2016年12月後半観たおすすめ邦画

2016年12月後半観たおすすめ邦画
 2016年12月後半観た邦画は32本。

【次点】

『DOLPHiN BLUE(ドルフィンブルー) フジ、もういちど宙へ』監督前田哲、2007年公開、2016/12/30掲載。
 美ら海水族館を訪れる人、沖縄人に特におすすめ。水族館の全面協力でイルカ周りが詳細に描かれる。セリフではなく、映像で表現するとはどういうことかがよくわかる。

【次点の次点】

『ワカラナイ』監督小林正弘、2009年公開、2016/12/19掲載。
 高校にもいけなくなった男(小林優斗)の貧困生活を描く。詳細に描いている部分と雑な部分が入り交じる出来ではあるけど、日本社会の問題に切り込んでいることは確か。教育映画として見ておくべき。

『カナリア』監督塩田明彦、2004年公開、2016/12/20掲載。
 オウム真理教を思い出させるシーンが数多くある。これまた作りが丁寧な部分と雑な部分が玉石混交。これまた教育映画として見る価値はある。

『トットチャンネル』監督大森一樹、1987年公開、2016/12/25掲載。
 今では放送ヤクザに成り下がったNHK。黒柳徹子がNHK俳優研修生から専属俳優になるまでを描く。設定が非常に珍しく最後まで見れる。斉藤由貴、高嶋政宏(新人)、村上里佳子(現、RIKAKO)がめちゃくちゃ若い。

『BULLET BALLET(バレット・バレエ)』監督塚本晋也、2000年公開、2016/12/26掲載。
 モノクロ。映画としては大して面白くないけど、途中挟まれるリボルバーの発射と戦争の歴史フィルムを組み合わせたイメージ映像は素晴らしい。音楽の挟み込み方、編集と才能が溢れている。

『ファンシイダンス』監督周防正行、1989年公開、2016/12/27掲載。
 ピンク映画ではない長編商業第一作だと思われる。撮影するテーマを調査して映像にして見せる表現方法がすでに確立している。ただそれが面白さや笑いにまでは昇華できてない感じ。

『GET UP!(ゲロッパ!)』監督井筒和幸、2003年公開、2016/12/27掲載。
 西田敏行の演技を愛でる作品。ほぼ出ずっぱりで歌い踊っている。西田と常盤貴子の父娘関係で泣かせのシーンあり。子役の太田琴音が池脇千鶴に似ている。

『暗黒街の顔役 十一人のギャング』監督石井輝男、1963年公開、2016/12/29掲載。
 大きな工場内に押し入り従業員の給料を盗む計画を立てる鶴田浩二。強盗計画の準備、実行、結果を見せていく。人間関係が膨らんで複雑になり予想がつかなくなる点は面白い。ラストは全滅。救いがない。リメイクすると面白くなる作品。

【珍作】

『猫目小僧』監督井口昇、2006年公開、2016/12/17掲載。
 被り物、太った猫目小僧など、手抜きというかふざけているとしか思えない作りこみ。内容といい登場人物といい、子供向けだなと適当に見ていると、急に差し込まれる性的イメージ映像。それもグロい。とにかく変な映画。

【駄作】

『小津の秋』監督野村惠一、2007年公開、2016/12/31掲載。
 作品自体、下手くそなんだけど、小津安二郎の名声を利用している点に腹が立つ。邦画の過去遺産を食い物にして浪費しているだけ。

【駄作というより稚拙】

『魔法少女を忘れない』『うたかた』
 この二作品はまあ下手くそ。劇場公開レベルではない。


〈2016年データ〉
 2016年、観た邦画の数は733本。NO.1397〜NO.2129まで。
 超名作はブログ開設時にあらかた見てしまっているので、小粒な作品が多くなり「おすすめ邦画」が出にくくなっている。来年はこのまま一日二本鑑賞を維持すべきか、一本を二回観て、より詳細な文章を書くべきなのか迷うところ。
 今年観た中でおすすめするなら『愛を乞うひと』(2016/1/9掲載)と『首吊り気球』(2016/3/31)。

永六輔が端役で出ている、映画『小津の秋』

 野村惠一監督映画『小津の秋』(2007年公開)を観た。やっつけ映画。小津安二郎の名声を利用した駄作。
 映画冒頭、沢口靖子が電車から降りるシーン。客の中に永六輔がいる。その後、一切物語に絡まない。完全なエキストラ扱い。
 アートランドホテル蓼科に宿泊する沢口。茅野市尖石縄文考古館の土偶を見たりする。雑誌記者で取材旅行らしい。ただ何を記事にしているのかはよくわからない。
 沢口、びっこでホテル支配人の栗塚旭を車で拾う。栗塚、帰宅途中だと思うんだけど、何故かポットにコーヒー、ティーカップセットまで持ち歩いている。うーん、足が悪いのに帰宅するときにそんなもの持ち歩くのか。それも徒歩で。ものすごく理解しづらい人物像。どうも藤村志保のためらしい。
 急に小津安二郎記念蓼科高原映画祭。作品に何の関係もないし、脈絡もない。完全に宣伝に使われているだけ。ひどすぎる。
 沢口、昼の服装のままベッドの中で寝ている。iBookのメール受信音。寝ているのか仕事しているのかものすごくわかりづらい場面。とにかく、登場人物が何をしたいのか何をしているのかがわかりづらい。見せ方下手くそ。
 無藝荘(調べてみると小津が別荘として使っていた建物らしい)を経営?している藤村志保。沢口と栗塚がくる。栗塚が作ったランチの重箱を沢口が持って下車。二人歩いて藤村の前へ。あのー、行動がおかしくないですか?ランチを持ってピクニックに行こうという話だよねえ。なんでさあ、沢口、重箱外に持ち出すの?そんな疑問を持ちながら見ていると、藤村と沢口が重箱を地面に落としてしまう。これが見せたいがためだけに重箱を外に持ちだした沢口。人の行動がものすごくいい加減なひどい適当な脚本。小津安二郎、こんな作品に名前使われて、草葉の陰で泣いているのでは?
 栗塚の子供の頃の回想。アメリカ軍戦闘機の機銃掃射が足に被弾。それが原因でびっこに。子供を狙ってわざわざ撃つのかあ?それと「グラマン」といういセリフがあるので艦上戦闘機のF6Fヘルキャットに撃たれたということだとすると、12.7mm機関銃が右足に被弾したことになる。それでその程度の傷なの?と訝しく思っていると、山の中で栗塚が義足だということがわかる描写がある。足が吹き飛んだか切断した傷だったということね。ここはちゃんとしている。
 白樺の林の中の道。沢口、落ち葉?を拾って耳に当てる。うーん、何してるんだろう?意味不明。
 沢口の入浴シーン。顔左側からのバストショット。老女に見える。なんか映像がテレビドラマに毛の生えた感じ。女優が一番きれいに見えるショットを撮るべき場面なのに、やる気のないのがまるわかり。なんでこんな作品に小津は名前貸したんだあ?
 またまたひどいシーン。沢口運転、助手席に藤村。カップルの乗った乗用車が路肩に停まっているのを発見。「止めて!」と叫ぶ藤村。藤村、カップルの乗った車にでかい石を投げつけてガラスを割る。なんか藤村、気でも狂れたのかと思ったら、カップルが自殺していたんだって(車の中で二人で寝ているだけようにしか見えない)。
 バカすぎる。あのさあ、なんで走っている車から停まっている車の中の二人が自殺していることがわかるんですかあ?それに二人は何自殺なの?車の外に「自殺中です」みたいな張り紙なかったよねえ。さらに藤村と自殺した(後に生きていることが判明)カップルとは全く面識がない。藤村は超能力者?この映画関係者はバカなんですかあ?本当になんでこの映画が小津安二郎の名前使えるんですかあ?邦画界の謎。
 それにさあ、沢口、急ブレーキ踏むときは後ろ確認しろ。運転してないのがまるわかり。
 夜、ホテルの屋上でトランペットを吹く男。この設定もバカすぎるけど、その上、吹きまね。音と指使いがあってない。本当に作りが適当。
 藤村、寒いのに必ず縁側に出ている。人の行動としておかしいよねえ。こんなんばっかり。本当に飽きる。
 釣りのシーンも言葉だけでうまいと褒めるだけ。彼氏は機械工学の技術者とか、もう本当にどうでもいい。
 藤村、沢口との別れに何か手渡す。中身も見ないで遠慮する沢口。本当にみんな行動がおかしい。中身も知らないのに遠慮したりもらったりするかあ?
 彼氏の車の中の助手席の沢口。藤村からもらったハンカチを広げるとべっ甲で作られたような彫り物。沢口泣く。観客、ぽかーん。前フリも説明もないのでそれが何なのかが観客に全くわからない。
 映画『秋日和』、女神湖、赤沼平築造工事、オー・ヘンリー「最後の一葉」、マリー・ローランサン美術館、蓼科高原美術の森彫刻公園。

ブラウン管テレビとともに貞子は死んだ、映画『貞子3D』

 英勉監督映画『貞子3D』(2012年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 刑事の高橋努と高校生?の染谷将太が説明役なだけ。ほとんど物語に絡まない。
 貞子、スマホ、パソコン画面、街の大型ディスプレイとあちこちから簡単に出てくる。貞子がかなり安くなった感じ。有り難みがない。あと、やっぱり出てくる機材が薄型になった分、貞子も薄っぺらい感じ。ブラウン管テレビだと貞子にも重量感を感じた。ブラウン管テレビが液晶やプラズマへ変わった時に、貞子も死んだ。
 画質はちょっと不思議な感じ。奥行きが強調されたように見える。あと、映像のコントラストが強い。ホラー映画には効果的かも。
 女子高生がはめ殺しの窓ガラスを突き破って転落。今のガラス、そんなに簡単に割れないぞ。できるのか?
 高良光莉、でかい。面構えは南海キャンディーズの山崎静代を思い出させる。女優として貴重かも。
 石原の回想シーン。中学生?の子役、雰囲気悪くない。瀬戸康史の子役は顔がすごく似ている。また屋上。本当に邦画はバカの一つ覚えみたいに屋上ばかり出す。その後もビルの屋上が出てくる。この辺は安易。
 石原と瀬戸の食事シーン。食べ物出し過ぎ。
 高橋、呪いの動画を見たら髪が長くなっている。ここ笑える。後で、石原もすごく髪の毛長くなる。呪いの動画ではなくて毛生え動画、育毛動画なのでは?長い黒髪が出てくるホラーといえば『EXTE(エクステ)』(2015/2/16掲載)がある。
 田山涼成、呪いの動画を否定していたのに急に詳しくなっていて、井戸のある施設に石原を案内する。
 ここからホラーというより怪物パニックものになる。足長髪長貞子(分身?)がたくさん出てくる。地を這う感じは『テケテケ』(2015/12/15掲載)ぽい。
 薄い壁沿い、隣に足長貞子。スプレー缶を遠くに投げて、貞子を誘き遠ざけて逃げる石原。だけど薄い壁がどーんと崩れて貞子出てくる。けど長い足が引っ掛かり石原、助かる。このあたりは一応、見せ方の基本は押さえている感じ。
 部屋の中、ロッカーに隠れる石原。足長貞子入ってくる。ロッカーの中、暗闇に石原の顔がぼーっと浮かぶ。ここの表情、いい。この映画の中でベストショット。ロッカーのドア、ばーん開ける、いない。ばーん開けるいない。まあ、ここの見せ方も定番。英、普通に仕事はやっている。
 貞子周辺のロジックはかなりいい加減。貞子分身?は石原の叫び声で消えていたはずなのに、井戸近くの廃墟の中での格闘になると、石原が殴ると消える。うーん、石原の超能力みたいなのが、面白かったのに。精神性じゃなくて力技なの?
 ラスト、瀬戸がスマホを壊して一見落着。いやいや、貞子はどこにでもあるディスプレイから出てくるから怖かったんでしょう。動画は勝手にネット内で移動している、ていう説明もあったよねえ。そのスマホ壊したから終わるっておかしくねえ?あと、山本裕典、どこ行った?
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NO尾びれ、NOイルカ、映画『ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ』

