ焼きを焼くシーンだけ、映画『たこ焼きの詩』

 近兼拓史脚本・監督映画『たこ焼きの詩』(2015年公開)を観た。駄作気味。本当に見てもいいし見なくてもいい。
 部屋の中の娘(古和咲紀)と母(とみずみほ)とのシーン。べたな古臭い演技と演出。昔の安直なテレビドラマを思い出させる。
 父親(澤田敏行)がDJ、とみずがダンサーだったらしい。回想で描かれんるんだけどこれがひどい。その上、この二人の前歴が全く物語に絡んでこない。なんのための回想なのか意味不明。
 「店長、美人です」というセリフがあるけど、とみず、大して美人ではない。これまた、なんのためのセリフなのか理解不能。
 サンテレビ局内。番組制作の打ち合わせがだらだら長い。間延びして飽きる。テレビ番組より編集がひどい。
 サニーのたこ焼きやん!店内。たこ焼きを焼く厨房内の映像は面白い。たこ焼きの生地をつくる容器がポリバケツ。電動ドライバーの先にお手製のアタッチメントを装着して撹拌している。正直、これを見ると食欲減退。舞台裏は何にしても見るべきではないのかも。とみずによるたこ焼きを焼くシーンはドキュメンタリー風。長回しで見せ続ける。この映画の中で見る価値があるのはここだけ。
 草野球シーンは、これまたドキュメンタリー風で、普通に見るには構わないけど、古和が野球やっているようには見えない。
 母子家庭で、エアコンが壊れても買い替えできない、DVDプレーヤーが買えない、修学旅行旅費の積立もできない貧乏家族が、頑張ったら、扇風機(YAMAZEN(山善) YLT-AK301(W))買えました、DVDプレーヤー(Qriom)買えました、母へのプレゼントにマッサージ器も買えましたというお話。
 だけどさあ、今時、扇風機で喜ぶかなあ。拾えるし(『美女缶』で拾っていた)。もうネットで見れるからDVDで見る必要ないよねえ。DVDプレーヤー買うよりも携帯電話かネット接続を欲しがるのでは?。なんか設定も古臭い。
 それと努力して(仕事や野球)欲しい品物が買えたみたいになっているけど、たこ焼き屋の客が増えたのはテレビ局が偶然取り上げただけだし、野球はお願いされてしぶしぶ参加しただけだよねえ。これで努力なのか?
 後、ラスト近く、男性ボーカルグループの曲が流れ、とみずと古和がDVDプレーヤーをセットするとテレビに映像が流れ、Permanent FishのMVが流れる。これが映画の中で流れる曲とテレビ画面上の映像がちぐはぐ。ここはさあ、古和がずーっと見たいと思っていたDVDなわけだよねえ。音が出る瞬間を感動的に撮ってあげたら?。そのくらいの演出もしない手抜きな作り。
 ちなみに貧困生活、貧困生活を描いている(でてくる)邦画は『ゲゲゲの女房』(2014/9/21掲載)、『赤い文化住宅の初子』(2014/10/7)、『そこのみにて光輝く』(2015/1/25)、『百瀬、こっちを向いて。』(2015/1/31)、『誰も知らない』、(2015/2/25掲載)、『任侠ヘルパー』(2015/10/12)、『受験のシンデレラ』(2016/2/22)、『管制塔』(2016/6/20)、『ワカラナイ』(2016/12/19)、『素晴らしき日曜日』(2017/2/5)、『米』(2017/3/8)。まあ、昔は身分的、制度的に貧乏生活を強いられていたし、終戦直後は日本人ほとんどの人が貧乏だったわけで、この時代を描けばほぼ貧乏生活を描いた映画になるんだけどねえ。
 ジェネリック劇場のオープニング、ジェネリック家電、西宮市、日本女子プロ野球機構。

