2016年10月後半観たおすすめ邦画

2016年10月後半観たおすすめ邦画
 2016年10月後半観た邦画は32本。

【次点】

『バーバー吉野』監督荻上直子、2004年公開、2016/10/20掲載
 日本の村社会がまれびとを受け入れて吸収するまでが描かれていて非常に面白い。子役はうますぎず下手でもなく。もたいまさこがいい味出している。

【次点の次点】

『BOX -袴田事件・命とは-』監督高橋伴明、2010年公開、2016/10/17掲載
 これを見せられると取り調べの録画と、日本の死刑制度を考えてしまう。教育映画として見ておくべき。ただ、ラストがイメージ映像風になって相当がっかりする。シリアスで押し続けるべきなのに。

『メゾン・ド・ヒミコ』監督犬童一心、2005年公開、2016/10/17掲載
 ゲイの老人ホームのお話自体は大したことない。光るのはダンスホールのシーン。みんなで踊り出すんだけど、柴咲コウが楽しげで、見ているこちらも楽しくなる。後、ゲイのオダギリジョーと柴咲のラブシーン。結構切ない。

『あやしい彼女』監督水田伸生、2016年公開、2016/10/18掲載
 倍賞美津子が多部未華子になるという肉体のみタイムスリップもの。当然、タイムスリップにつきもののカルチャーギャップが発生してそこに面白さが出てくる。泣かせのシーンと歌謡シーンはうまい。

『犬に名前をつける日』監督山田あかね、2015年公開、2016/10/21掲載
 犬の処分とそれに関わる人々を取材したドキュメンタリー部分とドラマ部分で構成されている。日本で犬がどういう扱いを受けているか一端が映しだされている。教育映画として見ておくべき。犬を受け入れ飼育している中谷百里の個性が強すぎ。

『歓喜の歌』監督松岡錠司、2008年公開、2016/10/23掲載
 地方公務員でものすごくいい加減な仕事をしてしまう男の役を小林薫が演じているんだけど、これがうまい。見ているこちらまで苛々する。ラスト、大団円を迎えるのかと思いきや、三人のほのぼの芝居で終わるという奇妙な味わい。

『Watch with Me 〜卒業写真〜』監督瀬木直貴、2007年公開、2016/10/25掲載
 津田寛治が女の夢を見る。病気療養のために田舎へ帰る津田と妻の羽田美智子。津田の病気は末期がんで、報道写真家の最後の仕事として写真集を出版すると言い出す。で、田舎の写真を撮り続けると、明らかになる夢の女。これがなんと中学校の時に好きだった女なだけ。どひゃー。そりゃ、羽田も病院出るわなあ。
 とまあ、どうしょうもない話なんだけど、見どころは津田の病状。徐々に弱っていく姿が冷徹に描かれるので、見ているこちらまで呼吸がぜいぜいする。

『快盗ルビイ』監督和田誠、1988年公開、2016/10/27掲載
 とにかく小泉今日子がめちゃくちゃかわいい。それだけで見る価値あり。

『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』監督金子修介、2016年公開、2016/10/29掲載
 野村萬斎の演技を乗り越えれば、仕事が丁寧でぐっと映画内に入り込める。宮迫博之のセリフも芸人コンビとしてよく考えられている。ただーし、犯人が判明してからは急降下。動機が薄すぎて白ける。

『さらば愛しき大地』監督柳町光男、1982年公開、2016/10/30掲載
 田舎に住む(茨城ロケ)トラック運転手の根津甚八が麻薬に溺れて身を持ち崩す姿が描かれる。そこにはさまれる農家の暮らしと自然。土着のものが厳然と存在する感じは『バーバー吉野』にも共通するもの。
 邦画はこのあたりを掘り下げると、まだまだおもしろい映画ができると思うけど。地方宣伝のバカ映画ばかり作らずにね。

男好きな躁鬱病の寺島しのぶ、映画『やわらかい生活』

 廣木隆一監督映画『やわらかい生活』(2006年公開)を観た。途中で飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 映画冒頭、映画館内でスカートの中を田口トモロヲに弄られる寺島しのぶ。そういう映画なのかとちょっと期待する。
 こじんまりした町の雰囲気はいい。大田区蒲田ロケか?
 銭湯の中、湯船の中にバスタオルを巻いて入る寺島。バカすぎる。最近のテレビレポーターじゃあるまいし、『XX(エクスクロス)』(2015/1/23掲載)の露天風呂シーンじゃあるまいし、とバカにしていると、一応、寺島、胸にやけどの後があるらしい。寺島っておっぱい要員でもあるのでは?それなのにおっぱいポロリがないなんて。他の客がポロリする。うーん、なんかギクシャクしているなあ。
 寺島、精神病(躁鬱)らしい。精神病のヤクザ役、妻夫木聡との薬自慢はおもしろい。
 豊川悦司が寺島の部屋に転がり込んできて、寺島がうつ病になるあたりまではまあ、精神病の描写と田口、松岡俊介、大森南朋との関係がどうなるのかという期待で見ていられるけど、ずーっと豊川と寺島が部屋の中でだらだら。はっきり言って「お前さあ、田舎帰れよ」と豊川にいいたくなるほどだらだらしているし、とにかく長い。飽き飽きする。
 豊川が出て行ったのに、すぐ帰ってきた時はさすがに画面に向かって「バカじゃねえの」と口走ったほど。とにかくつまらない。何か出来事起こせ。
 過去の出来事は全部セリフで説明だし、妻夫木のアメリカでの仕事も全部説明セリフなだけ。いる?ヤクザなのに折りたたみ自転車で帰るし。しょぼすぎ。ラストの電話も寺島が全部喋るし。
 銭湯の中、やっとバスタオルを脱いで湯につかっている寺島。だけどおっぱいポロリなし。うーん、別にそんなに見たくはないけど、少なくともこの最後のショットはやけどの後とおっぱいは見せるべきでは?
 ちなみに原作者と脚本家の間で裁判沙汰になったらしいけど、騒ぐほどたいした脚本でもなし。もっと面白い映画を作ってから騒げよ。ただの人気取りだったのかな。
 痴漢、サウナ福の湯、保険金、雑色駅、ピンクローター、躁転、心平粥。

身体障害者はつらい、映画『妖怪奇談 Woman Transformation』

 亀井亨脚本・編集・監督映画『妖怪奇談 Woman Transformation』(2007年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 オムニバス作品のように三つにわかれている。ただし、三つにはそれぞれ関連性があり、独立した作品が並んでいるわけではない。
 映画冒頭、横断歩道脇におばさんが立っている。この人どこかで見たなあと思っていたら、『少林老女』(2016/7/10掲載)に出ていた浅見千代子だ。やっぱりインパクトあるなあ。

「ROKURO Woman Transformation vol.1」
 モデルをしている宮光真理子。首が痛くて写真撮影の時、うまく笑顔か作れない。仕事関係者の噂が気になりだすと、まわりの人物たちの顔が歪みはじめる。このあたりの妄想なのか現実なのかわからない間な感じはうまい。
 ろくろ首の描写はVFXなんだけど粗め。もう少し頑張って欲しいところ。病院の病室(大部屋)の美術は可もなく不可もなし。
 宮光、すごく雰囲気のある女優。タレ目なんだけど意志が強そう。妖怪という身体障害者の悲しみを背負っている感じは出ている。

「KAMAITACHI Woman Transformation vol.2」
 爪を気にする伴杏里。爪が伸びすぎて日常生活がうまくいかなくなり、他人を傷つけ、窮地に立たされる。洋画『シザーハンズ』のパクリではあるけど、日常生活の描き方はうまい。

「NOPPERA Woman Transformation vol.3」
 市川春樹が女子高生役。宮光の入院する病院で同室だったり、ラストに伴に助けられたりと、映画最後を締めくくるかなり重要な役のはずなのに、行動や心理がかなりわかりづらい。
 市川、美人だけど、裏では幼なじみを操っている嫌な女という設定。で、どうも病気らしい。時々、耳元の髪をかきあげる仕草をする。どうも耳が変形しているらしい。これがよくわからない。更に眼帯。目が腫れたようになっているんだけど、最初はお岩さんになるのかと思った。のっぺらぼうになる特殊造型にしては、表現したいことがずれていると思う。
 最大のわかりづらさが、ファザコン。病状が進むと父親に電話する。この父親が歩道橋で一緒に歩いたシーンしか前フリとしてないもんだから、ファザコン設定がものすごく取ってつけたよう。

 三つの登場人物に一応関連性があり、視点の変化により同じ場面が違って見える編集はうまい。ただ、場面転換が暗い画面を挟むだけというのはワンパターンで単調。見ていてかなり気になる。
 妖怪が身体障害者の暗喩であり、悲しみに視点をあわせているのは素晴らしい。vol.3で全部が関係するような団円が決まるといい作品になったと思うけど、見終わると結構拍子抜け。
 チャラ男役で綾野剛が出ている。