 前田哲監督映画『DOLPHiN BLUE(ドルフィンブルー) フジ、もういちど宙へ』(2007年公開)を観た。作りが丁寧。最後まで見れる。
 ロードスポーツ自転車に乗るサングラスにヘッドフォン男(松山ケンイチ)。さとうきび畑があったりする農道を軽快に走っていると、マウンテンバイク風の少年風(高畑充希)が追い越す。松山、抜き返す、少年風、逆に抜く、松山抜き返す、と延々に続く。一応、登場人物の説明シーンとしては、何だ?と興味を惹かれるので合格。
 松山の背負うメタリックなリュックサックはボブルビーかな。『ギャルバサラ 戦国時代は圏外です』(2015/8/15掲載)、『七子と七生〜姉と弟になれる日〜』(2015/11/30)、『宮部みゆき ソロモンの偽証 前篇 事件』(2015/12/12)に出てくる。
 国営沖縄記念公園の全景。沖縄美ら海水族館付近に移動。松山、獣医らしく新しく赴任してきたよう。館長、山崎努。課長に利重剛、飼育員に池内博之と坂井真紀。プールにはイルカのフジ。外に出ると、喫茶店マスターの永作博美、高畑のおじいは上間宗男かな。東京には松山の彼女の西山茉希。ブリジストンの田中哲司。内、外、本土と狭さを感じさせない世界観。
 松山、たくさんの目覚まし時計に囲まれて起床。『ウルトラミラクルラブストーリー』(2014/10/8掲載)にも松山による全く同じ場面がある。
 美ら海水族館全面協力のためか、イルカに関する設定、撮影は詳細で丁寧。感心した。例えば、イルカの体温測定、肛門に器具を差し込んで測っている。サーモグラフィーによる血流調査。映像でちゃんと見せる。尾びれの手術は県立北部病院の協力で電気メスで切断する。異物装着訓練。ブリジストンの田中の協力による粘土による尾びれの型取り。人口尾びれ試作品も何通りも作られる。
 更に凄いと思うのはプールでの作業シーン。何度も繰り返される装着と取り外しをちゃんと映像として見せる。もちろん、その都度、プールの水を抜いたりためたりしているわけではなく、水のないシーンをまとめて、水のあるシーンをまとめて撮っているはずだけど、映像として、ひつこく撮っているのは素晴らしい。映像で見せるとはどういうことかを思い知らされる。
 最もすごいのは、池内によるフジを浅瀬プールにおびき寄せる訓練。人口尾びれの装着取り外しのためにはどうしても必要な行動なのだけど、未知の場所を怖がってフジは浅瀬プールにはいろうとしない。それを何度も何度も池内がおびき寄せる。その都度失敗。これが本当に何度も続く。まるでドキュメンタリー映像を見ているよう。ここはすごい。
 27分頃、利重が三線、永作が歌うのは「娘ジントヨー」かな。
 女声、地声のコーラス。上間が死に、サバニに乗せて海で燃やす。砂浜で見ている松山と高畑。うーん、沖縄の人が見るとここはやり過ぎ。あくまでもイメージ映像ね。内地の人が見て虚構が成立しているならいいか。
 高畑、母のいる東京に向かう。名護ターミナル。高速バス111番線。松山、自転車で美ら海水族館から名護ターミナルまで走ったということだろうか。かなり遠いぞ。
 松山、諸志(しょし)共同売店のポストに封筒を投函。松山の独白で「東京には戻りません」。高畑は花柄のワンピース姿で島を出ることで、松山は沖縄に残ることで、精神の成長を示している。
 エンドロールを見ると陸上をFUJIFILM、水中をKodakとフィルムを使い分けている。
 沖縄美ら海水族館を訪れる前に一度見ておくといいかも。これは以外に沖縄の人が見るべき。身近すぎて知らなかった発見がある。
 やなわらばー(沖縄方言で悪童)、ソーキカレー、壊死、肝機能障害、隔離プール、ラグーンプール、アメリカングッドイヤー、シークワァーサージュース、今帰仁村、本部町、natural cafe haru、オキちゃん劇場イルカショー。

小島ミカのロケット型おっぱい、映画『うたかた』

 映画『うたかた』(2008年公開)を観た。全五作品のオムニバス形式。設定雑、見せ方下手くそ。劇場公開のレベルではない。

「忘れな草」監督小松﨑淑子。
 長野せりなの家。玄関の戸を開けて、土間の空間に郵便ボストがあるという奇妙な作り。しばらく見ているとどうもおじいちゃん(森里一大)が民宿のようなものをやっているみたい。その後、この設定が絡んでくるわけでもない。食事シーン。テーブルに家族四人がL字型に座っている。ものすごく不自然。撮影のために座っているのがまるわかり。
 長野と妹の小嶋佳那恵の年齢設定がよくわからない。小嶋と森里、ボール遊び。その年齢でそんなことするかなあ。長野、その成長した身体で、ランドセル。ひどすぎる。小学生にする必要がどこにあるのか、全く理解できないし、小学生役に長野を配役する理由もわからない。本当に邦画の配役バカすぎる。例『十字架』(2016/11/16掲載)の小出恵介が中学生とか。
 小嶋が足を怪我するシーンの見せ方下手くそ。小嶋、足を引っ掛けただけなのにすぐ長野が「大丈夫?」と声をかける。足を押さえるショットを入れるとか、うずくまるとか、遅れた小嶋を引き返して抱き上げるとか、入れなきゃいけない説明映像、素人でも思いつくよねえ。そんなことすらしない。もしくはできない。そのくらいのレベルの作品。これ、劇場で見た観客は暴れたのでは?
 管理人が追いかけてくる。怖い効果音。管理人、もう引き返しているのに、まだ効果音大きくなっていく。もう、間抜けすぎ。下手というより、映像センスがないと思う。
 三角屋根のロッジと思われる家。鍵を開けると外で靴を脱ぐしぐさ。なんで?玄関がないの?普通、管理人の部屋にある鍵は玄関の鍵だよねえ。外で靴を脱ぐ作りのロッジってあるの?太陽光発電パネルが屋根に乗っているし。ちなみにエンドロールにロッジ高滝湖とあるので調べたけど、この建物は見つからなかった。
 二階にある女の子の絵を見て逃げ出す長野。理由が全くわからない。前フリも説明も無し。脚本もどうしょうもなく下手くそ。
 白い服の女の子(楯岡紗栄)が出てきてシャボン玉を吹く。この幼女が幻想物語の記号らしく、その後、毎回出てくる。そんなので締めくくられてもねえ。誰も納得しないんだけど。
 その他の出演、黒田よし子、小田博。脚本、田川繭。

「翳る陽の少女」監督神宮司聖。
 美月瑠菜、急に人魚の肉を食った話をする。で、八百比丘尼の話が、字幕で、もう一度書く、字幕で説明。それも長い。手抜きしすぎ。これじゃあ紙芝居よりもひどい。なんで映画をとっているのか、考えたことあるのか?
 人魚の肉を食べる邦画は『陰陽師』(2015/7/5掲載)。小泉今日子がなかなかエロい。やっぱりさあ、人魚の肉食って不老不死なわけでしょう。このくらい怪しくエロい女に撮ってよ。美月のどこが不老不死なんだよ!そんなふうに見えないだろう!
 ラスト、美月と多部未華子似の長野レイナが二人座っている。バストショットしか撮らないので何をしているのかが全くわからない。何を撮りたいのかすら監督自らが把握しているのか疑問。
 これで劇場公開、もう観客は暴れたでしょう。
 その他の出演者、東孝之、麻田真夕、平松知子、佐藤愛梨、金子まとい、楯岡紗栄。脚本、田川繭。

「撥恋少女」監督藤田賢一郎。
 全作品に共通しているんだけど、セリフ聞き取りづらい。重要な単語も流してしゃべっている。
 コスメドール辰巳屋に入ってスプレーを薦められる渡辺万美。恋愛プルーフの力があるらしいんだけど、この設定が雑でいい加減で意味不明。
 スプレーをかけると男たちが寄ってくる。憧れの先輩伊敷明徳に会う。伊敷、別に普通。名前すら覚えていない。あのー、男たちはみんなメロメロになるんじゃなかったの?意味不明すぎて頭が痛くなる。
 で、伊敷が告白。キスしようとするけどできない。これが恋愛プルーフの力らしい。で、寄ってくる男たちをボンボン跳ね飛ばしていく渡辺。
 あのさあ、恋愛プルーフってさあ、恋愛を寄せ付けないという意味だよねえ。それは色恋ができないということだよねえ。なのにさあ、男たちを跳ね飛ばすのは何?物理的に跳ね返すことと恋愛プルーフは別だよねえ。だって遠距離恋愛という言葉もあるよねえ。少し考えればわかるよねえ。うーん、話がバカすぎる。設定を思いついただけで、練りなおした後が全く無い。
 あとさあ、女友達の桐山瑠衣まではじくのはどうしてなんですか?雑雑雑、ザッツ雑。
 倒れた伊敷に水をかけるシーン。やかんから水をちょろちょろちょろ。見せ方下手くそ。バケツでどーんとかけろよ。
 その他の出演者、大塚麻恵、小島ミカ、角祐治、ダ・ジィン、麻生れいこ、楯岡紗栄。脚本、一法師誠。