本木雅弘の子供番組が見たくなる、映画『永い言い訳』

 西川美和原作・脚本・監督映画『永い言い訳』(2016年公開)を観た。作り丁寧。子どもたちもうまい。最後まで見れる。
 本木雅弘、小説家。偏屈な性格が妻の深津絵里との会話から浮かび上がる。この性格が、ラスト近くまで続く。
 本木、黒木華との目合(まぐわい)シーン。ヌードやおっぱいポロリはないけど、ちゃんと腰動かしている。
 本木が竹原ピストルの団地(ロケ地は稲毛高浜北団地か?)に通うようになってから急に面白くなる。本木と子どもたちの演技が最高。藤田健心もいいし、特に白鳥玉季とのやりとりは子供番組を見ているよう。
 本木は藤田にとってメンター役。本木はテレビ番組の中や、竹原などの身近な人の前では強がったり、嫌な性格丸出しなんだけど、藤田にだけ露呈する本心は結構グッとくる。
 竹原の運転するトラックの中、TBSラジオ「東京ポッド許可局」が流れている。わたらせ渓谷鉄道の風景が幻想的。
 かわさき宙と緑の科学館で働く山田真歩のどもり演技、面白い。本木が急に子煩悩になったことに対して、池松壮亮の「逃避でしょう」「男にとって免罪符」「今のままだとずっと苦しいですよ」は、観客の意見を代弁していてうまい。
 物語は棺桶の中に入ってから後の話。死後、死んだ本人を回想により語る形式(『生きる』(2015/1/15)とか)と、死後、周りの人物がどのように死を受け止めるのか(『無法松の一生』(2015/10/16)とかかな)、この二つに分かれる。この作品は後者、残された人物が死をどのように受け止めるかの方。

目と目の間が離れている田中麗奈、映画『東京マリーゴールド』

 市川準脚本・監督映画『東京マリーゴールド』(2001年公開)を観た。撮影は優秀、腕ありそう。物語は、後半、意味不明。田中麗奈が見たいならどうぞ。
 樹木希林、彫刻家設定。「テレビが壊れているのに受信料」とNHK批判ぽいセリフがある。「放送ヤクザ」とか「スクランブルかけろ」とか言ってもらいたいところ。
 10分頃、田中の目と目の間が離れているという指摘がある。デビュー当時から思っていたことを映画の中で指摘するなんて、みんなそう思っていたんだねえ。だけど見慣れると美人に見えるから不思議。
 撮影は特徴あり。望遠レンズ風のショット多め。観察している、覗いているような気持ちになる。ショットも長めに撮っている。後、室内になると固定カメラ。極力、雰囲気を邪魔しない感じ。田中の無言で内に秘めた思いみたいなものが映像として表現されていて、手法が成功していると思う。映像的な良さは『がんばっていきまっしょい』(2015/7/23掲載)以来かも。
 23分頃、詩の朗読と歌が混ざり合っている女性の歌声、そこに田中の何気ない日常のショットが挟み込まれるんだけど、これが非常にうまい。ビデオポエムと呼びたくなるような完成度。
 ほんだし発売30週年記念で味の素が特別協賛しているだけに、田中と樹木が味噌汁を飲むシーンがある。ほぼCM。ここはご愛嬌。
 田中と小澤征悦との目合(まぐわい)シーン。手を握っているショットだけ。ひどすぎる。今時、この表現は古色蒼然すぎる。田中にヌードは期待しないけど、田中をいつまでも純情に撮ってもしょうがないと思うけど。ねえ、芸能事務所。映画後半、対面座位で抱き合うシーンあり。だけど着衣。これが裸ならねえ。
 田中の携帯電話はdocomoのF209i。田中、バイク便なのにオートバイの運転シーンなし。
 ここまでは、アメリカにいる小澤の彼女真弓(長曽我部蓉子)が帰国するまでの切ない恋(小澤からすれば二股)のはずなんだけど、後半意味不明な展開になる。
 まず、テレビCMに起用された自分の映像を見て、田中、失恋から立ち直るんだけど、これがよくわからない。状況としては何一つ変わらないのに、過去の自分の映像を見ただけで立ち直るのは、いくら何でも安直。
 後、「偶然」バスの中で田中、長曽我部に会う。で、これまた偶然なんだけど、妊娠と今の旦那、それと小澤とは昔付き合っていただけだと知る。あまりにも都合のいい情報が会話の中に入っていて、ここかなり白ける。
 長曽我部の話が本当だとすると、なぜ、小澤は田中に嘘をついて付き合っていたのか?。これが全く意味不明。小澤、普通に働いていて、別に田中が嫌いになったわけでもなし。最初は遊びだったけど、本気になったのであれば、嘘だったと打ち明ければ互いにウインウインなわけで、何も障害がない。なんか、ひとりずもうのマッチポンプな小澤に、これまた白ける。
 東京都写真美術館、スチャラカ電池、べっこうあめ、CM撮影。