根津甚八がいじけた麻薬中毒、映画『さらば愛しき大地』

 柳町光男脚本・監督映画『さらば愛しき大地』(1982年公開)を観た。描写が細かく丁寧。最後まで見れる。
 映画冒頭からインド風の意味有りげな音楽。
 茨城県ロケと思われる農家の描写が素晴らしい。風に揺れる早苗。農薬をまく作業、稲刈り、広々とした田んぼ。一軒家の農家では、庭で鶏の解体、太鼓を作ったり、豚小屋があり餌をあげ糞の始末。死んだ子どもの霊を呼び出すイタコなど、厳然として揺るぎない土地に根ざした何かがある感じ。何気ない風景が、非常に魅力的。
 目合(まぐわい)シーン多数。秋吉久美子のおっぱりポロリあり。豚小屋での目合では山口美也子のおっぱいポロリあり。山口の相手をしているのがなんと小林稔侍。ちょい役だけど、山口の首から耳をねちっこくなめている。
 海岸にござをひいいて家族四人が黙々とカニを食べているシーンが可笑しい。
 麻薬を腕に注射するシーンをねちっこく描く。けど、麻薬の症状はどもりが治るや排水口を布で封するなど明るめ。
 根津甚八の職業がトラック運転手。トラックの乗車シーンは実写。洗車シーンからの車を出すまでの手順などちゃんとしている。トラック運転手が主人公の映画は『トラック野郎』(未見)、『春桜 ジャパネスク』(2015/10/23掲載)、『君が若者なら』(2016/8/7)がある。
 秋吉、カラオケで中島みゆきの「ひとり上手」を歌う。
 山沢建材のプレハブ内部にあるラジカセ。たぶんSONYのCF-1700と思われる。エンドロールに現地協力として無線クラブの名がある。根津と他のトラック間の無線交信(CB無線?)シーンに関わったのかな?
 土着の日本を描写した邦画から秀作が出てくるような気がする。たとえば『バーバー吉野』(2016/10/20掲載)とか。地元宣伝の映画を作らせたがる地方自治体と映画産業が癒着した駄作生産連合体は爪の垢でも煎じて飲むべき。

宮地佑紀生と神野三枝が出ている、映画『サムライ★ロック』

 中島良監督映画『サムライ★ロック』(2015年公開)を観た。うーん、つまらん。見てもいいし見なくてもいい。
 織田信長役の小林豊、ずーっと右乳首を出している。ファンサービスなのか?さること木下藤吉郎秀吉役の本田剛文と小林、戦国時代から現代のステージ上へタイムスリップ。ラビット関根似の水野勝の上に落ちる。本田と小林、髷がなくなっていることを気にするだけ。現代へタイムスリップした驚きがない。ものすごく作りが適当。
 石黒賢の芸能事務所柴プロ。スタービルディングの屋上にベンチとドラムセット(ハイハットとスネアのみ)が置いてある。なんで?
 路上ライブのビデオカメラ風映像。音声が入ってない。なんで?それは映画ラストにコンサートシーンを見せるためです。出し惜しみというやつね。
 サムライロックが取材を受けるシーン。東海ラジオ「宮地佑紀生の聞いてみや〜ち」のラジオブースが映る。神野三枝もいる。足蹴られて番組が終わるとは思ってないだろうなあ、と未来の目から見ると感慨深い。この映画の趣旨がもっとも現れているのはここかも。未来は先が読めない。全くそのとおりだと思う。
 とにかくアサヒスーパードライが何度も映る。レストラン内部のシーン。メンバーの座り方が変。大きなテーブルなのにカメラの方向を開けて、一箇所に固まって座っている。不自然すぎ。
 松平竹千代役の田中俊介は俳優向きかも。面構えといい役柄といいすぐ覚えてしまった。
 近代的なコンサートホールがある都会なのに、急に打ち捨てられた廃墟のような倉庫で、小林と田中が殺陣。そこどこだよ?映画内の地理的位置関係、雑。
 ロケ地は名古屋。名古屋で時代劇パフォーマンスとくれば名古屋おもてなし武将隊が有名。それに比べると小林、本田のキャラ設定はゆるゆる。
 小林と本田、戦国時代へ無事に戻る。小林は現代の記憶があるのに本田はタイムスリップした事自体覚えていない。なのに、小林がiPodを懐から出しても、本田、驚かない。うーん、脚本、設定、演出、バカすぎ。現代の記憶がないんだから驚かないとおかしいよねえ。作りはとことん雑。
 ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋、名古屋市。

ちすんが美人、映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』

 金子修介監督映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』(2016年公開)を観た。前半、作りが丁寧で絶好調、犯人像が明らかになると急降下。惜しい。
 野村萬斎、ものなどに残る思念を読み取り、状況を再現できる能力がある。でまあ、変人キャラなんだけど、演技はオーバーアクション気味。最初は気になるけど、一応そのうち慣れる。
 杉咲花のピアノの先生が木村文乃。杉咲に語りかけている映像が、野村が思念を読み取ることで、野村に語りかけているように見えるショット。ここなかなかうまい。
 ギャグシーンはちゃんと映画的なギャグになっている。思念を読み取って驚きさけぶ野村。宮迫が問いただすと、ねこの思念を読み取っただけだとわかり、宮迫の言う、ねこの思念を読み取るほうが難しいと思うけど、がちゃんとツッコミになっている。
 その他にも自転車のサドルを撫で回している野村のショットに「やっていることはただの変態にしか見えないなあ」とか、血だらけのシャツを前に躊躇している野村の前で「超能力がない俺でもこれ触るのはちょっと厳しいかなあ」とか言う宮迫のセリフが実に気が利いている。芸人としてコンビで活動していたという雰囲気は出ている。
 音楽大学の同級生としてちすんが現れる。草刈民代に似たスレンダー美人。目立つねえ。
 車内映像が合成風なのでがっかりしていると、晴海埠頭公園移設予定地でのカーアクションに驚いた。編集のテンポが良くて見せ方うまい。その後のクレーンによる車のつり上げ、火災現場の焼け跡など、作りや見せ方は非常に丁寧。
 回想もすべて映像として見せている。星蹊音楽大学附属高等学校の中、学生たちが楽器を持って移動している。ちゃんとしているねえ、感心する。
 野村が情報を読み取ると、CGで建物が再現される。このあたりも違和感なくうまく見せている。
 東京から二時間離れた場所にある関係者宅を見学に行くと、地元警察官(梶原善)が立ち会って現地を説明する。当たり前なシーンなんだけど、映像として見せている。仕事が丁寧。
 杉咲の子供時代の回想。杉咲にものすごくよく似た子役が出てくるんだけど、妹とか?親戚?どうやって見つけてきたんだろう。不思議。
 ピアノ演奏シーン。手元を隠さず演奏を撮っている。これまた丁寧。
 とまあ、映画の中に引きこまれながら見ていたんだけど、犯人が明らかになってからは急降下でつまらなくなる。
 まあなんといっても殺人の動機がつまらないし弱い。この理由で一気に白ける。それにヒール役の変態性が女装のみでは弱い。後、恨みを返すなら当時やれよ。なぜ今なのかがわからない。

映画『「十三号待避線」より その護送車を狙え』

 鈴木清順監督映画『「十三号待避線」より その護送車を狙え』(1960年公開)を観た。雑だしわかりにくい。見てもいいし見なくてもいい。
 六ヶ月の停職中なのに刑務官が事件解決に大奮闘。うーん、主人公の水島道太郎、普通のおじさんにしか見えない。家の中でモデルガン?で遊んでいるだけ。セリフで銃の名手という説明がある。けど、映像は無し。ちなみにモデルガンの中にリボルバーが出てくるんだけど、このデザインのモデルガン、持っていたなあ。懐かしい。
 スコープをつけたライフル。狙いをつけているのに連射。狙撃の意味が全く無い。ただむやみに撃っているだけ。
 小沢昭一が路上に飛び出すアクションにびっくり。路上に倒れた小沢(吹き替えかも)に向かって自動車が急ブレーキ、横滑りしながらギリギリで止まる。まあ、スピードが遅いので現代のアクションに比べるとままごとみたいだけど、実写だし、ちゃんとピタリと止まるのはすごい。
 その後は、車の後部につかまりながらの引きづられシーン。フォルクスワーゲンビートルの中から七人が出てくるシーンなど、カーアクションはちょっと面白い。SLに轢かれるシーンも直前までちゃんと人がいる。
 真空管ラジオ、東芝うぐいすASが出てくる。
 夜の走行シーン。タクシーの後部座席足元に照明が仕込まれているのがばればれ。洋弓シーン、矢の飛び方がひょろひょろ。サイレンサー付き銃のサイレンサー部分が曲がっている。引火性のタンクローリーを銃撃戦の盾にする。など、古いというかほのぼのというか、ぬるーい映像が多々ある。
 タンクローリーを火が追いかけるシーン。ちょっとだけハラハラするけど、決着が。え?それだけ?というがっかり感が強い。
 がっかりといえいば、黒メガネの男の正体が明かされても、え?だからどうした?としか言いようがない。別に謎でもないし。誰でもいいのでは?
 後、登場人物が多すぎて整理されてない感じ。事件自体、なんのために起こったのか、映画を最後まで見ても理解できない。