「満つ雫(みつしずく)」監督神宮司聖。
 みづち屋で水を買う橘花梨。みづち屋が全然店っぽくない。走りながらどうして橘は店だと気がついた?
 陸上選手設定が適当。『ポストマン』(2014/4/9掲載)、『大人になった夏』(2016/8/15)も陸上設定がひどかった。やる気がない撮る気がないのがまるわかり。『海街diary』(2015/12/16掲載)の広瀬すずとかの爪の垢でも煎じて飲んだらどうだろう。
 病院の病室をほぼ映らない。その後、病室が重要な場面なのに、カーテンにベッドだけ。ここまで貧相でひどい病室もあまりみない。
 記憶をなくしたことをセリフで説明するだけ。二人(橘と飯倉麻依)、病室(と思われる)で座っているだけ。何も覚えてないことを映像で見せてくれ。例えば、飯倉が病室に入ってくると「誰?」と橘に言わせるとか。素人でも思いつくことたくさんあるよねえ。そんなことすらやらないできない。そんな作品です。
 もう、映画館の中は観客がスクリーン切り裂いているのでは。
 その他の出演者、安田洙福、三坂知絵子、香月、楯岡紗栄。脚本、哥丸由喜子。

「震える月」監督小松﨑淑子。
 無人駅のような簡素な待合室。焼却炉を赤く塗ったようなポストがある。そんなの本当にあるのか?ただの美術なだけなのか。必要性を全く感じないんだけど。目立ちすぎて邪魔でノイズなだけ。本当にあちこちセンスないと思う。
 川邊浩介、発声が変。
 湖(高滝湖か?)の岸際に立つ赤い鳥居。川邊が一人で帰ってしまい一人残される吉田まりあ。「どうやって帰れっていうのよ」。いやいや、SEで電車の音してますけど。すぐ近く、電車走っているよねえ。帰れるよねえ一人で。お前、小学生なのか?設定、雑で適当。ただただ飽きる。
 急に兄妹?だということに気がつく二人。あのさあ、手紙読んだ時点で気づいただろう。そんなに引っ張るな。感動もさせないくせに。
 この一連の作品で見どころは「震える月」の冒頭。納屋のようなところにいる吉田。そこへ女(小島ミカ)が入ってくるんだけど、見事なロケット型おっぱい。いやはや形といい大きさといい素晴らしい。見どころはここだけ。
 映画館の中は火災です。観客が火をつけたな。
 その他の出演者、麻生れいこ、香月、楯岡紗栄。脚本、田川繭。
 

リメイク希望、映画『暗黒街の顔役 十一人のギャング』

 石井輝男脚本・監督映画『暗黒街の顔役 十一人のギャング』(1963年公開)を観た。ラストは悲惨な結果に。期待しなければ最後まで見れる。
 工場のある企業。鶴田浩二たちが会社の給料日前日に強盗する。その計画、実行、結果を見せる。
 本来、鶴田と仲間の杉浦直樹の計画だったが、二人で実行は無理。三人雇うことになる。この三人(江原真二郎、待田京介、高英男)が計画に加わるも悪巧みをする。トラックの運転手に高倉健を雇い、高倉の彼女(三原葉子)が計画を嗅ぎつけて尾行。杉浦と肉体関係になる。この辺から結構人間関係が複雑に。鶴田の彼女(瞳麗子)も運転手として参加。三原の情報で黒川(安倍徹)というパチンコ屋経営の暴力団風も乗り出してくる。さらに計画実行の資金調達に金持ちマダム風の木暮実千代が計画に介入してくる。計画のお膳立てが複雑で、なかなか面白い。
 猟銃店(銃砲店)と思われる店。そこで出てくる銃が「マリーンの22口径」。ウインチェスター銃のようにボトルアクション、スコープが付いている。マリーンのM1894なのかな?『高校大パニック』(2016/8/24掲載)にも銃砲店が出てきた。昔は日本でもそういうお店、多かったの?
 高倉、前歯に金歯、チンピラな感じの演技。昔はこういう役もやっていたんだあ。「不器用ですから」ではない高倉は貴重。
 江美荘に住んでいる鶴田の母親。編み機を手動で左右に動かしている。家庭用編み機のようなおしゃれな感じではなく工業用の無骨な作り。こんなの初めて見た。袋に東海繊維株式会社の文字。
 DINKY TOYS FORD FAIRLANE 148と箱に書かれたミニカーが出てくる。本間千代子が「大人のおもちゃよ」と言っているのが、今聞くと変な感じに聞こえる。
 実際に計画を実行。建物への侵入シーンがない。暴力シーン、銃撃シーン、アクションも今見るとかなり適当。夜の行動なのに、工場の外に出るとかなり明るい。このあたりは雑。時代を感じる。
 ラストはなんとかなり悲惨。どこにも救いがない感じ。清々しいほど、潔い作り。
 飛び込み台のあるプール、ヘネシーのブランデー、浜松駅。

日本家屋は出入りが自由自在、映画『噂の女』

 溝口健二監督映画『噂の女』(1954年公開)を観た。シニカルな視線は面白い。見てもいいし見なくてもいい。
 井筒屋と呼ばれる置屋とお茶屋を兼ねた店。つまり店舗を持ちながらデリバリーもこなす風俗ね。その店を取り仕切るのが田中絹代。東京で音楽を勉強していた娘の久我美子が帰ってくる。久我、出入り口で店に入るかどうかを逡巡する。ここのシーン、母と娘の性格の違いや問題がありそうな雰囲気も出ていてうまい。
 大きな日本家屋。仕切りがありそうでない空間はあちこちでドラマが起こっている。ちょっとグランドホテル方式風。有名なところでは『幕末太陽傳』(2014/11/21掲載)がある。遊郭とグランドホテル方式は相性がいいのかも。
 四代目中村雀右衛門を母娘(田中と久我)で取り合いになる。優男でそんな男には見えないんだけど、一応、後でごちゃごちゃするので納得。ただなあ、田中と久我に惚れられるんだからさあ、もう少しかっこいいマスクで騙されている感じがほしい。ここが弱いので別れのカタルシスがイマイチ決まらない。
 能の舞台。田中が中村の心変わりを知るシーンは非常に良く出来ている。セリフがほぼなくて、能の舞台と中村と久我の会話のみで、田中の心情を表現している。能の登場人物に田中の心情を語らせたり、ロビーで立ち聞きする田中と漏れてくる舞台の音がシンクロするショットは非常にうまい。溝口、腕あるなあ。
 中村、別れ際にまだ田中からお金をもらう。すげーダメ男。
 あれほど嫌っていた実家の家業なのに、久我、テキパキと仕事をこなしていて楽しそう。なんとも皮肉な結果に。
 さらに生活のために働きたいと申し出た千代(峰幸子?)に対して、太夫が「あとからあとからなんぼでも出てくる」とつぶやく。うーん、性産業の無限地獄。泥沼の水は乾くことがない。溝口、シニカルすぎてゾッとする。
 癪(しゃく)、胃痙攣。

日本に出現したゴーストタウン、映画『ひそひそ星』

 園子温監督映画『ひそひそ星』(2016年公開)を観た。SF設定がしょぼくて飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 「協力 福島県○○」と東日本大震災にあった地域名が出てくる。今日は冒頭に協力した地域名が出てくる映画が続く。エンドロールがほぼない。こいう作りも最近では珍しい。
 モノクロ。安っぽい流し台。水道の蛇口。水滴の音。英語で曜日の字幕、頻繁に出る。女(神楽坂恵)が急須にお茶を作る。洗濯機、洋服ダンス、床、蛍光灯のカバー内部に蛾(蝶?)の影。子供のささやき声。カメラが右移動しながらパンすると、宇宙船のコクピット。正直、ここはちょっと面白いと思った。
 けど、その後、SF部分がものすごくしょぼい。宇宙船外観。神社仏閣風の長細い木造の建物にエンジンが二基ついている。宇宙空間に漂うこの宇宙船。シュールと捉えるかしょぼいと見るか。
 設定はなんちゃってSF。宇宙船の中に重力がある。星への離着陸は見せない。操縦席内部は電気コードしかない。など、SFとしての面白みはほぼゼロ。
 宇宙船内部の家具は天井との間につっかえ棒。これが震災の暗示だと思われる。
 神楽坂はロボットらしい。お腹に電池ケースがあり何度か電池の交換をする。これまたしょぼい。字幕による未来設定の説明。人類は減少、ロボットの数のほうが多いんだとか。
 神楽坂は宅配便配達員。宇宙船の後部(日本間の横)に箱が山積み(82個)。これを星に降りて配達する。
 神楽坂が録音に使う機材は、サンヨー(SANYO)のオープンリールテープレコーダーMR-120。調べてみるとMR-120Wという機種もある。Wがつくことによる違いがわからなかった。だから映画に出てくる機種が120なのか120Wなのか特定できない。
 神楽坂、輸液を投与するシーンがある。針、刺してないように見える。この辺は雑。昔の映画に比べ完全に手抜き。
 宇宙船の声。洋画『2001年宇宙の旅』のパクリなのか。それにしてはしょぼすぎる。
 神楽坂が星に降りる。福島県の被災地と思われる場所。何度見てもすさまじい風景。遠目に見れば荒れ地なだけだが、アップになると住宅基礎のコンクリートだけがむき出し。生活の名残が見え隠れすると痛々しさが増す。
 廃墟の窓から海に面した草原を撮る。一瞬カラーになる。不思議に心が和む。モノクロとカラーの映像手法の効果を改めて感じる。
 園作品に何度も出てくる被災地。街中に入るともう完全なゴーストタウン。日本にこんな形でゴーストタウンが出現するとは。
 セリフ、ずーっとひそひそ声。何に対してなんだろう。効果としてどうだろう。疑問。
 駅のホーム。神楽坂、先に受取票を切り離しサインをさせる。普通はカーボンによる二枚重ねという構造があるわけだから、箱ごと少年に渡してサインさせるのが基本なのでは?
 映画を最後まで見ても頻繁に出る曜日設定の字幕の必要性がない。
 ラストは、楽しそうな人々の生活が映しだされる影絵の通路。そこを歩く神楽坂。女に荷物を渡す。
 思い出の品を人々に届ける、という設定は多分、災害後に発見された荷物を持ち主に返す運動の暗喩なのだろう。それを映画にまで昇華した発想は買う。
 けどねえ、届けられる人々が現実に生きている人なのかどうかもわかりづらいし、SF設定も中途半端で、神楽坂のほうがあの世のような気もする。と、現実の軸足がどちらの方なのか最後までわからず宙ぶらりんの感じ。見ていてずーっとまごつく。
 あと、やはり邦画でSF設定はとにかく見るのが辛い。しょぼくて貧相すぎる。『太陽』(2016/10/13掲載)もひどかった。適当に作るのやめよう。
 軌道修正、Z A-126、SPS(Space Parcel Service)、テレポーテーション、FRAGILE。