田植えする女達が原始的土着的で美しい。映画『米』

 今井正監督映画『米』(1957年公開)を観た。田園風景、働く女達、全て美しい。残酷な突き放したラスト。おすすめ。
 田植祭と書かれた旗。神社の参道、馬を走らせる。
 田園風景。牛にひかせる鋤。田植えする女達。作業着が機能的でスリムで素晴らしいファッション。正直、驚いた。現代でも通用する美しさ。
 湯浴みしている女、ヌードあり。日に焼けて野性的(に見える)。土着的なエロさ。いやあ、素晴らしい。
 岡田敏子、手足も長く現代的。日に焼けて元気はつらつな役なんだけど、片想い。イヤリングを外したり、カップルに嫌がらせをしたり、せつない。
 場所が変わり湖(霞ヶ浦か?)。うなぎを取る。ろを漕ぐ。沈めてある木の枝、刺し網、帆曳舟(ほびきぶね)が湖に広がっている。いやはや日本とは思えない風景。大陸的で驚く。こんなの初めて見た。
 稲の中に隠れるほど中腰で草を取る女達。91分頃に縄綯い機(なわないき)が出てくる。これまた邦画で見たの初めて。足踏み式脱穀機も出てくる。
 中村雅子(新人)、望月優子の実際の妹らしいけど、中村が美人で似てない。中村と江原真二郎(新人)とのお金をあげる返すのいちゃいちゃは舞台風で古色蒼然。ここ微笑ましい。
 とまあ、茨城県と思われる(土浦駅が出てくる)田舎の生活がめちゃくちゃ詳細に描かれる。もう見ることのできない日本の風景として絶対見るべき。
 でまあ、物語はというと、アジア的な定番で女は働き者だけど、男はあまり働きません。で、ダメな男たちに比べ働き者の女達が支えている農村の物語かと思いきや。なんとラスト、田んぼを作り、夜は漁をして暮らす、貧乏一家(望月、中村)をさらにどん底に叩き落とすラストで終わる。すげー、昔の映画、やるときは徹底してやるもんだ。素晴らしい。
 惜しむらくは、画面がスタンダードサイズだということ。これがワイドで撮られていたら何も言うことはないんだけどなあ。庶民の生活の記録としても残念無念。
 アイスキャンデー、ワカサギ、パン助、逆さ杭、三浦警察署。

バブル直後の雰囲気、映画『ぷるぷる PURU PURU 天使的休日』

 橋本以蔵監督映画『ぷるぷる PURU PURU 天使的休日』(1993年公開)を観た。ドタバタコメディーで映画としては見てもいいし見なくてもいい。けど、バブル期の雰囲気は出ている。
 とにかく登場人物が多い。それも現在も活躍している俳優が目立つ(すでに死んだ人もいる)。配役に先見の明はありそう。
 細川ふみえ、飯島愛(故人)、村上淳、林泰文、-GiriGiri☆GIRLS-、-SEXY MATES-、憂木瞳、宮崎彩子、河合亜美、周富徳、田口トモロヲ、桜金造、梅垣義明、柴田理恵、なべやかん、イジリー岡田、セイン・カミュ、前田耕陽、平成女学園、多摩っ子ハブルス、電撃ネットワーク、一色彩子、鶴見辰吾。
 一色、SM風、和服、白いスーツとコスプレがすごく似合う。細川は単色のワンピースが似合う。さすが立派な肉体をお持ちですなあ。女優陣、ほぼすべてワンレングスボディーコンシャス。ティーバックの水着など、お色気要素多め。
 コメディー映画なのに、ワンショットのために、わざわざ水上オートバイを出したり、ヘリを出したり、とバブリーな部分が目立つ。それなのに天使が天国に帰る地場エネルギーを操作するスティクとか、光る石とか、小道具はものすごくしょぼい。
 バブル直後の風俗習慣が見たいならどうぞ、目の保養にもなるし。
 白井貴子「このまま」、LINDBERG「流れ星を探して」、マジック監修・引田天功、ホテルリステル浜名湖、佐鳴学院。