吉永小百合、結構底意地悪そう、映画『ふしぎな岬の物語』

 成島出監督映画『ふしぎな岬の物語』(2014年公開)を観た。毒にも薬にもならない感じ。見てもいいし見なくてもいい。
 岬のような場所にある喫茶店、岬カフェ。店主は吉永小百合。出てきた瞬間感じたのは老けたなー。知り合いしかこない店。閉店休業なような状態。
 井浦新と子どもが、喫茶店内部に飾られている絵を「すごい」と褒めるんだけど、別にすごくない。邦画にありがちな映画の中の芸術問題が発生している。
 阿部寛、最近定着しているエキセントリックな役。レスリングに出たり、真っ裸になったり、まあ、変人という設定は無難にこなしている。
 岬中学校の職員室と思われる場所。吉幾三、テーブルの上のライトのみを点灯している。うーん、省エネなんですかねえ。ものすごーく不自然。さらに急に竹内結子が訪れた設定なのに文集が準備されていたりする。これまた不自然。
 笹野高史が入院する病院。大部屋が六人部屋でちゃんと他の患者がいる。ここの病室の描写は立派。
 吉永、コーヒーに向かって「おいしくなーれ」。魔法らしい。なんかもうこういう役しか使い物にならないのかあ。他の役に挑戦する気があるのかないのかわからんけど、事務所も許可しないのかあ。結局、吉永の最高傑作はデビュー作の『キューポラのある街』(2015/11/8掲載)で終わりそう。
 ボートに乗っている竹内の顔、白すぎる。火事の後、焚き火の前の吉永の顔、白すぎる。日焼け止めの塗りすぎ?
 笑福亭鶴瓶が船の上。双眼鏡で喫茶店を見る。と、阿部や吉永が岬の突端に出て、手を振っている。という映像が出るんだけど、ひどい。陸の少し離れた場所からカメラが撮っているだけ。これが双眼鏡で覗いたつもりの画。ひどすぎ。なんのための笑福亭の双眼鏡なんだろうか。いくらなんでも手抜きしすぎ。それ以前にさあ、なんで笑福亭、双眼鏡持っている?設定、適当すぎ。
 吉永、勝手に書類を広げ、笹野の遺品から生命保険証を見つける。吉永、やることがえげつない。そういえば、映画冒頭も阿部に水の運び方を命令ばかりしていた。全く手伝わないのに。うーん、意外に底意地が悪そう。だけどそれらが映画の中ではいい人として描かれている。とほほ、なんか邦画はいろいろ勘違いしすぎ。
 鍋に手ぬぐいのせたまま火事になる。それを見ているだけ。よくわからない吉永の行動。
 過去の出来事は全部セリフで説明。
 火事の後の見舞いなのか、喫茶店焼け跡に長い人の列。花持ってきたりしている人もいる。ただ邪魔なだけ。それにさあ、そんなに客いたっけ。
 すごく気になっていたんだけど、喫茶店の隣に立っている白い漆喰仕上げのような外壁の小さな建物。あれ何?それとボートはどこから出入りしているんだろうねえ。まあ、このあたりも適当。
 岬くじら祭、安房岬駅、カンテラ、堺出島浜鯨祭復活再現の会、千葉県、音楽と珈琲の店 岬。

2000本目は、映画『影武者』

 黒澤明監督映画『影武者』(1980年公開)を観た。騎馬多数で物量大量投入なれど、映画はつまらない。見てもいいし見なくてもいい。
 城内を歩く足音。ものすごく深い独特なホールエコーがかかる。生録した音なのだろうか?
 衣装、室内、調度品、所作、等々映像はとにかくちゃんとしている。合戦での騎馬の数もものすごい。けど、アクションシーンはとにかく古臭い。遠目のカメラでずーっと撮り続けるだけ。冷徹に見ている観察者の目というわけでもないし、かなり退屈。
 火縄銃を撃つまでものすごく時間がかかる場面は面白い。上司への批判にも見えるし、「映画の中ではばんばん撃ってるけど火縄銃ってそんなに早く撃てないんだよねえ」というメタ的なギャグにも見える。
 お館様の仲代達矢が死ぬシーン。舞台劇のような演出と演技。こういうところがとにかく古臭い。黒澤も後半になるとエンターテイメントで観客を喜ばせるという気はさらさらないようで、ただただ古臭いだけになっている。
 お館様がすでに死んでいることを知った影武者仲代、影武者はやめると言っていたのに急にやると言い出す。心境の変化の理由がわからない。割と雑。
 山﨑努、語りがうまい。まあ、そういう役だからといえばそれまでだけど、相手を説得しているようで自分に言い聞かせているような、実に味わい深い語り口。
 配役で目立つのは織田信長役の隆大介。精悍なマスクでどんぴしゃ。
 女優陣はおまけ程度で全く物語に絡んでこない。最初から描く気はないんだろうけど、新人女優を発掘する余裕もなかったのかな。
 太鼓を叩く姿が映しだされているのに音が入っていない。なんで?映画内で時々使われているティンパニーの音がいい。重くて芯がある感じ。
 合戦が終わり、負け戦の死者累々の戦場を映す。やりたいことはわかるけど、倒れている兵隊と馬を延々と映すだけ。これが長い。長くて飽きる。
 ラスト、仲代が川に流される。俯瞰になるんだけど、川の流れが速くて仲代、すーっと流れていく。これが微妙に笑える。
 黒澤作品、全作品を観たわけではないけど、後半はひどい。やることなくなったのか、飽きたのか。

小泉今日子がめちゃくちゃかわいい、映画『快盗ルビイ』

 和田誠脚本・監督映画『快盗ルビイ』(1988年公開)を観た。アイドル映画として小泉今日子の可愛さ全開。見る価値あり。
 真田広之、コメディーリリーフ。レンズの奥の顔の輪郭がゆがんで見えるほどの度の入ったメガネをかけている。かなり目に負担のかかる演技だと思われる。一応、真面目で不器用な男に見える。ただ少しバカすぎる行動もあり、微妙な部分もある。
 真田の部屋の上の階に引っ越してきたのが小泉。いやはや、めちゃくちゃかわいい。すさまじい可愛さ。ファッションも頻繁に変わり、カメラ目線の表情のアップや、歌とダンスのミュージカル仕立てのシーンなど、サービスショット満載。
 舞台風のライティングや演出(屋上や窓際)、クレーンによるカメラの階層移動、セリフを途切れさせずに映像だけを場面転換させたり、など、映画の技も見せている。
 屋上のアンテナ。VHFよりも大型の八木アンテナが立っている。もしかしてFM用?。邦画で見たのは初。
 真田、小泉から用事を言いつけられると「嫌だよ」と突っぱねる。けど、次のショットで用事を実行している真田。二人の会話の中に母親の話題が出ると、階下の真田の母親役水野久美のショットがはさまれる。これらが何度も繰り返されて、天丼的な笑いになっていく。
 ラストは真田と小泉のくちづけシーン。かなり濃厚。今の女優が、いかに手を抜いているかがこれを見ると一目瞭然。エンディング曲は映画出演のアイドルが歌うという王道パターン(作曲、大瀧詠一)。
 アイワメールサービス、コーポけやき、舶来屋、XANADU、カンゲワーチ。

紗綾の驚き顔、映画『メリーさんの電話』

 三原光尋脚本・監督映画『メリーさんの電話』(2011年公開)を観た。作りは雑だけど紗綾はうまい。
 ベッドの上に女が寝ている。就寝中なのに電灯がついているという邦画にありがちな設定。もう少し部屋全体を暗くして丁寧に撮ろうよ。ホラーなんだし。怖がらせのテクの大半は照明によるもんだからさあ。
 紗綾が寝るシーン。卓上ライトの角度がおかしい。そんなふうにしたら眩しくて生活しづらい。もうちょっと丁寧に撮ろうか。
 朝?、紗綾、ぶどう畑?沿いの農道を自転車。公園のようなところに自転車を置く。ワンボックスカーが紗綾たちをピックアップする。うーん、なんでそんな場所に自転車放置するんだあ?ものすごく不自然。紗綾の家の前だと、一軒家とか紗綾の家族とかいろいろやらないといけないことが増えるから、公園とかにしたのかな?手抜き改め映画的省略。
 合宿場所(ロケ地は笛吹市営芦川グリーンロッジ?)に到着。黒ずくめでマスクの女。紗綾、本館の部屋(黒岳?)に入る。
 どうも高校空手部らしい。広場での突きや蹴りの練習風景。うーん、そこそこ。急ごしらえで整えた感じ。
 紗綾、夜、部屋に帰ると廊下突き当りのガラス引き戸が気になり、開けて入っていく。まあ、この行動がものすごく不自然。階段があり暗い廊下をずんずん進む紗綾(ここから新館)。この行動もものすごく不自然。進む理由がない。で、鎖と鍵で閉じられたドアを発見する。鍵に手を触れると、溺れている女の顔のショットが短く差し込まれる。そこへ友達がくる。これまた超不自然。なんで、そんなところにお前まで来るんだあ?前フリとか一切ないから登場人物の行動がものすごーく唐突に見える。さらに、この鍵のかかった部屋、意味深に出てくるけど、別に、物語に特別関係してこない。後で、別の同級生が逃げこむだけ。このあたりものすごく雑。
 紗綾の寝姿。Tシャツ姿のバストアップ映像。非常にいい。厚みがあり豊満な感じがする胸が大写しになる。監督、わかってますねえ。
 山道でのランニング風景。スポーツをやっている人の走り方ではない。女走りしている人も見受けられる。このへんは適当。
 放送部の二人が昼間に撮った映像をチェックしいる。けど、部屋暗すぎ。なんで作業するのにそんなに部屋がくらいの?で、変なものが録画されているんだけど「見なかったことにしよう」で決着。おいおい、ちゃんとみんなに伝えろ。
 前フリで携帯電話は圏外だということが口酸っぱく言われていたのに、紗綾、携帯電話を持っている。これまたものすごーく不自然。作りが雑。
 ついに制服姿の斧女が登場すると、ちょっとおもしろい。アクションとかかなり雑だけど、なんか復讐の恨みによる荒っぽさにもつながっていて、いい味出している。沼での怖がらせは定番の洋画『キャリー』タイプ。
 この映画の見どころはやはり紗綾。怖そうな顔、不安そうな表情がうまい。体型は丸顔のがっちりタイプで、悪に対する善な感じがする。
 ただし、この映画の中では、あくまでも受動的な立場で観察者のような役回り。正義感の強い女刑事とか、母子家庭の母親役とか、見てみたい。そんな可能性を想像させてくれる。