戦時中の日本の未開部落、映画『飼育』

 大島渚監督映画『飼育』(1961年公開)を観た。意味不明ショット多め。見てもいいし見なくてもいい。
 映画冒頭、「大宝株式会社」の文字。初めて見た配給会社。調べてみると4ヶ月しか活動していない会社のよう。そういう意味でレアな作品かも。
 「協力 長野県南佐久郡南相木村」と出る。回虫のような虫が多数蠢く映像。の上にタイトルドーン。非常に気持ち悪い。
 山道。黒人を連れている。子どもたちが見ている。村に到着。くろんぼ(黒ん坊)と呼ばれる黒人。B29に搭乗していたようで、米軍捕虜らしい。
 でまあ、本家の三國連太郎の家の納屋に押し込めて、村人との生活が始まるわけだけど。特に何も起こらない。周りの村人が騒いでいる姿が延々と繰り返されるだけ。
 三國が浮気ばかりしていたり、ハゲのある青年が山に逃げたり、小山明子の子供が盗み食いしたり、で、なぜかよくわからないけど、悪いことが起こるのはくろんぼのせいにする村人たち。
 このあたりがよくわからない。戦時中の日本の村社会が未開で、たたりのようなことでくろんぼを扱っている、というふうに見える。けど、ただ単に脚本や見せ方が下手くそなだけにも見える。
 「B-29だ」と村の空を一機だけ飛行機が横切る。なんか双発に見えるけど。B-29はエンジン4つあったよねえ。ここも、村人が間違えている(それほど戦争を理解していない)という設定なのか、映画作りが雑なのか、よくわからない。
 木に縛られている少年をくろんぼの手を使って殴らせるシーン。もうほとんど意味不明。村人は何がしたいのかさっぱりわからない。
 アクションシーンはものすごく雑。行動の前半と結果だけ見せて、途中を省くので何が起こっているのかさっぱりわからない。
 例えば、宴会の席で日本刀を振り回す次郎。ショットが変わると、土間に障子と日本刀と一緒に倒れている次郎。次のショットで葬儀。一応、次郎が死んだということはわかるけど、なぜ日本刀を振り回した自分が死ぬのか、物理的にも行動としても、ものすごく理解しづらい。こういうふうな場面が多々ある。
 くろんぼ殺しを死んだ次郎のせいにして、村が丸く収まることに。それを見ている子どもたち。まあ、言いたいことはわからんでもないけど。
 戦時中の日本の田舎が未開であったこと、そこへ異質な黒人を放り込むとどうなるのか、設定は非常に面白い。けど、見せ方が雑で映画としては面白くない。特に登場人物が何をしたいのかわからないショットがあるのは致命的。流石に途中で飽きる。

池脇千鶴似の太田琴音、映画『GET UP!(ゲロッパ!)』

 井筒和幸監督映画『GET UP!(ゲロッパ!)』(2003年公開)を観た。映画は人を動かすと面白くなる、ということがわかる。
 回想の銃撃シーン。38口径?の銃で手首が吹き飛ぶ。映画冒頭ちょっとグロい。
 兎にも角にも、西田敏行のオーバーアクションがこの映画のキモ。新幹線の中で踊り出す。タクシーの中で寺島しのぶと一緒に泣きだす。電話を通しての西田と山本太郎の口喧嘩。ラストのジェームス・ブラウンの真似。と、西田の演技で引っ張る。
 ステージで歌う、美空ひばり、森進一の偽物。角度によって一瞬本物かなと思わせる顔立ちになる。
 78分頃、控室に響いてくる外のコンサートの音が、暗騒音になっていて臨場感がある。
 政府関係者のラサール石井が一億円を説明するのに「この道路、このくらい分だよ」と道幅を示すシーンは面白い。役人の頭の中で公共施設とお金がどのように見えているかがよくわかる。
 英語の曲が流れる邦画は駄作、というセオリーがあるけど、この作品は曲に意味がある。英語曲、日本語曲、多数流れる。
 人が動くと映画は面白くなるということがよくわかる。『魔法少女を忘れない』(2016/12/25掲載)と見比べると非常にわかりやすい。ダンス部分の挿入が雲泥の差。
 ラスト、サービスショットとして、これまで登場人物たち一人ひとりのダンスシーン。岸部一徳と藤山直美が意外にうまい。
 沖縄空手、ヤシガニ、横浜友愛学園、東海フェリー、ピンク・レディー、住基ネット、収監状、超法規的処置、ラグーナ蒲郡、蒲郡市。

坊主で袈裟姿の甲田益也子、映画『ファンシイダンス』

 周防正行脚本・監督映画『ファンシイダンス』(1989年公開)を観た。周防の映像で見せるスタンスはすでに確立されている。笑いや面白さまではもう一息。
 浮雲山明軽寺(禅寺)の門を叩く四人(本木雅弘、大沢健、彦摩呂、田口浩正)。本木は寺の後を継ぐためにおやまに入り僧侶の修行をする。で、まあいろいろあって法戦式を乗り切るまでを描く。
 周防の成人映画以外のメジャー作品第一作目。すでに撮影スタイルや見せ方が確立している。
 まず、調査した上での映像化。寺と修行僧たちの生活が描かれていくのだけど、とにかく細かく映像で見せる。修行僧になると名前の漢字を音読みにするらしい。へー。トイレは東司(とうす)、トイレの入り方の説明。寺の中の17種類ある鳴らし物の説明。眠る姿勢まで決まっているというのは驚き。集団でお経を読むシーンは形式化様式化しすぎてまるでダンスのよう。周防の映画を見ると勉強になる。
 笑いの要素としては寺の中の男色っぽい行動。これはイマイチ。キリスト教VS仏教は日本的でちょっと面白い。本木が菅野菜保之から俗世間の欲望を持ち込み過ぎていると説教されるシーン。説教中に菅野の部屋を映すのだけど、家電がたくさん置かれていて、十分俗世間している。ここうまい。お菓子を盗むシーン。隠れて食べる場所が東司の中。生理的に気持ち悪くて笑えない。とまあ、爆発的な笑いはなく、若干はずしている感じ。
 法戦式、大きな発声で迫力はある。ただ、本木は成長したのか、俗世間に染まったままなのか(鈴木保奈美との関係)、かなり曖昧でわかりづらいラスト。
 ばっさく(罰作?)、托鉢、禅問答、ロケ協力(城端町、井波町、塩山町、大乗寺、瑞泉寺、善徳寺、雲峰寺、放光寺、金沢市長坂地区)。

三白眼かなあ?真野きりな、映画『BULLET BALLET』

 塚本晋也監督映画『BULLET BALLET(バレット・バレエ)』(2000年公開)を観た。映画としてはそれほど面白くないけど、撮影編集の腕が冴え渡る。
 モノクロ。16分頃、リボルバーの発砲、戦争の爆発シーン、リバルバー発砲、戦争の爆発シーン、この繰り返しが音楽のリズムに乗せて続く。イメージ映像なんだけど、破壊的ですごく良い。塚本、腕があるのがわかる。
 塚本晋也がハンドメイド銃を真野きりなにつきつける。真野、銃を掴んで撃つようにけしかける。塚本、脅しのつもりだったのか、だんだん焦ってくる。二人の表情がこれまた音楽に乗せて短いショットで見せてくれる。ここの盛り上げ方、緊張感もうまい。塚本、編集の腕、ありすぎ。
 若者チンピラ集団のダイアモンド☆ユカイ似の男の部屋。大型の箱にスピーカーユニットが五個ついている。それぞれ口径が違うので5wayか?うーん、自作スピーカーにしてもつけすぎ。
 アクションは短いショットの連続で激しい感じ。に、見える。けど、慣れてくると、殴ってないショットなどが見えたりする。特殊メイクも作り物ぽい雑な所あり。カメラ揺らしすぎ。イメージ映像多すぎ。玉石混交。
 塚本が買い求める銃はチーフスペシャル(S&W M36)。銃を溺愛するシーンは洋画『タクシードライバー』を思い出した。
 前半部の抗争が終わると、ダレる。塚本と村瀬貴洋の行動が意味不明。
 殺し屋が村瀬たちのアジトを襲撃するシーンで、再び盛り上がる。暗闇での発砲は洋画『リベリオン』風。殺し屋が暗闇から顔を出すと井川比佐志。前フリあり、意外性ありで、非常に面白い配役。一人一人始末する。仕事をこなす感じ。無表情に撃つ感じが良い。
 エンドロールを見ると、プロデューサー、脚本、撮影監督、美術監督、編集も塚本がやっている。つまり一人でやれて才能があるということですな。
 ジェットコースター、富士急ハイランド。

顔が落ち着いている石原さとみ、映画『わたしのグランパ』

 東陽一脚本・監督映画『わたしのグランパ』(2003年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 原作が筒井康隆なせいなのか、まず囹圄(れいぎょ)の説明から。
 石神国子改め石原さとみ、中学生役。教室内部、野外でたむろしている中学生の団体など、違和感はそれほどない。石原、顔がしっかりして落ち着いている。石原を役者だと思ったのは初めて。
 菅原文太と二人の男子中学生との会話。若干意味不明。
 火事シーン。ちょっとしょぼい。
 ホテルの一室(ホテルハイアット東京か?)。菅原と石原が着飾ってパーティーに出る。石原のドレス古風すぎる。もう少し露出の多い服にしてほしい。
 宮崎美子、ニットの上着の連続。非常に良い。
 石原が誘拐されてから下手くそな場面が多い。まず、マシンガンの発射シーン。撃つ前にセリフで説明してしまうので驚きがない。菅原たちが来た、説明なしで、ダダダダと撃ちこめば緊張感が出てくるのに。見せ方下手くそ。
 急に石原が椅子ごと宙に浮く。このショット、説明もなければその後になんの関係もない。全くの意味不明ショット。一体、何を撮りたいのだろうか?理解不能。
 一瞬後期YMOかと思わせる変わった音楽が流れる。音楽はAlphaとTABLATURA。
 栃木県足利市。