戦時中なのに化粧が濃い、映画『海軍兵学校物語 あゝ江田島』

 村山三男監督映画『海軍兵学校物語 あゝ江田島』(1959年公開)を観た。物語は展開がおかしな部分あり。海軍兵学校の校舎、周りの風景は大画面向きで素晴らしい。見る価値はある。
 昭和十九年に江田島海軍兵学校に入学してきた村瀬(野口啓二)と石川(小林勝彦)、先輩の小暮生徒(本郷功次郎)の三人のお話。
 野口が反抗的な態度の新入生、それをしごく先輩の小暮、という図式。ここで旧日本軍の不合理な習慣や論理も表現される。階段は二段ずつ登る。食事は右手を使わない。建物に対して直角か平行に進む。水筒の蓋も兵器あつかい。当然、有無を言わさず鉄拳制裁。鉄拳シーンで吹っ飛ぶ感じのアクションはすごい。
 本郷が野口の血を拭くショットはちょっとBL風。それにしても、出てくる女優たち、化粧が濃い。三宅邦子はまあしょうがないけど、矢島ひろ子と仁木多鶴子は、戦時中なんだから。昔の女優は顔に力があるなあ。
 駅前。小林、帰郷。母の死の知らせ。後ろで出征のバンザイの声があがる。悲喜こもごも、生と死の表現としてうまい。
 本土空襲になると歴史フィルムとミニチュア特撮で表現。ここかなり白ける。野口が戦死するシーン。塹壕の中で撃っていた軽機関銃の種類が変わっている。まあ、別の場所だというのならいいだけど、画面のつなぎとしては変。後、野口が死んだ後、海軍兵学校の中を三宅が案内されて見て回る。その時、整理ダンスをチェストと呼んでいるけど、英語はいいのか?。海軍だからいいのか。
 石川、海軍兵学校を卒業すると、「特別攻撃隊要員として飛び立つ準備」と言って、その後、戦闘機に乗って撃墜され、海に落ちる。え?、海軍兵学校出たのに戦闘機の操縦しているんだけど?。辻褄があわなすぎて画面の前で目が点。石川、なんで空軍に行かされるんだあ?。なんで戦闘機を操縦できるんだあ?。戦闘機、なめすぎじゃねえ?。全く意味不明な展開。
 弥山係(みせんがかり)、精神主義、葉隠、江田島羊羹、沖縄、人間魚雷、古鷹山、協力海上自衛隊、海上自衛隊幹部候補生学校、教育参考館。