シャッター通りが怖い、映画『NEW TYPE ただ、愛のために』

 廣木隆一監督映画『NEW TYPE ただ、愛のために』(2008年公開)を観た。邦画のSFはきつい、見てもいいし見なくてもいい。
 離島便の船が行き来するターミナル施設(粟島汽船)の切符売り場。そこで働く女(大政絢)が主人公。邦画の中でこの職業が出てきたのは初。
 かんな島へ行きたいという男(竹財輝之助)が現れる。どうも超能力者らしい。案内板を吊り下げている鎖が火花を出して切れる。それだけ。うーん、超能力がしょぼい。その後、電話が火を吹いたり、佐野和真に頭痛を起こさせたり、車のライトが割れたり、とやっぱりしょぼい。
 竹財と山田ミヌヲが銃撃されるシーン。正直、何が起こっているのかわからない。山田、倒れていて、こめかみを撃ちぬかれているようなんだけど、傷が何かを額につけているだけ。傷口に見えない。次のショットになると、竹財、普通にしている。見せ方が下手くそで何がなんだか。
 大政の住む一軒家。庭にブロックを積んだ壁式構造の家があるんだけど、屋根がない。建築中なのか?それとも途中で放棄したのか?妙な感じ。
 港の感じ、町の俯瞰映像(海岸線に沿って密集している)、海の海岸線は風情があっていい。大政が通勤に使う道は大通りなのにシャッターが閉まりまくりまクリスティー。日本の地方都市って今、こんな感じなのか?このショットが一番怖い。
 SF設定は全部セリフで説明。どうも『AKIRA』(2016/5/6掲載)のような世界らしい。うーん、どうでもいいような気がするけど。竹財の生い立ちの説明、これまたセリフのみ。
 追っている団体がかなりしょぼい。山田は竹財の居場所をすぐに見つけるのに、団体は港のあたりをうろうろしているだけ。
 竹財が刺されるシーン。やっぱりアクションシーンは撮り方うまくない。時間を遡るのは波の映像を逆回しするだけ。邦画でSFはかなりきつい。
 環境ノイズ多め。町の中のわびしい感じや、大政の孤独な感じをオーディオが盛り上げている。
 大政、眼帯姿。口数がすくなく不思議な女の雰囲気は出ている。
 デージーのたね、吉田旭町・中町商店街、こめぐりの郷公園。

相葉雅紀の顔のシワ、映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』

 犬童一心監督映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』(2014年公開)を観た。ちゃんとつまらない。見てもいいし見なくてもいい。
 相葉雅紀、アマチュアの漫画家らしい。机の中からアニメーション合成されたデビルクロスというのが出てくる。どうも心の中の闇や悪の部分が形となって現れたらしい。のだけど、これが物語最後までなーんにも関わってこない。相葉がデビルクロス通信というチラシを勝手に街中に貼り付けているだけ。設定が小学生レベル。
 てっきり相葉が精神病でなにか妄想が映像化されているのかなと思ったけど、別に映画を最後まで見てもそのような説明もないし。そのデビルクロスとの精神の葛藤とかもほぼない。なんのためにわざわざ出てきているんだあ?ものすごーくつまらない人生訓みたいなのを言うためだけに出てきているの?バカすぎる。
 榮倉奈々、造形作家のよう。高橋鉄工所のガレージをアトリエとして使っている。完成作品が一度も出てこないからなんとも言えないけど、イマイチな感じ。映画の中の芸術問題が発生している。
 コミックマーケット会場。ものすごい人の数。CGか?
 生田斗真、売れっ子漫画家らしい。wacomのタブレットでデッサンしているような映像があるだけ。人物の映像としての作りこみがものすごく表面的。全体的にそんな感じ。犬童もやっつけ仕事するんだねえ。
 レストランの前での事故を見ている相葉の表情が泣き顔。事故にたいして悲しそうな顔なの?予定が狂ったのなら焦り顔とかが正解だと思うけど。相葉の設定と演技、わかりづらい。
 酔っ払ったハン・ヒョジュ。ショットが変わると家の中で寝ている。相葉の家らしい。ハンを運ぶシーン一切無し。好きな女を自宅まで連れ込んだのに何もない。バカすぎる。物語も映画製作者も小学生なの?幼稚。
 部屋で一人、自分の描いた漫画を見ている相葉。デビルクロスと会話。もうほとんど精神病の世界。こんなことまともな大人のすることか?
 何度も書くけど、登場人物を低能にして脚本や映画の粗を隠すやり方、もうそろそろやめようよ、邦画の皆さん。こんな駄作作っていて楽しい?
 相葉、なぜか運転席に座っているシーンが何度か出てくる。けど、運転している場面は無し。ドライブシーンも無し。なんのために車を出している?意味不明な設定。
 イルミネーション、ライトアップされたクリスマスの日の広場。生田とハンの二人のところに、相葉が来てハンと会話。生田、ずーっと二人の会話を聞いているだけ。あのさ、二人が知り合いであることに驚くとか、なにか反応あるはずだよねえ。ものすごーく雑。
 相葉が榮倉の手にマジックで絵とくだらない標語みたいなものを書き込む。映像で読めるのにわざわざまた相葉がセリフで言う。ただただ見ていてダレる。
 榮倉奈々の片思いと、それに気づかない相葉の関係がちょっと切ないので、駄作とはまでは言わないけど、それ以外はもうほんとうに雑で適当。犬童もやっつけ仕事するようになったんだねえ。
 山下達郎「クリスマスイブ」、ビドゥルギ(韓国語で鳩)。

昔の女への執着、映画『Watch with Me 〜卒業写真〜』

 瀬木直貴監督映画『Watch with Me 〜卒業写真〜』(2007年公開)を観た。丁寧な作り、泣かせ演出もうまい。最後まで見れる。
 救急車を前から撮ったショット。「救急」の文字が鏡文字になっていて驚いた。前を走っている車がバックミラーで確認した時にちゃんと読めるようにだと気がついて納得。なるほどねえ、そういう風になっているんだあ。映画を見ると勉強になるなあ。
 町の感じ(久留米ロケか?)、方言と雰囲気はいい。舞台となる病院の描写も本格的。医療機器や病室、後、看護婦のマッサージの様子、外出時の鼻チューブなど、手抜きはなさそう。
 末期がんの津田寛治。苦しそうな呼吸の演技がうまい。こちらまで苦しくなってくる。羽田美智子、肌にピッタリしたオレンジ色のニット、スリムジーンズがセクシー。監督、ちゃんとわかっている。
 津田が昔の友人に胸の手術痕を見せるシーンは中途半端。脱がない女優のようにちょっとだけ。
 中学生の時の回想。教室の中、自然な感じでいい。新人を起用していて雰囲気悪くないんだけど、中学生にしてはちょっと成長し過ぎかなあ。二人(中野大地と高木古都)の間のセリフ少なめ。映像で見せる努力をしている。
 そういえば中学や高校の教室のシーンが邦画に出てくると、主人公はだいたい窓際。その上、後ろから二番目くらいが多い。主人公が教室の中央寄りの席だと、気になる人物が窓際にいるという設定が多い。窓の外の風景に人物が映えるという映像的理由からなのかな。
 津田が報道写真家という設定なのでNikon F4?が出てくる。後、高木の持っているのが二眼レフカメラか?重要な小道具としてカメラ使われるのでできればもう少し詳細に見せて欲しいところ。
 高木、中野の家で一泊するという設定になっているのに、何も描かれない。うーん、そんなことある?少なくとも同衾するショットは入れないと流れとして変だよねえ。
 津田の夢に出てくる女の謎が少しづつ解明されていくと、結構がっかりする(結局、高木なだけ)。ただ単に昔の女が忘れられなくて、思い出づくりしているだけじゃん。それで元気になって延命しているの?そりゃあ、妻の羽田も泣くわ。
 高木の生死が二転する展開がある。けど、見せ方が若干下手なのでインパクトが弱い。津田が事前に高木の死を知っていたということは、津田は別れて後も調べていたということになって、死の直前に情熱を燃やす理由が薄くなる。同級生たちが生きていると断言するのもおかしい。だって転向後は付き合い全く無いのに。
 とまあ、昔の女をだらだら追いかける津田の態度はいまいちだけど、人が息を引き取るまでを冷徹に描いている点はよい。臨終時の泣かせの演出もうまく考えれている。
 エンドロールにHi-Fi SETの「卒業写真」が流れる。ある世代にはここが最も泣けるかも。
 うきは市、久留米市立屏水(へいすい)中学校、善導寺駅。

まだ痩せている松下由樹、映画『私のサンタボーイ』

 宮島秀司脚本・監督映画『私のサンタボーイ』(1989年ビデオ発売)を観た。トレンディドラマのスピンオフのような感じ。見てもいいし見なくてもいい。
 劇場公開作ではなく、ビデオ発売のみのよう。映画と呼べるかどうか怪しいけど、出演者は豪華。
 スキューバダイビング練習用プール。松下由樹が競泳用水着で登場。痩せていて色も浅黒い。本木雅弘も若い。
 クリスマスイブに三人の女(松下、高橋ひとみ、戸川京子)からデートを申し込まれる本木。その難事業をどのようにこなすのかが見どころ。
 手を上げても止まらないタクシーとか、スペイン坂?のロケ地とか、ファッションとか、バブルの頃の残り香が漂っている感じ。ただし、撮影に金をかけているわけではない。戸川やジョニー大倉の宿泊施設は割としょぼい。パーティーシーンもなあ。わびしい。
 急にイメージ映像。タキシード姿の松下と本木がタップダンスを披露する。
 シャワーの水からのビールサーバーのビール、松下と本木のタキシード姿がカレンダーの写真になり本木の働くオフィスの中へ、水槽の水からダイビングプールの中へ、と場面転換は凝っている。
 「ロスト・アンド・ファウンド」というタイトルのADが大写しになるけど、詳細わからず。
 鴨南蛮、ズブロッカのペリエ割り、筆談、クリスマスイブ、手作りマフラー、スペイン通り商店会、SEED'S BAR、LOFT、木族館、洋画『DAY'S OF HEAVEN』のポスター。