前転はできる谷内里早、映画『魔法少女を忘れない』

 堀禎一監督映画『魔法少女を忘れない』(2011年公開)を観た。駄作というより稚拙で下手くそ。劇場で見たは人は暴れたのでは?
 委員長と呼ばれる森田涼花がずーっと男口調で古風な言葉遣い。「貴様」とか。一応、後で理由が説明されるんだけど、それまでものすごい違和感。普通、何かしらの前フリとか、お前のしゃべり方変だろう、みたいな観客の気持ちを汲み取るような映画内での指摘とか入れない?
 高橋龍輝が朝食、夕食を作っているみたい。だけど、買い出しも調理シーンも無し。映像的な説得力まるでなし。更に妹役の谷内里早が何もしない。ただゴロゴロしているだけ。洗濯物も高橋に干させて見ているだけ。元魔法少女って怠け者、役立たずの事なのかな。
 編集がものすごーくかったるい。ショットが意味不明なほど長い。特に理由がないのに長い。上映時間を引き延ばしているだけにしか見えない。
 英語の先生、前田亜季が生徒と付き合いすぎ。グループとはいえ一緒に海に泳ぎに行くかあ?ロリコンなの?前田の乗る車がFIAT(フィアット)500。本当に邦画関係者の皆さん、好きだねえ。
 急に前田が、魔法少女はみんなから忘れられる事になる、みたいな予言をする。なんで魔法少女が現実にいる前提なの?その知識、テレビとか漫画からだよねえ。話が急だし、ものすごく陳腐。
 高橋と谷内、二人自転車こいでいる。互いに見つめ合いながらこいでいる。おいおい、前見て運転せい。
 森田、海で溺れたような感じで、高橋が助けにくる。けど、海、全然深くない。まあ、これも以前、助けてもらったから森田は泳げないということらしいけど、そういう前提条件さあ、映像で見せようよ。子役が溺れているシーンとか、撮れるよねえ。男口調も含めて、前フリで見せておけば、森田の片思いがわかりやすく観客に伝わるよねえ。見せ方下手くそ。
 教室内、谷内のダンスシーン。それを見ている森田と高橋。森田が高橋の表情を盗み見るショット。全体のショットになると、人の位置関係から後ろを振り返らないと表情を盗み見れないことがわかる。いろいろ雑。
 時々出てくるフィルムっぽい映像が、作品を最後まで見ても、全然物語に関係ない。ただの思いつきなだけ。ただただ飽きる。
 キスシーン、直接撮らない。谷内、キスNGとか?だったら映画に出るな。
 谷内のことを忘れないように記録するんだけど、内容が小学生レベル。もう、見ているこっちが恥ずかしい。
 碓井将大の谷内を忘れたシーンがひどすぎる。玄関で立ち上がるりポカーンとしていると、周りの高橋と森田が思い出せ思い出せコール。あのさあ、まだ碓井、谷内のこと忘れたとか一言も言ってないよねえ。もう見せ方が下手くそ過ぎて、飽きる以前に呆れる。
 谷内が元魔法少女である必要も、高橋と自転車で空を飛ぶ必要も無し。そもそも魔法少女って何?谷内と高橋、血がつながってないんだから、押し倒して目合ればいいだけの話だと思うけど。
 階段踊り場で、高橋と谷内がぶつかり荷物を落とすシーン。ものすごーくわざとらしい。演技、演出、撮り方が下手くそなことが一見してわかる。
 マリー・紅緒、ミレイコ・美緒が不気味。
 エンドロール、「月撮影」に三人の名前がクレジット。ご苦労様。努力するポイントが違うと思うけど。エンドロール、ゆっくり過ぎて二曲かかる。なんかいろいろ雑。
 谷内、前転できるんだあ。
 ちなみに周りの人から忘れ去られる邦画は『忘れないと誓ったぼくがいた』(2016/8/10掲載)がある。これもつまらなかったなあ。
 福岡県立福翔高等学校、飯塚市、海の家たかみ荘。

意外に胸がある斉藤由貴、映画『トットチャンネル』

 大森一樹脚本・監督映画『トットチャンネル』(1987年公開)を観た。テレビ創世記の現場が面白い。最後まで見れる。
 NHK全面協力と言いたくなるような、NHK放送局が舞台。NHK俳優研究生、第二次試験を受験する斉藤由貴。ここから斉藤が合格、研究生、養成所時代を経て、NHK専属俳優になるまでを描く。こういう設定を見たのは邦画で初めて。非常に珍しい。
 斉藤、試験の日から遅刻。斉藤が合格した理由は、なんにも染まっていない白紙の状態だから。これからのテレビジョンに必要だと判断したため。当然、白紙ということは何も知らないということでもあり(細面を委細面談の略だと知らない)、研究生になっても失敗の連続。放送局内、スタジオ内での失敗が描かれる。これが、映画好きなら、非常に興味深く笑える。
 例えばVTRがない時代だからテレビドラマは生。何が起ころうとも演技を続けなければならない。刑事と犯人役。手錠をしたのはいいけど、鍵をなくす。すると手錠をしたままの演技。犯人は画面下に隠れて写り込まないように刑事と行動をともにする。これ、完全にお笑いのシュチュエーションコントと同じ。映画的な面白さ(登場人物が一生懸命になればなるほど笑える)になっている。こういった例がたくさん出てくる。それも当時の映像技術、放送技術に関係していることなので、状況の説得力があり、納得できる笑い。
 昭和28年(1953年)の放送局内。当然、当時を再現していて、副調整室内のオープンデッキ、スタジオ内のカメラなど、雰囲気は悪くない。ひとつのスタジオ内に司会の立ち位置、演者の立ち位置、音効さんも当然生で音入れ。日本放送協会技術研究所ではカラーテレビの発色実験。斉藤と高嶋政宏(新人)が顔を半分ずつ白と紫に塗り分けてモデルとして参加する。現場の大変さは伝わってくる。
 映画的パロディも多数出てくる。雨の中のシーンには『雨に唄えば』、『聖衣』を見ればショールを頭にかぶる、東宝だけにトラックにはゴジラのきぐるみが乗っており、テーマ曲まで流れる。
 廊下、タップを踏みながら楽しそうに歩く斉藤。薄いピンクのワンピースがかわいい。更に意外に胸の膨らみがある。大森、サービスショット、ありがとう。
 「ラジオ放送中」と書かれた吊るし紙のあるラーメン屋の中に真空管ラジオがおいてある。調べてみたけど型番わからず。くやしい。
 俳優がみんな若い。高嶋は映画デビュー作。RIKACOがまだ村上里佳子の頃。室井滋が端役なのに目立つ。
 斉藤の独白だったり、黒柳徹子のナレーションになったり、分ける必要性はないかな。
 ラスト、公園の街頭テレビはちょっとわかりにくいかなあ。一応、幻想というオチなんだけど。
 ESTONIA(懐中時計)、ガヤガヤ(背景の話し声)、パラシュートスカート、歩幅を盗む、シネマスコープ、浅田飴

競泳用水着姿すら見せない綾瀬はるか、映画『高台家の人々』

 土方政人監督映画『高台家の人々』(2016年公開)を観た。ラストの落ち弱い。見てもいいし見なくてもいい。
 金持ちの家の男(斉藤工)に妄想癖の女(綾瀬はるか)が見初められる、いわゆる王子様もの。ただし斉藤に読心術の特殊能力が備わっているというのがこの映画の味噌。斉藤が綾瀬の妄想に共感することが見初めるきっかけ。斉藤の特殊能力(身体障害)者ゆえの悲しみや、綾瀬の身体障害者とのつきあい方が面白さになる。
 まず二人の能力を描く。綾瀬の妄想は虚構ですよというエクスキューズが事前にあるので、しょぼい映像でも安心して見れる。ほとんどCG、安っぽい芝居や静止画の切り貼りなど。この辺は低予算でも撮れる設定になっていて賢い。
 綾瀬の英語能力が不足しているので、妄想の中の登場人物も英語力がなくしゃべりがたどたどしいなど、妄想に現実が介入し来る感じは悪くない。
 綾瀬、水原希子は頬がこけている。痩せ過ぎ。夏帆、ノースリーブの腕の筋肉がしっかりしていて、ボディーに驚き。堀内敬子は邪魔しない演技。
 自分にだけ見えている人物、という設定は『いけちゃんとぼく』(2016/12/24掲載)と同じ設定。恋をすると見えなくなる(見れなくなる)というのも同じ。
 斉藤が綾瀬の心を覗くと、麦畑?と一本の木の環境ビデオ風の映像が流れるのは、ちょっと面白い。これが読心術をブロックする対抗手段になっている。このアイディア、SFとかで使えそう。
 高台家の屋敷のロケ地はジェームス邸。その後出てくる日本家屋とイギリスの洋館はCG合成か?。最近は実写か合成かの判別がつきにくい。
 雪を頂いた背景の山々が美しい(ロケ地は安曇野市か?)。綾瀬が自転車で川沿いの道を疾走する。ドローンによる撮影と思われる。
 斉藤への連絡は電話で済ませればいいはずなのに、自転車で走るだけ。川沿いに自転車を放り出し、座り込む綾瀬。ひらめいたように立ち上がり、平泳ぎ、泳ごう。当然、これまで水泳の妄想の前フリがあるので、これは妄想を現実にするのだなあと期待していると、なーんにも無し。普通にイギリス、斉藤の前に現れる。うーん、落ち弱すぎ。
 ここはさあ、実際に競泳用水着に着替えて、「イギリス目指すぞ!」と言って川に飛び込む綾瀬。数メートル泳いで、そんなこと出来ないか、といいながら岸に上がって寒そうに歩く。とかあさあ、何かしらのおもしろ場面入れてくれないと。
 つまりこれまではすべて妄想の中の出来事で済ませていたけど、綾瀬が実際にやって見る場面を見せて、やっと現実的に考え始めるという綾瀬(結婚が夢物語でなく現実)。ということにしてくれないと。
 同じようなことなんだけど、斉藤と結婚するなら社交界のマナーや嗜みを身につけないと、と大地真央からきつく言われているわけでしょう。それなのに何一つ習い事(英会話、ダンス、ゴルフ、乗馬)をしているシーンがない。これだと綾瀬に向上心があるように見えないし、女の成長物語にもならない。このあたりの話の作りは下手くそ。
 F&L商事、さいとう動物病院、平野酒造、円覚寺、北鎌倉駅、カップヌードル。

昭和すぎる窪田傑之、映画『いけちゃんとぼく』

 大岡俊彦脚本・監督映画『いけちゃんとぼく』(2009年公開)を観た。設定は面白いけど、ファンタジーテイストが邪魔。見てもいいし見なくてもいい。
 最初のインパクトはきょうちゃん。窪田傑之(くぼたたけし)という俳優のよう。昭和からタイムスリップしてきたような佇まい、表情、所作。昔、こういう子供いたなあ、としみじみ感じさせる味わい。素晴らしい。
 子供の設定は光る部分あり。まず、子供の頃しか見えない世界がある、という忘れがちなことをメインにおいていること。それは妖怪のたぐいであったり、いけちゃんのような守護霊的な存在でもある。
 深澤嵐が虫を殺すシーン。子供あるある。なんで子供の頃ってあんなに虫を殺すのが楽しかったんだろう。完全にあれは快楽だよねえ。しかし、ある日突然、全く興味がなくなる日が訪れる。あの反転具合が今考えても不思議。
 いけちゃんが急に哲学的なこと、人生訓のようなことを口走る。父親役の荻原聖人が死んで後、深澤に「早く大人にならないといけない子供」がいることを伝える。境遇による精神年齢の発達の差なんだけど、メンターとしてのいけちゃんから言われるとぐっとくる。
 老人が寝ている。葬式風景。それを見ている深澤といけちゃん。深澤は老人が自分の成長した姿で、今、自分の死を見ていると自覚する。これはかなり複雑な風景。幽体離脱しながら見ている本人は過去の子供の頃の視点。更に隣にはいけちゃんという実は死ぬ前に付き合っていた女の精神が乗り移っている存在と一緒に見ている、という三重ぐらいに現実離れした設定。
 深澤が自立、成長するといけちゃんとの時間が短くなり更に見えなくなってくる。
 空き地での野球対決。暴力で負けるから野球にしたはずなのに、結局、乱闘。
 設定は面白いのだけど、ファンタジー部分の描き方がぬるくてところどころ飽きる。例えば、深澤は殴り合いの喧嘩を何度もやるけど、顔の腫れなどが一切ない。いじめを深刻に描くと別の話になるから、ということなんだろうけど、子供向けということで手を抜いているように見えてしまう。
 吉行和子がいけちゃんにまでなって過去の深澤に会う理由が今ひとつわからない。年老いた深澤と吉行が手をつないでいるシーンくらいしか出てこないので、吉行の思い入れが伝わらない。
 未来の改変とかもうひとつ何かしらないと、吉行がいけちゃんとして現れる必要性がない。吉行のシーンは全部いらない。
 高知県の風景(高知市浦戸漁港?)が普通に撮れていて雰囲気はある。
 ズロース、戦艦長門、ナフタレン。