哀川翔がミスキャストかなあ、映画『太陽の傷』

 三池崇史監督映画『太陽の傷』(2006年公開)を観た。三池にしてはおふざけ無しで真面目に作られている。けど、見てもいいし見なくてもいい。
 冒頭から乱闘シーン。グロい感じは流石にうまい。中学生という設定にしては俳優が老けすぎ。邦画にありがち。
 哀川翔の仕事が建築設計関係みたい。ドラフターとCADが混在している。そういう時代だったんだねえ。
 哀川の妻が病院の屋上から転落するシーン。病院や学校の屋上は立入禁止だと思うけど、なぜ屋上にそんなに簡単に登れるのか?。邦画の悪習。
 車の上に落ちる。ワイパーが微妙に動く、血が滴る。このあたりは非常にうまい。けど、妻が車の上に落ちる瞬間、現場に居合わせた哀川、驚いた顔で振り向くだけ。演技も下手くそだし、演出もひどい。人が空から降ってきたんだよ。最初は爆音に驚いて何がどうしたのかわからない状態だよねえ。なんか、哀川、普通な感じ。
 遠藤憲一、グロいワンポイントリリーフ。こういうのがいらない。保護司の平泉成が責任逃れをする時「私、ボランティアですから」とぼそっと言う。面白い。
 電車内部、路上での撮影シーン多め。望遠で撮って覗いている感じ。
 ラスト近くの銃撃戦。哀川、普通に撃っている。初めて銃を手にしたんじゃないのかな?。森本慧の無慈悲な感じで銃を撃つのはいい。こちらも普通に撃っている。アメリカだったらわかるけど、邦画だと白ける。
 少年法に守られた森本を被害者の哀川が追い詰めていく話。話としては少年法の穴や、被害者より加害者を守る世間の論調など、わかる部分は多々あるんだけど、映画としてはねえ。
 とにかく、警察と哀川が微妙にバカな部分がある。映画冒頭で哀川が加害者としてしょっぴかれるシーン。やべきょうすけなどの目撃者がいるし、凶器も持っているし、前科もあるんだから、警察が犯罪者にそこまで優しいですかねえ。
 哀川が森本に会いたがることで、加害者側の守られた状況を浮き立たせるわけだけど、哀川の行動がやむにやまれぬ行動というより、物分りの悪いおっさんなだけに見えてくる。会いたいというだけで、具体的に何をするわけでもないようだし。犯罪を誘発させて恨みを返したよに見えるラストだけど、別に計画してたわけでもなし。哀川に感情移入するにはかなり無理がある。
 木更津市、常総市。

関めぐみによる弟の皮をむく暗喩あり、映画『彩恋 sai-ren』

 飯塚健脚本・監督映画『彩恋 sai-ren』(2007年公開)を観た。前半は先が読めなくて牽引力あり。後半は割と普通。微妙だけど、見てもいいし見なくてもいい。かなあ。
 貫地谷しほり、関めぐみ、徳永えりの三人が女子高生役。ロケ地は銚子。電車の中は実写。銚子電気鉄道の協力もあって電車関係のショットは豊富。
 貫地谷の家が広瀬クリーニング店。母親役の奥貫薫が運転しているのがスバルサンバーのVWバス風改造車。邦画で見たのは初めて。
 貫地谷が細山田隆人と対決するのが風のアトリエというレストラン。
 EDになることを「男からリストラされた」など、セリフ回しは結構面白い。
 関の弟役松川尚瑠輝のセックス関係の話があからさま。スーパー銭湯で男性器の皮をむく努力をするショットを長々と撮ったり、応援する男どもの股間にぼかしが入ったり、と下半身ギャグが多めに出てくる。
 駅のホームでトックリセーターを着ている松川の襟を関が広げてあげるという近親相姦的ショットもある。性的イメージは暗くならず明るめ。
 小林且弥、遺体役。胸が動いている。シーツの下は何も着ていないようで身体の線が浮き出ている。律儀にちゃんとしている。
 ちなみに死体なのにお腹が動いている邦画は『犯人に告ぐ』(2015/4/26掲載)、『藪の中の黒猫』(2015/9/20)、『寝ずの番』(2016/1/17)、『秦・始皇帝』(2016/2/25)、『乱れからくり』(2016/5/20)、『少林老女』(2016/7/10)、『アキレスと亀』(2016/7/12)とまあ邦画あるある。
 貫地谷、キックボードに乗っている。キックボードが出てきた邦画は『ニンゲン合格』(2017/1/13)、『阿波DANCE』(2017/1/14)と少なめ。見逃している可能性もあるけど。
 夜間撮影はライトを落として、暗さが出ている。このあたりは映画的。
 邦画の悪癖。高校の屋上、出まくり。ここはマイナス。病院や学校の屋上は立ち入り禁止なんだよねえ。三人以外の高校生がほとんど出てこないのも不自然。
 映画ラストの海の見えるチャペルは犬吠埼京成ホテル。大団円のつもりだろうけど、見終わった後の感じは散漫。三人の中の一人にスポットを当てるべきだったように思われる。丁寧に作られているだけに残念。
 東進衛星予備校銚子駅前校、銚子市立第三中学校、銚子大洋自動車教習所、リストラドライブ、春風、梶本書店。