精通小六男子、映画『ごめん』

 冨樫森監督映画『ごめん』(2002年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 『バーバー吉野』(2016/10/20掲載)が精通前の小学生を描いていたけど、『ごめん』は精通した小六男子(久野雅弘)が主人公。
 映画冒頭から、久野が勃起、射精したりする。
 久野の母親河合美智子がTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフル」のコーナー「ババア、ノックしろよ」ばりに残酷。精通あとの白ブリーフを見つけると「接着剤」「おしる」とか、久野の前で囃し立てる。
 アーケードの中。ゲリラロケなのか、まわりの通行人が注目している。
 祖母が裸婦のスケッチ。うーん、わざとらしい。櫻谷由貴花の家を探すシーン。家から出てきた男に追いかけられる。うーん、なんか、エピソードがすごくわざとらしい。
 久野、キャラ設定がわかりづらい。ぼーっとしているダメ小学生と思わせて、女探しには積極的。いじめられたりするのに、剣道はやっている。寒がりな設定とか。なんかどっちつかずで中途半端な感じ。急に胸何度も叩いたり、急に叫んだり、意味不明なショットも散見される。演技もなあ、子役全般に言えるけど、あまりうまくない。
 ラスト、ずーっと空を見上げている久野と櫻谷。何を見ているんですかねえ?それに長い。
 小学生の性的妄想ってそんなもんですかねえ?ヌードもおっぱいポロリもなし。性衝動がものすごく表面的に描かれていて、つまらない。恋のハードルも歳の差と遠距離になるだけ。乗り越える映像が自転車こいでるだけ。櫻谷の友人関係がほとんど描かれないのも世界観が狭くて今ひとつ。小六男子と付き合う客観的視点が見られない。
 子役の演技を見比べるなら『夏の庭 The Friends』(2016/5/27掲載)、『バーバー吉野』をあわせてみるといいかも。『仔犬ダンの物語』(2016/5/16)の子役の撮り方はめちゃくちゃひどい。

ガンの告知って本人が先なの?映画『群青色の、とおり道』

 佐々部清監督映画『群青色の、とおり道』(2015年公開)を観た。ありがちな地元紹介ダメ映画。見てもいいし見なくてもいい。
 邦画の一ジャンルとして確固たる地位を築いている地元紹介ダメ映画、地元密着バカ映画とは何かの説明から入る。
 地方自治体から依頼をうけて企画が持ち上がった映画(しらんけど)のこと。当然、ロケ地からの依頼だから地元を悪くする、悪い印象を持たれるお話や設定はNG。そのせいで悪い奴も出てこないし、殺人事件も起こらない。となると当然お涙頂戴のものすごくうすっぺらくてつまらないお話をロケ地の町並みや自然の風景、お祭りシーンなどを無意味に挟み込みながら映画が作られる。当然、そういう映画は、駄作になるか、見てもいいし見なくてもいいという箸にも棒にもかからない、やっとけ映画が量産されるということになる(しらんけど)。これが、邦画界の悪習の一つ、地元紹介ダメ映画のからくり。
 例『がじまる食堂の恋』(2015/7/22)、『わさお』(2015/8/17)、『津軽百年食堂』(2015/8/18)、『六月燈の三姉妹』(2015/9/6)、『綱引いちゃった!』(2015/9/22)、『ぶどうのなみだ』(2016/2/19)など。依頼が地元からあったのか、駄作のロケ地が地方だったのかは不明だけど。
 で、『群青色の、とおり道』なんだけどねえ。いやー、つまらん。
 桐山漣の実家。真山製作所。町工場風の外観は雰囲気出ている。この映画の中で見るべきところはここだけ。
 桐山が部屋で録音に使っているのがマイク交換型ハンディレコーダーZOOM H6。機材が無意味に大写しになるショット有り。宣伝臭あり。
 宣伝臭といえば、宮崎美子の運転する車がスバルの白いレオーネ。病院が富士重工の太田記念病院。尾島ねぷたまつりの太鼓には三菱のマーク。とまあ、富士重工臭がぷんぷんする。これじゃあ車や電車、航空機が事故ったりする場面は撮れないし、自衛隊批判も無理かな。
 ピアノを弾くシーンが多数あるも、手元は撮さない。ありがちな弾き真似。手抜き改め映画的省略。
 父親が胃がんらしい。けど、話がものすごくおかしい。父親が胃がんであることを知っていて、家族に告知するのを悩んでいるんだって。おかしくない?。普通さあ、医者って肉親にまず先に話して、告知を患者本人にするかどうかを検討するよねえ。この映画の設定、おかしくないですか?
 杉野希妃のキャラがよくわからん。河川敷近くの道路。桐山が杉山に父親が胃がんであることを告げる。普通さあ、病状とか、聞いて心配するよねえ。杉山、腹を立てて去っていく。意味不明。なんで友達の父親が胃がんだとすねて帰るんでしょうか?まったく行動がわからない。
 桐山が柱時計のねじを巻くシーン。巻き方が雑。それじゃあねじ巻けてない。
 最大の手抜きシーン。手術当日。町の中の風景。家族の日常生活などを撮るだけ。なんと、手術シーンを一切見せない。バカすぎ。緊張感なさすぎ。なんのために家族への告知を逡巡したの。ここ、手術シーンを見せて、家族が廊下で待っていて、心配する表情を撮るべきところだよねえ。バカなのか?下手くそすぎる。まあ、手術シーンを撮るのは金がかかるからなしにしたんだろうけど。雑過ぎ。それとも太田病院からクレームが?
 それに比べると病室は大部屋で広々として綺麗。さすが三菱。隣のベッドに患者がいて、一応、役回りもある。ここは意外にちゃんとしている。
 急に桐山、金属加工している。バカすぎる。これまで一度も工場の中で働くシーンはなかったのに。急に金属加工ができるのか?ひどすぎる。
 居酒屋。社歌を歌い泣き出す桐山。それを見て「ああいう感性、(あなたたちには)ないでしょう」と友人二人をなじる杉野。あのー、感性ではなくて、桐山がただただ酒に弱いだけでは?ギャグシーンだと思ったら、マジで言っているセリフ見たい。なんかもう登場人物の考え方や行動がよくわからん。
 東京に行ったはずの杉山が戻ってきて、山車を引く。杉野、理由を全く聴かず山車に参加させる。うーん、バカなのかな?なんで問いつめない?だって桐山の将来がかかっている音楽の大事な仕事が東京にあるんだよねえ。その後、東京での仕事の話が一切出てこない。もう、ひどすぎる。
 祭の舞台。井上順の代わりに桐山が「電車の窓から」を歌う。祭でこんな暗い曲を歌われても、迷惑なだけ。ナルシストのただのバカ。
 将棋指しては泣き、オルゴールを見せられては泣く父親。父親と息子そろって感情失禁症の傾向があるよう。太田病院のなに科を受診すればいいのだろう?
 ちなみに都会から田舎に帰り祭に参加するという邦画は『人生の約束』(2016/7/15掲載)がある。お話は適当だけど祭シーンは迫力がある。
 木崎駅、太田市、尾島ねぷたまつり実行委員会、太田市新田文化会館館・エアリスホール、太田市合併10周年記念事業。

税金泥棒(公務員)の生態、映画『歓喜の声』

 松岡錠司監督映画『歓喜の歌』(2008年公開)を観た。期待しなければ普通に最後まで見れる。
 「やん、やん」と音楽のような掛け声のような男の声が入る。奇妙な感じ。
 食堂。根岸季衣が客の手をテーブの上に押さえ込んで、フォークで刺していくハンドナイフトリックを見せる。実写みたい。ちょっと驚いた。
 みたま文化会館に左遷された主任の小林薫。これがまあ、いい加減男で実にうまい。手抜きで時間ばかり潰している役人根性の姿に見ているこちらがイライラする。
 小林が、自分の過失によるダブルブッキングでコーラスグループ(由紀さおり率いるみたまレディースコーラスと安田成美のみたま町コーラスガールズ)の公演予定を大晦日に入れてしまう。
 で、その身から出たサビをどのように乗り越えるかが見どころ。ついでに小林には、飲み屋の女シャラポワ(アンナ・カネキ)との金銭関係や、妻の浅田美代子との離婚話なども絡んできて、前途多難。
 すべて人のせい、他人のせいにして乗り切るつもりだったけど、餃子の差し入れで改心。積極姿勢で物事の解決に当たる。餃子で変わるくらいならもっと早く心入れ替えろという話だけど、まあ、このあたりは非常に軽い。
 コーラスシーンは由紀や安田祥子なども参加していて手抜きはない。それっぽく見える。更にスーパー店員役の吉井有子の独唱にびっくり。結構うまい。一応、本人の声のように聞こえる。吹き替えではなさそう。調べてみると舞台俳優のようで歌の経歴はわからず。映画もこの作品以外に出演作品がない。
 最後はホールでの大団円かと思わせておいて、仕立直しの店内で小林、筒井道隆、浅田の三人による小芝居が続くという奇妙なオチ。
 ちなみに合唱部、合唱団が出てくる邦画は『こわい童謡 表の章』(2015/6/4掲載)、『くちびるに歌を』(2015/11/10)、『ビルマの竪琴』(2015/10/19)がある。
 らんちゅう、熊谷市妻沼中央公民館。第九、ソワレ。