短髪で可愛いけど引退の黒須麻耶、映画『仮面学園』

 小松隆志監督映画『仮面学園』(2000年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 高校と思われる教室内。段田(中村光宏、現在フジテレビアナウンサー)と呼ばれる生徒が顔全体を覆う白い仮面姿で登場。かつあげされてかばんを窓から捨てられる。で、歯向かうのかと思いきや、何もしないで教室を出て行く。うーん、意味不明。対決とかないんだあ。
 後さあ、普通、相手の仮面取るよねえ。なんでかつあげしている鬼頭は段田の仮面を取らないの?ものすごーく二人の行動が不自然で、この時点で飽きる。
 黒須麻耶、ショートカットですごくかわいい。邦画に全然出てこないけど、と思い調べてみると引退状態のよう。もったいない。
 黒須の隣りの席に石垣佑磨。使っているノートパソコンはPanasonic Let's note CF-C33と思われる。
 "D" BILDING。黒須から行きたいと提案したのに、石垣がやる気を出すと(仮面をかぶろうとすると)、急に黒須帰る。おいおい、お前が言い出したよねえ。
 白い仮面を被った姿が間抜け過ぎて、さっぱり物語内に没入できない。更に仮面をかぶると、女優の美人が台無しになるので、映画に女優が出ている意味がなくなるという元も子もない設定。かなり無理がある。そのため、わざわざ仮面を脱いだ顔のショットを短く挟んだりしている。ご苦労様。
 ファッションショー。ショー自体はしょぼいけど、音楽はちょっと不気味っぽくて面白い。
 Hopper編集部にいる渡辺いっけい。乗っている車はホンダのライフ360、5ドア。
 あまりにも荒唐無稽過ぎて誰が犯人かとか全然興味がわかない。藤原竜也の二重人格とか、藤原の家に女が匿われている感じとか、ネタバレしているので、謎解きが始まっても驚きがない。サスペンス、推理もの映画を作りたいのか疑問。
 都立田原西高校、調光室。タニン?の気化。

男女がとにかくダラダラしているだけ、映画『せかいのおわり』

 風間志織監督映画『せかいのおわり(world's end ☮ girl friend)』(2005年公開)を観た。すごーく退屈。見てもいいし見なくてもいい。
 英語の曲が流れる。邦画の定石「英語の曲が流れる作品は駄作」を実践するのかどうなのか。
 渋川清彦と長塚圭史が経営する店「苔moss」。店で使っている軽トラックが四角ライトのマツダポーター。この車を邦画の中で見るのは初めて。2サイクルエンジンの音が懐かしい。
 運転風景は一応実写。ただし車窓は空のみ。
 中村麻美の田舎。家の周りにさとうきび畑。エンドロールを見ると「沖縄ロケ」の記述。
 とにかく男女が基本ダラダラしているだけなので、特に書くことがない。そんな作品。

高画質にどぅまんぎる、映画『「無賴」より 大幹部』

 舛田利雄監督映画『「無賴」より 大幹部』(1968年公開)を観た。映画としては見てもいいし見なくてもいい。けど、高画質に魂抜(たましぬ)ぎる。
 回想シーンモノクロ。そこへ黄色の字幕。ここですでに高画質。シャープなモノクロ映像に黄色の発色がすごい。
 フィルムのノイズは残るも色鮮やか。多少不自然さはあるけど、メリハリと鮮明さに目を奪われる。左右周辺部のレンズによる画像の歪みも出ている。デジタルリマスターによる復元なのだろうか。『妹』(2014/1/27掲載)でも感じたことだけど、昔の映像が鮮明というのは不思議な感じ。
 渡哲也が二人の女(松原智恵子と三条泰子)からモテモテ、だけど、義理を欠いちゃいけねえと、上野組の親分に仕返しする〜。というお話。まあ、簡単にいうとヤクザ映画、チンピラ映画。
 話は大したことないけど風景は、今になると歴史的価値が出てきている。赤線地帯の飲み屋街、上福岡駅、電車、荷物預かり所の看板、ロケ地の路上のゴミの多さ。通勤電車の混雑。駅弁につくお茶の陶器製の容器。などなど、列車関係の描写多数。
 特に新宿駅のSLに驚いた(83分頃)。そういう時代なんだあ。夜、列車の車体に反射する光が美しい。これも高画質の恩恵。
 ホーム、キャリングケースで肩からぶらさげているラジオ。SONYのTR-813。まだラジオがステータスだったのかな。
 アクションシーンはドスを振り回し雨の中、泥まみれになりながら組みつほぐれつ。泥臭い感じ。斬りつけられる、刺されるショットは迫力がある。
 ダンスホール。青江三奈が出てきて「上海帰りのリル」を歌う。
 渡、上野組組長を目の前にしてなかなか刺さない。うーん、この辺の演出は流石に古臭くて、見ているこちらが照れる。怪我を負いながら一人立ち去る渡り。周りにはこれまで出会った人たちの顔が現れては消え、現れては消え、まるで亡霊映画。
 東京少年鑑別所、半痴気(はんちき)野郎、東京都立大久保病院。

女優になりそうな泉はる、映画『女子高』

 山本浩貴企画・脚本・監督映画『女子高』(2016年公開)を観た。作り雑な部分多め。謎解きが後付。見てもいいし見なくてもいい。
 夜、松花女子学院(ロケ地は土浦工業高等学校か?)と看板の出ている学校に侵入する女。廃校のよう。教室に入り電灯をつける。廃校なのに電気はまだ生きているんだあ。漏電して火事になると大変だから普通電気は切るはずなんだけど。同窓会のために電力会社と契約しなおしたのかな?この時点でものすごーく設定が適当。
 埃の積もった机。変な顔の峯岸みなみが椅子に座る。おいおい、椅子の埃拭かないの?机の上に積もっていたなら椅子にも積もっているよねえ。久しぶりに同級生に会うんだから着飾っているよねえ。だとするとなおさら服のこと気にするよねえ。なんか人の動作の描き方が雑。最近の邦画、こんなことすら手抜きしている。
 次に高田里穂が入ってきて、その後、四人入ってくる。で、急に電気が消えて高田が床に倒れている。血まみれ。横に銃。で、寒川綾奈が急に刑事だと言い出す。いやはや、急に展開が多くて面食らう。前フリゼロ。
 寒川、刑事のくせに殺人事件だと断定。その殺人現場もすごく変。なぜそんなところにわざわざ銃を投げ捨てているのか?隠すなり、窓から投げ捨てるなりすればいいだけなのでは?その後、自殺の可能性が語られる。銃が手元から離れているんだけど、それの説明は?とまあ自殺、他殺、どちらにしても変な設定。寒川、刑事のくせに銃の位置動かすし。本当に適当。
 で、思い出話に花が咲いて高校時代の回想になる。
 高校生、若干老け気味。まあ、許容範囲かな。ダンス部、入部を断る理由がわからない。タバスコ飲むシーンとか意味不明。ダンスをする団体名にピクシーズとつけているらしい。けど、全然、その後、ダンスが関わってこない。部室がつまらない後出しジャンケンのトリックに使われるだけ。脚本に不要な部分(ノイズ)が多め。
 トイレでのいじめシーン。高田が現れ、寒川が出てきて後尻切れトンボ。いじめ役の女がすぐ帰ってしまう意味がわからない。
 ここまでは高田の表向きの顔を描き、一転、高田の裏の顔が描かれる。ここの展開は面白い。
 高田、下着姿。サービスショットなんだけど、それほどエロくない。
 現在の時制に場面転換。殺人現場ではない別の教室に変わっている。雑。なんか机並べるとか、机雑巾で拭くとか、動作させながらセリフ言わせてくれないかなあ。座っているだけとか、棒立ちとか、正直飽きる。
 影の有りそうな泉はる。一人だけ飛び抜けて女優としての雰囲気が良い。役柄でそう見えるのか、女優向きなのか。
 高田、体育館でレイプされる。けど、レイプシーンなし。見せる気なしなのがまるわかり。外に出てのふらふら演技。なんかいろいろひどい。
 あんなに高田の暗部を描いて嫌われ役ヒール役だったのに、急にみんなと楽しそうにしているショットの連続。もう、雑というか意味不明というか。何がしたいのか?と見続けることに飽きていると、急に六人がダンス。これが撮りたいだけ。ただただつまらなくなる。
 泉、首吊り自殺。峯岸のナレで「この事件をきっかけに廃校」。えー、人が一人死んだくらいで廃校になるの?学校一校にどれだけの人とお金がつぎ込まれていると思っているの?バカすぎる。
 現代の時制、急に峯岸が推理を始める。とにかくいろいろ急にが多い映画。急に自殺ということに。おいおい、寒川も認めるな。みんな、すぐに帰るな。人が死んでいる緊張感まるでなし。
 急に死んだはずの高田が入ってくる。ここから、二度目の説明になるんだけど、これがみんな後付。さらにトリックの辻褄があっていない。ただただ白ける。
 教室にロープがあることになっていたり、教室のどこにそのロープをかけたんですかねえ。どうやって一人で首吊りに見せかけたんですかねえ。もう、雑雑雑、ザッツ雑。
 高田がリボルバーを構える。寒川も構える。おいおい、みんな銃持ちすぎ。その割にガンアクション、発砲シーンは無し。撮る気がないのがまるわかり。
 女同士のいちゃいちゃを撮りたいだけで、ミステリー部分、推理部分は完全におまけ。作りが適当すぎて飽きる。