映画というより歴史再現テレビドラマ、映画『学校をつくろう』

 神山征二郎監督映画『学校をつくろう』(2011年公開)を観た。映画というより歴史再現テレビドラマ。見てもいいし見なくてもいい。
 三浦貴大がふんどし姿でケツの穴を検査される。というエキセントリックな出だし。
 明治時代のアメリカでの留学生活が描かれていると思ってみていると、急に現在のアメリカのショットが挟み込まれる。いやはや、普通の映画だと思い込んで見ていたので面食らった。ほぼ、テレビの再現ドラマの手法で作られている。映画としてわざわざ見る価値はない。
 説明として女の声でナレーションが入る。後、基本、室内のみの会話劇がずーっと続く。かなり飽きる。
 アメリカなのに周りがすごくいい人ばかり。差別が描かれない。飽きる。
 馬車の中、車窓が合成。船の中、車窓が合成。こんな感じ。
 三浦が専修学校を設立するまでを描く。三浦と学校といえば『サムライフ』(2016/4/10掲載)が同じ設定だった。バリ島で幼稚園建設するのが『神様はバリにいる』(2015/8/11)、カンボジアで学校建設するのが『僕たちは世界を変えることができない。』(2015/9/12)がある。共通するのは、映画として大して面白いくない。
 アメリカロケ、日光東照宮、上田市、長野市、佐倉市、日本郵船氷川丸、専修大学創立130周年記念。

女の腐ったような芥川比呂志、映画『濹東綺譚』

 豊田四郎監督映画『濹東綺譚(ぼくとうきたん)』(1960年公開)を観た。ひたすらだらだらしている主人公に飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 眼鏡のおじさんによる独白での説明。最後までこのおじさん、物語に絡んでこない。登場する必要性なし。
 昭和十一年、隅田川沿い。寺島町の売笑婦たちの集まる通称玉の井。雨の日に芥川比呂志と山本富士子が出会う。で、山本の元へ芥川が通うようになる。
 気の弱そうな男芥川がなぜそんな悪所通いをするようになったかというと。芥川の妻が新珠三千代。新珠にあててたくま家から毎月金銭が執事の松村達雄を介して送られてくる。どうも子どもの父親はそのたくま家の主人のよう。薄給で自分の子供ではないという二重の確執があるようで夫婦仲が悪い。で、悪所通いというのが芥川の言い訳のよう。
 道の真ん中にドブ川、「すまれらけ抜」の看板。汗、手ぬぐい、蚊帳、蚊取り線香、うちわ(暑さ対策と蚊よけ)、とまあ視覚的な暑さは昔の映画は表現が豊富。店の床板を取ると靴箱になっている。へー、昔はこんな構造の家があったのだろうか。
 売笑婦役の山本、ふくよかな身体で確かに男好きしそう。新珠との対比としても配役はうまい。
 新珠はすごい。神経質でギスギスしている感じ。子どもが寝ている和室の仏壇の前で平太鼓を打ち鳴らしてお経をあげる。いやはや、こんな妻だと足は遠のくだろうなあ。新珠と乙羽信子による夫婦生活に関する会話が実にいやーな感じ。
 芥川、なよなよして優柔不断で何がしたいのかわからない苛々させる感じがある。『浮雲』(2015/10/15掲載)の森雅之に並ぶダメさ加減。
 エロ関係のバリアがすごい。売笑婦の話なのに山本の胸の谷間がちらっと映るだけ。ヌードなし。キスシーンすら着物で隠す始末。なんでこんなにガードが硬いのか意味不明。
 芥川だけがダメ男だと思っていると、山本も抜けている感じ。自分が直接母親のもとへ行けばいいものを親戚(織田政雄)を経由するものだから金を使い込まれ、母親の死に目にも会えない。敗血症になる山本。看病するのは織田。負のスパイラル絶ち難し。
 お上りさん、すかんぴん、猥本、氷白玉、灯火管制。
プロフィール

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グブリー川平(かびら)
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