赤い丸ポストが多すぎる街、映画『大人ドロップ』

 飯塚健脚本・編集・監督映画『大人ドロップ』(2014年公開)を観た。うーん、つまらん。見てもいいし見なくてもいい。
 橋本愛と小林涼子のピアノ連弾シーン。たぶん弾き真似。手元は撮さない。ピアノシーンが多めに出てくるのにほとんど手元は見えない。手抜き改め映画的省略。結構、適当。
 とにかくオーバーアクションでセリフが空回りしている。ノイズが多すぎ。そんな話するかあ?
 三叉路、駅前、ハンバーガーショップ前と赤い丸ポスト立ちすぎ。郵政省と何かあるのか?携帯電話、スマホも持っているのに今時手紙のやり取りする?ものすごく話が不自然。
 36分頃。音楽室の中に、YAMAHAのスリーウェイスピーカーNS-1000が出てくる。スピーカースタンドとして使っているサブウーファーはYAMAHA YST-SW800と思われる。
 池松壮亮の部屋に洋画『2001年宇宙の旅』のポスターが貼ってある。『クレヴァニ、愛のトンネル』(2016/9/28掲載)でも部屋に貼ってありましたなあ。駄作映画関係者は『2001年宇宙の旅』にあこがれているのかな。隔たりが大きすぎると思うけど。まあ、希望を持つことはいいことか。
 学園ものと思っていたのに、急に海に面する療養所風の施設に男と香椎由宇と橋本がいる。このあたりから話が、かなりつまらなくなる。話が唐突で浮いている。語るべきは橋本の父親の愛人(香椎) の話ではなくて、実の母親の方では?葛藤があるのはそちらでしょう。それなのに姿すら見せない。橋本が退学する理由が見えない。
 療養所?前の海岸。しょぼいゲートのようなものが作られている。そこで制服姿の四人が花火。うーん、映像が貧相すぎ。こういうところが邦画は見ていてつらい。
 香椎が橋本の髪型を整える。鏡で自分の姿を見た橋本。「これあたし?」と驚くけど、別に、たいして変わっていない。うーん、やっぱり見せ方下手くそだなあ。それに橋本愛、流石に高校生役はもう年取りすぎている。もうさあ、有名俳優で学園もの作ってお茶濁すのやめよう。例『ストロボ・エッジ』(2015/9/17掲載)とか。福祉蒼汰も年取りすぎ。
 美波と池松との目合(まぐわい)シーン。ヌードもおっぱいポロリもない。性的な葛藤とかも無し。その後、成長したようにも見えない。雑で適当。
 縁日、小林の胸のペンダント。LEDがちかちかしてうるさい。この絵、見て、どう考えても邪魔な美術にしか見えないけど、わざわざこんな小物、首からぶら下げる必要ある?海岸のゲートいい、映像センス、なさすぎ。
 意味深に途中何度かはさまれる池松の大人になったショット。映画最後に種明かしみたいなものがあるけど、別にどーでもいい。ひっぱったわりにしょぼい。
 恋のハードル、何も無し。親友の前野朋哉がこいがたきかと思われたけど協力関係しかない。橋本と付き合えないのは自分が言い出せないだけだし。結局、一番身近にいる小林に告白。なんか手近で簡単なところで手を打ったという池松のずるい態度が見えるだけ。これが純愛風に描かれているのが、ものすごーくつまらん。
 美術準備室、はがき職人、肝油ドロップ、ゲイラカイト。

サイドマシンは登場しない、映画『キカイダー REBOOT』

 下山天監督映画『キカイダー REBOOT』(2014年公開)を観た。泣かせの部分はちょっとうまい。見てもいいし見なくてもいい。
 黒ずくめの武装勢力が佐津川愛美のマンションへ侵入する。有無を言わせない感じで窓ガラスが割れる。ここのスピーディーな展開はうまい。
 空撮、東京の夜景が綺麗。ぶれないびしっと決まるシャープな映像。デジタル技術さまさまな感じ。
 ビル屋上でのアクションシーン。黒ずくめの男たちがはけたり、記者が登場したり、一体どこから出入りしているんだろう。かなり適当。
 キカイダーの全体像。デザイン、うーん、いまいち。まあ、オリジナルも不細工が売りな部分もあるので、断言はできないけど、かっこ良くするか、グロテスクにするか、どちらかに振った方がいいと思う。これっといって印象に残らない感じ。
 アクションシーンは多数。格闘技からの空中戦を多用しいる。ほどほど、可もなく不可もなしというところかなあ。
 高橋メアリージュンはアンドロイドな感じは出ている。
 24分頃、秋葉原のパーツ売り場っぽい場所が出てくる。本田博太郎の部屋に無線機が並んでいる。木製筐体が印象的なパナソニックのラジオRE-675が何度か映る。
 キカイダーはYMOが好きらしい。後、ドリフ。エレキギターを時々弾くけどアンプはどうしている?
 キカイダーこと入江甚儀が高橋にやられるシーンに過去の回想、佐津川が子供の頃の小さなロボットの映像を重ねる。ここ、ちょっとお涙頂戴シーンとしてうまい。
 後半、ハカイダーが出てたあたりから、失速気味。かぶりもの、きぐるみ対決になっていて、結局、戦隊ヒーローものクオリティーから抜け出せない感じ。
 キカイダーが思い悩みながら徹底的にイジメ抜かれるのは良い。マゾヒスティックな感覚が刺激されて、キャラとして面白い。
 エンドロールと並行してテレビ放送された「人造人間キカイダー」が流れる。サイドマシン(サイドカー)、新デザインで見たかったなー。

侍が三人だらだらしているだけ、映画『浪人街』

 マキノ雅彦監督映画『浪人街』(1957年公開)を観た。うーん、つまらん。見てもいいし見なくてもいい。
 河津清三郎の歌?ホーミー風の発声で独特。ただし、色んな所で急に歌い出すので意味不明。
 刀がぶつかると火花がでる珍しい演出。ただし、殺陣はなんちゃって。今の目から見ると雑で適当。
 とにかく河津、近衛十四郎、藤田進の三人が何をしたいのか全くわからず、ひたすらダラダラしているだけ。ただただ飽きる。
 帰参することを願っている北上弥太郎。障子を開けたり閉めたりしている。これは何を表現している行動なのかな?表現方法が古くて?何をしたいのかが伝わってこない。北上もだらだらしているだけ。浪人ってだらだらしている侍のことなのかな。
 女性の衣装は独特。着物の裾が長く見返り美人のようなフォルム。今の邦画の時代劇では、ほとんど見かけない。
 斬り合っていた二人が急にやめる。理由が全くわからない。近衛、急にやる気になる。理由がわからない。こんなシーンばっかり。コメディなのか、なんなのか。映画全体で何目的の映画なのかすらわかりづらい。
 野外での大立ち回りのはずが、河津、刺さられると急にスタジオ収録に切り替わる。違和感ありすぎ。

「ウェブカメラ通話」のみ見ろ、映画「2ちゃんねるの呪い」

 永江二朗監督映画『2ちゃんねるの呪い』(2011年発売)を観た。「ウェブカメラ通話」が少し面白い。見てもいいし見なくてもいい。
 全五篇のオムニバス形式。ビデオ作品として発売したのみか?劇場公開したのかどうかわからない。

「おつかれさま」
 ネットの掲示板に心霊写真の処理を相談する女四人。その時点でバカだけど、ちゃんと指示に従う三人。バカすぎる。で、三人は死ぬ。呪いのせいだと思い込む生き残った齊藤夢愛。で、掲示板を開きまた同じ指示に従って供養の動作を行う。齋藤、バカなのか?三人も死んで、効果がないことわかっているよねえ。意味不明すぎ。脚本、ひどすぎる。

「本当に危ないところを見つけてしまった・・・」
 車の中に男二、女二。車窓風景は合成かな?PC画面の掲示板を見せることで説明している。字幕で説明するのと同じ。
 廃校のようだけど、簡単に建物に入りすぎ。玄関とかから侵入するシーンを撮ってない。手抜きが目立つ。
 怖がらせのテクはそこそこうまい。ただ、後半はまたかと慣れてしまう。
 高さ制限を受けたと思われる庇が全く無い玄関のマンション。そんな建物、東京だとあるんだねえ。都会はすごい。中に入るとメゾネットタイプ。なんでそんな高級マンションに住んでいるんですかねえ。若いのに。
 警察の話が変。集団自殺を急に幽霊のせいにする。話の進め方が雑。
 急に女の子を守ると宣言する渡辺志穂。女の子の映画内の設定など何も聴かない。話が雑。
 惨殺しに来るという男から逃げているはずなのに、渡辺の履いている靴の足音がものすごく大きい。緊張感なさすぎ。

「ウェブカメラ通話」
 五人がPCを通して会話しているだけなんだけど、意外な展開があって先が読めなかった。「世にも奇妙な物語」に出てきてもいいくらいのクオリティ。

「よどみのチェーンメール」
 映画前半では赤外線通信でメールをやり取りしている。この時点でおかしい。普通、電話番号などのやり取りに赤外線使うよねえ。
 で、メールの内容を解析するという男。なのに画面に現れているのはHTMLタグのよう。メールの何を解析しているの?意味不明すぎ。
 結局、最後はチェーンメールをメール送信して終わる。最初の赤外線通信設定はなんだったんだよ!映画の設定、バカすぎ。