堀北真希が無法がん患者、映画『恋する日曜日 私。恋した』

 廣木隆一監督映画『恋する日曜日 私。恋した』(2007年公開)を観た。一部バカ映画気味。見てもいいし見なくてもいい。
 病院内の暗騒音。小さくて細かい会話やいろいろなノイズが入り込んでいる。その後も環境音、多め。そのため雰囲気はぐっと増す。
 神社(ロケ地は猿田神社か?)で猫を追いかける堀北。猫の姿を確認するとすぐ帰る。意味不明な行動。後の会話で判明するんだけど、死にかけの猫らしい。見せ方が雑でわかりづらい。
 布団の中に入っているのに電灯つけたまま。邦画にありがちな明るい寝室。
 幼なじみ、親戚?とはいえ、24歳の健康な男子(窪塚俊介)の家(一人暮らし)に寝泊まりする堀北17歳。何も起こらない。手をつないで寝るだけ。バカすぎる。なんで目合らないのでしょうか?堀北は窪塚に片思い。窪塚は亭主持ちの高岡早紀と不倫関係。どちらも目合体制万全だよねえ。それなのに目合シーン無しで手をつないで寝ている。お前らは小学生か?映画関係者ってバカなの?メルヘンかあ?
 海の波がすごい。ロケ地は豊浜海岸か?。調べてみるとサーフィン大会が開かれる場所らしい。灯台が出てくる。ロケ地、犬吠埼灯台か。
 縁側でカレーを食べる堀北と窪塚。昼なのにローソク。なんで?。二人、ホースで水の掛け合い。ありがち。飽きる。
 ところでさあ、堀北の病名はなんですか?がんみたいだけど。気分悪くなるかと思うと、走っているし。病気の設定が適当。
 堀北のキャラ設定は良い。死ぬ気でやれば何でもできる、猪木のつもりなのか行動が無法。自転車泥棒、心中?、幼女誘拐、パイプ椅子攻撃。プロレス精神が心地よい。
 更に不倫している窪塚に対して「めでたいねえ」「時間の無駄」と人生のお説教。これが結構良い。
 出ました。邦画にありがちな海に面した公衆電話。半野外みたいだけど、そんなところに本当に公衆電話設置してあるの。
 ちなみに辺鄙な場所に公衆電話がある邦画は、、『ドルフィン スルー』(2015/2/26掲載)では海岸線に公衆電話の本体(雨よけボックス)だけがぽつんと設置されていた。『月はどっちに出ている』(2015/4/17)では湖の岸沿い。『ボクサー』(2016/8/16)は桟橋の上。海岸に赤い公衆電話がぽつんとあるのは『19』(2016/11/25)。川のようなところに電話ボックスがぽつんと立っている『64 ロクヨン 後編』(2016/12/14)。公衆電話じゃなくて郵便ポストが桟橋の突端に立っているのは『ニライカナイからの手紙』(2015/7/29)。
 走行中のバスの中で堀北の長ゼリフ。喜納昌吉&チャンプルーズの「花〜すべての人の心に花を」が流れる。セリフを言い終えると横から陽が差す。ちょっとうまい。
 廃品回収、バスガイド。

怪獣対決を傍観しているだけ、映画『ゴジラの逆襲』

 小田基義監督映画『ゴジラの逆襲』(1955年公開)を観た。大味。見てもいいし見なくてもいい。
 水上機に乗る千秋実。離陸ではなく離海?シーンは実写か?それ以外はスタジオセットの別撮り。燃料切れで海に不時着。近くの島(岩戸島?)に避難。小泉博の水上機が捜索。島を見つける。で、島にいる千秋のショット、水上機からの千秋のショットが交互に撮されるんだけど、背景も違うし、実写とスタジオセットの差が激しい。作りはかなり雑。
 船への通信はモールス信号。なんか懐かしい。
 ゴジラの登場。なんか普通。ドキドキ感、まるでなし。見せ方下手くそ気味。アンキロザウルスまで出てくる。続編は二匹出せ、という声が聞こえてきそうな安易な設定。
 21分頃、「オンキョーラジオ」とネームプレートのある真空管?ラジオが出てくる。オンキョーのOS-38と思われる。実際の商品に「オンキョーラジオ」の記名はない。ONKYOは大阪音響というメーカーらしい。
 CALTEXと書かれたタンクローリー車が出てくる。これまた懐かしい。昔昔、沖縄では給油所のことを「カルテックス」と呼んでいたそうな。内地に行ってカルテックスと言ったら「なんのこと?」と怪訝な顔をされたそうな。本土復帰してカルテックスが石油メジャーのブランドの一つだということを知ったそうな。めでたしめでたし。
 カーアクションも模型。実写で撮れるはずなのに。すべてCGで済まそうとする発想と似ている。いまも昔も変わらない。
 ゴジラが戦車や多連装ロケット砲、戦闘機から攻撃される。この時、ゴジラの周りで爆発する光と煙は合成と実写の中間のような感じで新しさを感じる。
 ゴジラとアンキロザウルスの対決。急に早送り。ちょこまか動く。それにしてもなんで二頭は大阪で対決しなければならないのか?すごーく意味不明。
 『ゴジラ』(2014/5/22掲載)の場合は人対ゴジラという構図だったけど、『ゴジラの逆襲』はゴジラとアンキロザウルスの対決を人が傍観しているだけ。緊張感まるでなし。
 急に小泉と千秋が社長のもとに戻っていたり、水上機から漁船の甲板に手紙の入った筒を投げ込んだり(見せ方が下手糞で何をしているのかわかりにくい)、ありえないようなシーンが多数出てくる。ゴジラ自体がありえないんだから、外堀はちゃんと作って欲しい。
 ゴジラ、島の谷間にいるんだけど、俯瞰映像を見ると何か考え込んでいるように見えて笑える。
 千秋の乗る水上機が山肌に激突して爆発しているのに、小泉、全然無視。ひどすぎる。ありえない。こここそ感動場面にできるはずなのに。雑というか大雑把というか適当というか。
 小泉、戦闘に参加するといっていたのに全然出てこない。やっと出てきてゴジラを退治。やっと泣く。あのー、遅すぎるんですけど。完全に付け足し。
 原水爆、灯火管制、海洋漁業。

ホモ同士のあてこすり、映画『体育館ベイビー』

 深川栄洋監督映画『体育館ベイビー』(2008年公開)を観た。ホモの話に興味がないのですぐ飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 競泳試合会場のプール。水の中と水上の視点を行き来しながら撮る。音は水中になると静か。青と水の上の光のきらめきが印象的。と出だしのつかみはオッケー、と思いきや。ゴールするとプールが浅い。多分、水泳映像は吹き替え。うーん、部分的になんか雑。詰めが甘い感じ。
 夜なのに学校のプールのある建物の玄関が普通に開いている。なんで?その後、夜なのに体育館にはいり込んだり。行き来が自由自在。邦画にありがちな学校の屋上まで出てきた。設定が適当で雑。
 スタート台って取り外しできるんだあ?知らんかった。プールの設備面は立派。ロケ地は取手グリーンスポーツセンターか?
 肥大性心筋症だと診断される中村優一。そのため大学推薦が受けられなくなり受験勉強に切り替える。そこへ高橋優太がモーションをかけて男色、ホモ映画に。病気で大学受験を控えているのにホモに追い回される。三重苦の中村が可哀想。
 更に幼なじみで受験勉強をともにする久保翔までホモっ気が出てきて、いやはや四重苦の中村。さらに父親の渡辺いっけいとの確執もありと、美男子モテ男は辛いという話。
 久保、声を張り上げるとすごいハスキーボイス。
 携帯電話をかけた側に聞こえる呼び出し音が外国風。久保の携帯電話にかけているだけなのに。なんでそんなSE入れた?
 映画冒頭で印象的に示された体育館ベイビー(体育館の道具室で目合って出来た子供)のうわさ話が全然物語に絡んでこない。話の作りが雑。
 また、高橋による後ろに倒れるパフォーマンス。演出の引き出し少ないなあ、と飽き飽きしていると、加藤が参戦してちょっと違った展開に。
 けどねえ、中村と高橋の水泳競争。観客の声はするのに人は無し。手抜き改め映画的省略。競争の結果は中村の勝ち。あのさあ、心臓病で受験勉強で練習をしていない中村に負ける高橋って選手としてダメだろう。
 ちなみに競泳シーンがある邦画は『女子競泳反乱軍』(2015/7/6掲載)、『問題のない私たち』(2016/1/17)、『ハリヨの夏』(2016/10/6)。スキューバダイビングのプールが出てくるのが『私のサンタボーイ』(2016/10/25)。
高飛び込みが出てくる邦画は『水の中の八月』(2015/1/1掲載)、『DIVE!!』(2015/5/16)、『Tokyo Tower』(2015/10/27)。シンクロナイズドスイミングが出てくるのは『ウォーターボーイズ』(2015/9/2)。
 水底の月、センター試験。

なぜか白髪になる石田法嗣、映画『カナリア』

 塩田明彦脚本・監督映画『カナリア』(2004年公開)を観た。カルト教団を取り上げている点は面白いのだけど、途中でダレる。
 走るシーンに和太鼓のSE。ちょっと面白いと思ったら、音楽、大友良英。和太鼓、レナード衛藤。
 車のシーン。座席のヘッドレストがない。車窓がスモークで見えない、夜で見えないなど、実際に走行させてないのがまるわかり。
 谷村美月、ヌードシーンあるも背中のみ。すごい痩せていてガリガリ。
 りょうとつぐみが急に広場でびんたした後キスしたりいちゃいちゃ。それを見ている石田法嗣と谷村。かなり意味不明シーン。このあたりから無駄なショットが増えてくる。
 普通の質問に宗教用語で返してくる石田。ここ面白い。わかるわー、こういう自分の中だけで完成している奴。いるいる。
 オウム真理教を思い出させる教団の施設。ヘッドギア、白い服、白い糸、独房のような部屋、畳の広間、懐中電灯の中に飴玉。直接の暴行シーンなどは少なめ。表現がソフトでやや肩すかし。映画として手ぬるい感じ。
 石田がコンビニの中で逡巡するシーンは、非常にわかりにくい。こういう説明不足な映像が多め。
 金がなく放浪しているので、二人、だんだん薄汚れてくる。当たり前のことなんだけど、そんなことぐらいはちゃんとしている映画の作り。
 カルト教団の元信者が集まって働いているコスモリサイクル。絶対警察にマークされていると思うけど、全然、石田と谷村、捕まらない。映画の前半であんなに警察に追われていたのに。緊張感なさすぎ。設定雑。
 リサイクルショップを出る二人。「お前はお前でしかない」西島秀俊による説教がなかなか良い。
 石田、泣きの演技になると急に下手くそになる。母親が死んだニュースを聞いた石田、急に白髪(銀髪?)になる。なんで?どうして?意味不明すぎ。
 オウム真理教の一連の事件を取り上げている作品で意欲は買う。けど、意味不明シーン多すぎ、無駄なショット多すぎ。132分は長すぎ。ロードムービーと石田が俗世間に染まって普通の人になる成長物語に絞れば120分くらいでちゃちゃっと作れたはずなのに。
 尊師、親子分離、解脱、「君のひとみは10000ボルト」、「銀色の道」、朝霧高原オートキャンプ場。