「鮫島事件」
 奈良県にあるといういなもり?神社。夜、境内。急に走りだす片山享。映画の設定としてタイムリミットがあるわけでもないので、急ぐ必要が全く無い。それにそこにつくまで普通に歩いていた。演出、バカすぎる。
 急ぎながら、神社のあちこちを探っている。「何もわからなかった」だって。え、何探しているの?落し物でもした。二人共バカなのか。
 急に泣いたり、絶叫したり。タメ口になったり、丁寧語になったり。もう、演出、演技がめちゃくちゃ。ひどすぎる。
 結局、鮫島事件はなーんも関係なくて、神社の前で写真を撮ったのが原因なんだって。あのさ、神社の前で記念写真撮る人、いっぱいいるよねえ。正月とか、じゃあ、呪いで死ぬ人が大量に出るよねえ。設定、バカすぎ。
 まあ、邦画にありがちな登場人物が低能で脚本や映画の出来をごまかす方法で作られた作品。見るなら「ウェブカメラ通話」のみを見たほうが、人生の貴重な時間を無駄にしなくて済む。

ペットを飼う(買う)前に、映画『犬に名前をつける日』

 山田あかねプロデューサー・脚本・監督映画『犬に名前をつける日』(2015年公開)を観た。教育映画として見る価値あり。
 小林聡美がテレビディレクターという設定。映画『挑戦』を撮った渋谷昶子が出てきたりして、映像がドキュメンタリー風になる。小林、愛犬が死んだことから犬の映画を撮ることになる。
 で、千葉県動物愛護センターへの取材。ここからドキュメンタリー。ちばわんという動物保護の団体代表吉田美枝子が案内。現場で働く人の顔にはモザイク。汚れた犬舎、金属とコンクリートの建物、雨靴に白衣と映像が生々しい。
 殺処分される犬猫を全て受け入れているという施設に向かう小林。犬猫みなしご救援隊。ピンク色?の三階建て?の建物。犬猫がうじゃうじゃいる。
 代表の中谷百里。茶髪でとっつあん坊や風。小型ブルドーザーという感じ。若い頃の写真を見ると美人。人は変わるもんだねえ。一緒に働くのが田原好巳。静かで付き人風。
 中谷、ものすごく繁殖屋(ブリーダーのこと)を嫌っている。近親交配で奇形化した犬、目や耳が聞こえない、舌がでっぱなし、などがたくさんいる。
 二人へのインタビュー。東日本大震災の話になると、福島の立ち入り禁止区域内での犬猫牛保護活動の映像に切り替わる。これがすごい。ゴーストタウン化した町の中に犬だけが群れている。牛も群れている。残骸だらけの海岸線。遠くに原発と思われる施設。
 福島で捕獲した動物を育てるために栃木にシェルターを作ってある。ここにも犬猫牛がうじゃうじゃ。中谷、不妊手術の助手もできる。すげー。
 元旦那の上川隆也が出てくると急にドラマ風。ドキュメンタリーとドラマ部分の落差はかなり激しい。青山三郷がちらっと出ている。
 ペットショップからの救出、ペットと暮らせる老人ホーム、バスにペットをのせて被災地の飼い主のもとへの里帰り。などが取材される。
 自然を現代社会の中にとり込もうとするとまあいろいろと問題が起きるもんだなあと思う。ペットを飼う(買う)前に一度は見ていたほうがいい教育映画の意味はある。

精通前男子の生き様、映画『バーバー吉野』

 荻上直子脚本・監督映画『バーバー吉野』(2004年公開)を観た。子役がうますぎず下手すぎず、最後まで見れる。
 神社にこけし。聖歌隊の服装をした小学生がハレルヤを歌う。この設定で、おやおやと思わせる。映画内でも指摘されているけど、神道とキリスト教、なんで?それにみんなおかっぱ頭。映画冒頭のつかみとして百点。
 町立神ノゑ(かみのえ)小学校に通う小学生四人と東京からの転校生のドタバタが描かれる。
 設定が面白い。神ノゑ町は山の日に歌を山の神様に奉納する男子だけの合唱隊がある。で、髪型は吉野ガリと呼ばれるマシュルームカット。町の子どもは全員この髪型でなければならない。なぜならどうも天狗よけらしい。で、この髪型を学校も推奨しており、もたいまさこの経営する町で一軒だけの床屋バーバー吉野が独占的に散髪しているらしい。
 でまあ、そんな波風のまったく立たない町に、東京から転校生の石田法嗣がやってくる。石田は髪型が生徒と違うため、女子(岡本奈月など)からモテることになる。で、髪型が固定されていることに疑問を持ち始め家出をする五人と、吉野ガリを死守するもたいとの対決が繰り広げられる。
 まず、ヒール役、もたいがうまい。名脇役としての存在感しか持たなかったけど、この作品の中では超保守、村の伝統文化を守ると息巻く母親役としてなかなかうまい。
 小学生男子の生(性)態描写が的確。
 体育の時間に胸が膨らみ始めた岡本を見る米田良の目とか。隠れ家にエロ本を所蔵したり。岡本の縦笛の臭いを嗅いだり。はんとう棒から降りてきて「降りる時、棒にチンコつけると気持ちいいんだよ」などなど、精通前男子の生き様がよく描かれている。
 やっぱりこの作品が面白いのは村人vsまれびとの構図が見えること。都会からの侵入者によって、村の性的構図が変化(石田がモテる)。村の保守的態度を髪型に託して、伝統文化の打破と小学生の第二次性徴からの成長も同時に描く。ラストは、まれびとは村に吸収され、伝統文化は一部変形するも、生活の形は変わらず存続していく。日本の村社会は強し。
 TOKYO FM 少年合唱団、豆州和太鼓集団粋鼓伝、松崎町、ウィック協力フォンテーヌ株式会社、PFFスカラシップ。

ライブシーンはちゃんとしている、映画『いきすだま 生霊』

 池田敏春監督映画『いきすだま 生霊』(2001年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 「第一話 生霊(いきすだま)」「第二話 空ほ石の・・・」の二つに分かれている。DOGGY BAGの松尾雄一と松尾光次が両方に同じ役で登場する。ので、一応、映像として連続性はある。
 「第一話 生霊(いきすだま)」は三輪ひとみがくらーい女子高生役。生霊となって松尾光次に取り憑く。三輪の細くて目玉の大きな顔の作りはまさにホラー向き。
 映画冒頭シーンから変。誰かに見られていると起き上がる松尾光次。体育館の中を探しまわる女子高生。だけど見られていたのは換気扇から。あのさあ、先に言えよ。換気扇から見られているのに体育館の中探すのどう考えても人の行動としておかしいだろう。映画冒頭から作りが雑。
 松尾雄一と松尾光次のライブ演奏シーン。楽器もちゃんと弾いているし、歌もうまい。感心していたら、二人は本物のバンドなんだあ。そりゃあうまいわ。
 ホラーとしての怖さ表現はいまいち。一昔前のお化け映画という感じ。三輪の空中に浮かぶ姿が宙吊りにされているのがまるわかり。アクションもいまひとつ。
 なんといっても怖さを削いでいるのは編集。とにかくもっさり。意味不明にショットが長かったりするので、「何か別な意味があるのか?」と見ていて勘ぐってしまうほど。テンポの悪い編集は致命的。
 民俗学の話、急に出し過ぎ。かなり雑。
 また、高校の屋上。それも手すりもスラブ端の立ち上げすらない。そんなところ、自由に立ち入りできるのか?本当に邦画の中で屋上の設定が適当。
 雨が降っているけど、太陽雨。もう少しうまく撮ろうよ。携帯電話かけながら走る女子高生。ものすごく不自然な動き。列車にはねられるシーンも撮らないし。うーん、手抜きが目立ちすぎる。
 松尾光次の三輪に対する態度が変。そんなにストーカーされたら普通、問い詰めるよねえ。
 「第二話 空ほ石の・・・」でヒロインが三輪明日美になる。三輪ひとみは実姉だから、松尾兄弟と揃えて意図的に配役したんだろうなあ。
 部屋の中で三輪明日美のひとりごと説明セリフが多い。謎の解明が唐突に始まる。
 映画内、エンドロールにDOGGY BAGの「release 〜解放〜」(作詞作曲Mike Hawker、Ivor Raymonde)が流れる。
 ドッペルゲンガー、うつのたに、王子駅前サンスクエア。

CG粗すぎ、迷走しまくり、映画『笑う大天使(ミカエル)』

 小田一生VFX・監督映画『笑う大天使(ミカエル)』(2006年公開)を観た。かなり迷走する感じ。見てもいいし見なくてもいい。
 列車の中。黒いワンピース型の制服。胸元が大きくえぐれていて、非常に期待できるデザイン。けど、その後、胸元が見えるサービスショットがほぼない。うーん、なんのための胸元なんだあ。サービスしろや、サービス!
 橋のかかる島にあるというセイントミカエル学園。遠景になるとほぼCG。画面のほとんどがCG。それも粗いCG。犬(ダミアン)もCG。かなり白ける。
 エピソードをナレーションやアニメで説明するんだけど、コロボックルの説明とかいる?邪魔なノイズが多すぎる。
 上野樹里、関めぐみ、平愛梨の三人が力を得るシーン。ラーメンを食べている途中で火事になって消火しているだけ。いわれとか脈絡が全く無い。その後もこういう雑な展開が続く。飽きる。
 仮装パーティーになるとただただ停滞。校内の巨大な中庭をウロウロするだけ。何も物語が進行しない。仮装パーティーの衣装とヘアスタイルがものすごく野暮ったくて貧相。どこが金持ちの令嬢なんだよ。邦画の金持ち設定はとにかくひどい。
 「消えたに近い」とセリフで誘拐をほのめかす。けど、映像がないのでただの後付で、何が起こっているかすら理解できないほど唐突。脚本、見せ方、雑。
 海上に出るとほとんどCG。とにかくCG。粗いCG。上野、関、平のアクションシーンはちょっと面白い。
 上野が巨大化して海から現れる。いやはや、もうなんの映画だったのかすら忘れるほど、雑で適当。これをやるなら、前半をちゃんと描くべき。前半がいい加減だから、この巨大化した上野が面白さにつながっていない。
 伊勢谷友介が小説家。後付。こんな設定いる?
 女子校、チキンラーメン、広辞苑、長崎県、ハウステンボス(特別協賛)、カトリック三浦町教会(撮影協力)。