動物は別撮り、映画『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』

 マキノ雅彦監督映画『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』(2009年公開)を観た。作り雑で大味。見てもいいし見なくてもいい。
 冒頭からぞうの交尾シーン。すげード迫力。ぞうの魔羅、にただただたじろぐ。
 吹き矢の麻酔を作り出したのは旭山動物園なのか?
 商工観光部の描写。資料の散らかっている感じは良い。
 中村靖日、すごいすごいと園内で騒いでいるけど、何がすごいのか意味不明。こういうショットが所々にある。動物のショットが別撮りで、動物の気持ちを勝手に登場人物が説明する。ので、動物の映像とのギャップが激しい。映画の観客は野生動物に日常的に接してないので喜んでいるのか悲しんでいるのかそんなことはわからない。あくまでも映画製作者の主観しか感じ取れない。
 ゴリラ部分、合成やかぶりもの。エンドロールを見ると、ゴリラスーツ、ゴリラメカニカル、チンパンジー乳児造形、象の足造形と大変そう。
 長門裕之、騒ぎすぎ。こんな奴が飼育員だとやばい。
 西田敏行が中村にキレるシーン。突然『アウトレイジ』(2015/5/20掲載)の西田になる。さすが演技派。
 エキストラ多め。実際の入園風景など実写も使ってある。
 萬田久子、水族館で白くまに本当に驚いている。なぜだろう。どんなに演技がうまくても映像に出るもんだねえ。
 4億5千万円もかかる工事なのに工事シーンがすごく少ない。殆どが室内のみ。更に、設計シーンなどの前準備の実務作業が全く無い。すごーい、手抜き改め映画的省略。
 それに比べ解体は本物。映像の落差が激しい。
 顔アップしすぎ。テレビじゃないから。西田、退職の日。園内の動物が吠えている短いショットをつなぐ。だけど、動物の背景に雪があったりなかったりしている。動物のショットを寄せ集めたのがまるわかり。ものすごーく雑で大雑把。
 狼園?。透明カバーが付いている観察用の塹壕。動物に囲まれている人間というのが表現したいのかな。中に津川雅彦(別名、マキノ雅彦)がいる。
 ベルクマンの法則、突発性心筋症、ワンポイントガイド、行動展示、妊娠中毒、エキノコックス症。

孫英傑のような走り方の小林優斗、映画『ワカラナイ』

 小林政広プロデューサー・脚本・監督映画『ワカラナイ』(2009年公開)を観た。独特な所作の小林優斗と貧困問題への興味で最後まで見れる。
 暗転したまま歌が続く。映像が出るまで約五分。ここで脱落する観客が多いかも。ある意味挑戦的。
 小林、体つきと所作が独特。走るときは腕を振らない。まるで中国の女子マラソン選手孫英傑のよう。歩くときは左に首を曲げている。わざとやっている(演出、演技)とは思うけど、独特で興味はわく。
 食べるのが早い。とにかくガツガツ食う。コップは使わない。ペットボトルから直接飲む。一応、貧困の表現、追い詰められている者の映像的表現としてありだけど、急ぎすぎ。
 家のある土地の形状が旗竿地。この設定はうまい。電気、ガスが止められている。水は近くの公園?からペットボトルに入れて運ぶ。照明器具は灯油?ランプ。夜がちゃんと暗いのは素晴らしい。
 母子家庭。母親の渡辺真起子は入院、死亡。コンビニではレジをごまかしてクビ。これで完全な貧困状態に。
 主人公がそれほど有名ではない俳優を使っている点、貧困に陥る子どもを描いている点で『誰も知らない』(2015/2/25掲載)を思い出させる。ただ、『誰も知らない』は隔離されたような世界での貧困のどん底という設定だったけど、『ワカラナイ』はまだ社会とつながっていて社会性は保てている。映像的には部屋の中の状況、衣服の汚れ具合に差がある。
 病院の表現は今ひとつ。病室、個室。支払いが滞っているのに個室ということがあるのだろうか。それも設備が病室っぽくない。ロケ地は病院ではなさそう。
 環境音、多め。残念ながらサラウンドしない。もったいない。
 渡辺の遺体を運び出すシーンはかなりがっかり。まず、遺体を個室のベッドの上に放置しておく病院なんてあるのか?遺体をどうやって一人で運びだしたのかが映像としてない。死後硬直もあるのかないのか、中途半端な表現。前フリをさんざんしたボートに遺体。ボートの栓を抜いたのでボートは沈むかもしれないけど、遺体は沈まないのでは?それだとボート無しで海に流すだけでいいのでは?とかなり不自然な設定や行動が続く。ほとんどファンタジー。これまでのシリアス設定が台無し。正直、ここで飽きた。
 東京に出ての野外ロケはドキュメンタリー風。雨のシーンは本当に降っている雷雨の時に撮影しているよう。
 父親の再婚相手が横山めぐみ。若い後妻という雰囲気。ドンピシャ。やっと登場した父親が予想以上に年寄り。ちょっとびっくり。
 インタビューのような小林のバストショット。警察?(ベンガルの声)の質問に答える小林。初めて、小林、心情を露呈。教育映画として最後まで見れる。
 ちなみに現代の貧困家庭を描いている邦画は『赤い文化住宅の初子』(2014/10/7掲載)、『そこのみにて光輝く』(2015/1/25)がある。貧困とは言えないけど貧乏で向上心に満ちているのが『受験のシンデレラ』(2016/2/22)。

トヨタS800が出てくる、映画『恐喝こそわが人生』

 深作欣二監督映画『恐喝こそわが人生』(1968年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 15分頃、赤いトヨタS800が二台砂浜を走っている。松方弘樹の常用している車は白のオープンカー、1967年式シボレーカマロRSと思われる。
 路上で日産スカイラインの展示。『拳銃(コルト)は俺のパスポート』(2016/9/3掲載)でトヨタ2000GTが空港で展示されていた。昔は車の商売気がすごかったんだねえ。
 目合シーン多め。なれど、下着まで。おっぱいポロリなし。目合も首なめのみ。深作にしては味気ない。薄味。
 松方と佐藤友美がカーセックス。そう言えば、最近の邦画、車の中でSEXしないなあ。どうしてなんだろう。不思議。
 ジョー中山、パンチを繰り出しながら死ぬ。松方、腹を刺されて横断歩道を歩くんだけど、内股でよたよた歩き。今見ると、笑う場面じゃないけど、笑える演出に見える。
 カツアゲ屋、高度経済成長、ペイの売人。

二人一役の長門裕之と桑田佳祐、映画『古都』

 中村登監督映画『古都』(1963年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 京都の町並みの捉え方が建築雑誌を見ているかのよう。非常にシャープで建造物が主人公のよう。
 岩下志麻が湯豆腐の準備をするシーン。湯豆腐の鍋と熱燗が一緒になった箱が出てくる。浅学のため名称わからず(もしかして燗銅壺(かんどうこ)? )。ラジカセが日本で流行ったのもわかるような気がする道具の佇まい。
 若い長門裕之が登場。サザンオールスターズの桑田佳祐かと思った。こっちのほうが一人二役ではなく二人一役出来そう。年代が違うので、あくまでもデジタル合成技術でね。
 長門を宮口精二が急にビンタ。若干意味不明。千恵子役岩下と苗役岩下が立ち話すると急に周りの人通りが途絶える。お祭りなのに。かなり変。
 音楽は武満徹。この時代の邦画を重々しくしているのは武満の責任かも。武満の打楽器系の音が入ると、突然、幻想的な風景に見えてくる。
 岩下の一人二役シーン。演技に不自然さはない。けど、映像に一部、やはり微妙に変なところがある。まず、被り物が多い。フードをかぶる、ほっかむりをする。など、岩下が二人出てくるときに一人は顔を見せないショットが多い。まあ、合成の手間を減らす手段なんだろうけど、かなり違和感がある。後、寝室の中で布団の位置が変とか、二人の照明が微妙に違うような、とかその程度。
 京都の町並みが非常に美しく撮られているのでBGVとしての用途も考えられる。
 中京の町家、清水寺、捨て子、パウル・クレー、立山杉、時代祭、廃嫡、北山しぐれ。

子供向けの作りなのに性的イメージ多数、映画『猫目小僧』

 井口昇監督映画『猫目小僧』(2006年公開)を観た。作りは子供向けで大味なれど、性的イメージが横溢しいる。珍作。
 村に奇病発生。転校生と猫目くんが不思議な力で解決。転校生は村に残り猫目くんは去る。というお話。村を外来者が救うという話は日本昔話の定石の一つ。この作品が目立っているのは外来者、つまり稀人(まれびと)の性的役割(善悪両方)。ここまであからさまなのも珍しい。
 とにかく若い女の口に指を突っ込む。さらに握りこぶしまで入れる。完全にフィストファックの暗喩。女優を替えて同じ場面が何度も出てくる。いやはや、子供向けお化け映画のフリしてやることがエグい。
 とにかく猫目くん、つばを吐きまくり。さらに容器につばを貯めこんだりする。後、石田未来の顔の痣(あざ)を治すために、顔を舌で舐め回す。ひえー。もうやりたい放題。
 猫目くん、正義の味方と思いきや、しゃべりだすとすごく態度悪い。後、猫目くん腹が出ている。歩き方もガニ股気味。アクションももっさり。かぶりもので顔見えないけど、とにかくひどい。
 老婆と肉玉の抱擁及びキスシーンあり。本当にこんなシーン撮りたがり。
 竹中直人の口から黒い男根状のものが出てきて、石田の口にはいろうとする。もうまさに性器の挿入場面以外の何物でもない。女の口に男根状の生き物で思い出す邦画は『帝都物語』(2014/5/2掲載)がある。映画監督って性交シーン、画面に映すこと出来ないから、こういう暗喩好きだねえ。
 猫目くん、ご神木と呼ばれる木くいの先に唾を付けて、竹中の顔にある目玉(縦の割れ目)にご神木をぶっ刺す。これまたまさに性器挿入以外の何物でもない。
 とまあ、非常に面白い暗喩のオンパレードで楽しめるんだけど、映画としての作りは大味で雑。子供向けだからと手を抜いているのか、あちこちひどい。
 アクションシーンがひどい。かぶりもののせいなのかとにかく鈍重。演技もオーバーアクション気味。いくつか意味不明のシーンあり。ギャグも滑っているし邪魔なだけ。
 この内容で、シリアス方向で作っていれば、かなり面白い映画になっていたはずなのに、残念。残念な珍品。
 猫又、ギョロリ、福島県南会津郡、田島町立田島中学校。
 
プロフィール

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グブリー川平(かびら)
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毎月15日と末日
【使用機材】
プロジェクター BenQ HT2550M
スクリーン ファーストスクリーンMB-80W(ビーズ)
ヘッドフォン BOSE Quiet Comfort 25

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