バカ女は三途の川でぐーパンチ、映画『ケータイ小説家の愛』

 金子功監督映画『ケータイ小説家の愛』(2009年公開)を観た。画、お話共に幼稚。恋愛バカ映画気味。見てもいいし見なくてもいい。
 章立て風の字幕が出る。「第1章 友樹」改め「第1章 トモ」「第2章 岩田村くん」「第3章 HIDEKI」。特別な意味はなさそう。ただ、映画が携帯小説を題材にしているから字幕を出しているだけ。
 女子高生役の田代さやか、幼なじみの木村啓太。二人の会話、セックスという単語の前で口ごもる。天丼になっていて、ここちょっと可笑しい。
 歴史の授業風景、二二六事件の話をしている。歴史的事実を話しているのにわざわざ「天皇陛下」と先生役が言っている。バカすぎる。歴史的な出来事を語るのに陛下はいらんだろう。セリフ、雑。
 田代、男子三人に襲われる。胸のボタンがはだけるだけ。見せ方下手くそ。乳ぐらい揉め。友樹役の三浦悠が助けにくる。アクションシーンが雑。怪我しているわけでもないのに一人では帰れないだろう。という三浦。
 このあたりから三浦の行動が変なんだけど、それに気が付かない田代。出ました、邦画にありがちな主人公を低能にして脚本や映画全体のあらを隠す戦法。もうこの時点で飽きる。
 ずーっと携帯電話に入力しているような字幕が画面の角に出る。ただただ飽きる。そういうのはちゃんと映像として示せ。それが映画だろう。
 公園での初デート。すぐにスカートの中に手を入れられる田代。この動作だけでも変だと思うけど、それに気が付かない田代。高校生の性を扱っている映画なのに、目合の見せ方がものすごく下手くそ。さらにヌードもオッパおいポロリもまるでなし。ここでも乳すら揉まれない。バカすぎる。映画製作者と女優のやる気のなかさが見え見え。
 三浦の話していることが変。脅されていたのにぼっこぼっこにしてきた。だって。その話を信じる田代。田代が頭悪すぎて、見ているこちらが辛くなる。
 木村の家に泊まる田代。ベッドに二人で寝る。夜、木村壁側、田代、手前なのに、朝になり目が覚めると木村が手前になっている。前後のつなぎ雑。その位置だとさあ、田代が一人で部屋から出て行ったことが伝わりにくいよねえ。なんかもう本当にいろいろ稚拙。
 暴行されて、妊娠して、家出して、いるのに学校は?家族は?まったくその後出てこない。木村の自殺の時だけ連絡に来る。とにかく雑。
 田代や三浦が携帯電話を操作するときだけ操作手順が詳細でリアル。美術提供はdocomo。まあ宣伝ということね。
 妊婦なのに田代、おなか大きくならない。妊婦っぽい演技も無し。暴行されるシーンで蹴られるんだけど、蹴られる映像は無し。まあ、とにかく手抜きが多い。
 田代の部屋着。ざっくりしたタオル地のようなワンピース。身体の線が出ていて、ここだけエロい。このファッションは正解。
 学校の校舎から木村、飛び降り自殺。あのさあ、だからさあ、学校の校舎の屋上ってそんなに簡単に登れないんだって。何度も出てきたベランダみたいな場所だと低くて死ねないよねえ。
 ここからずーっとアパート中。人が訪ねてくるだけ。
 ここからすごくバカな映像が出てくる。田代、新しい携帯電話を買ってきたみたい。箱から携帯電話の端末を出す。開く、画面に三浦と田代の写真が待受画面になっている。えー、なんで?新調した携帯電話だよねえ。昔の携帯電話は三浦が川に捨てたよねえ。だとすると以前データは消えてるはずだけど。もしかしてクラウドに保存していてデータ復帰させたとか?そんな操作しているように見えないけど。
 更に一通のメールが。開けると三浦から。えー、携帯電話を川に捨てたの三浦本人だよねえ。携帯電話が使えないということがわかっているのにわざわざメール送るわけ。バカすぎる。メールを読んで泣くな田代。おかしいだろう。
 HIDEKI役谷口賢志の家に暴漢。田代、倒れ際に頭を床に打ち付ける。助け起こす谷口。長い会話。なのにずーっとちぎれたクッションからばらまかれた羽毛がひらひらと落ちてくる。すごい滞空時間。バカすぎ。
 お花畑。天国と思われるイメージ映像。田代に木村が静止のサインで手を振る。気が付かない田代。木村と田代の間に割って入る三浦。「だから来るなって言っているんだよ」と田代をぐーパンチ。爆笑。三途の川でも三浦から虐げられる田代。バカ女が受ける境遇としてブラックで面白い。
 頭打っただけなのに、流産したんだって。更に子どもが産めない身体になったんだって。話がバカすぎる。頭打ったことと、子どもが産めない身体になることに一ミリも関連性がない。後付だし、この設定がラストシーンにまったく生きてこない。まさに蛇足。

実写模倣しすぎ、アニメ映画『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』

 毛利陽一監督アニメ映画『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス(TEKKEN BLOOD VENGEANCE)』(2011年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 画は独特。『ファイナルファンタジー』の画を3D化した感じ。表情は不気味の谷に近づいていて、かなり不自然に感じる。光沢、煙などは細かい動きまで制御されていてちょっとびっくり。
 最後まで見てもストーリーはよくわからん。なんか過去に遺伝子操作のような実験が行われていて、その肉体を持った男を捉えたいのかな。それで女子高生を情報収集に使って、ロボットが出てきて、中間管理職の女同士の戦いが有り、城に五人+ロボットが集まって三つ巴の対決になり、デビルマンが出てきて。というお話。うーん、反芻してもなぜ戦っているのか理解できない。
 戦い分散しすぎ。中間管理職風のチャイナ服のアンナとレザースーツのミーナの戦い。シャオとアリサという女子高校生同士の戦い。遺伝子操作された?四人の戦いに突入する。うーん、同時に集まる必要あるのかなあ?
 パンダが乗り物で異様に速い。けどまわり別にびっくりしない。何時代のどういう世界なんだあ。
 アニメなのに屋上が頻繁に出てくる。本当にさあ、屋上、そんなに登った経験ある?屋上開放している学校とか病院、見たことないんだけど。俺の知識不足なだけ?アニメで屋上出す必要性ないよねえ。ここまで来ると邦画の病気。
 時々顔を出す教師が意味不明。お笑いリリーフなのか?映画冒頭から英語や横文字。映画内で警察の電話番号が911。最初からアメリカ輸出を狙った作りなのか?
 女子高生のローアングルからのショット多め。サービスショットのつもりみたい。アリサ、胴体切断後に匍匐前進。『僕の彼女はサイボーグ』(2014/2/13掲載)を思い出す。
 城に集合しての四人の戦い。不死身ではないんだあ。不死身だと思ったけど、俺の勘違い?レーザーメスのような何でも切り裂いてしまう武器を持っているのに、とどめはパンチ。実写をベタに模倣していいのか?アニメでやる意味あるのかあ。

肉体のみのタイムスリップ、映画『あやしい彼女』

 水田伸生監督映画『あやしい彼女』(2016年公開)を観た。歌の使い方、泣かせシーンはうまい。最後まで見れる。
 倍賞美津子のキャラを見せる冒頭シーン。アーケード内、高校生とのいざこざシーン。唐突で雑。ファンタジーであるからリアリティラインは低くてもいいんだけど、かなりがっかりする。もう少し丁寧に撮りたいところ。
 神社の前、AEDが置いてある。なんか不思議。銭湯には写楽ののれん。温水洋一のいるオオトリ写真館で使っているカメラがハッセルブラッド503CX。
 賠償が急に多部未華子になる。これがあるからリアリティラインを低めに設定している。だけどなあ、シリアス寄りに作っても問題ない話だと思うけど。多部による白目ギャグ。『ちはやふる 上の句』(2016/9/22掲載)で広瀬すずもやっていた。流行りなのか?
 多部、町内会ののど自慢で「見上げてごらん夜の星を」を歌う。アフレコ、口パクだと思うけど、これが意外に聴かせる。路上ライブで「真赤な太陽」を歌う。これもなかなかいい。
 のど自慢で金井克子が歌うシーン有り。ここは「他人の関係」が聴きたかったなあ。
 ショッピングセンターの吹き抜け。子どもを殴る女。多部が駆け寄り注意するのかと思いきや、子どもと母親を褒める。ここ結構じーんとくる。泣かせの設定がうまい。
 この映画の設定がずるいのは、精神賠償肉体多部の中にカルチャーギャップが生じていて、もちろん賠償(精神)の中にもギャップが生じているけど、多部(肉体)を見るまわりの人々もギャップを感じていること(肉体のみのタイムスリップ)。その差が大きければ大きいほど、ギャグにもなるし、泣かせの設定にも効果が出てくる。
 前述の歌のシーン。普通に多部が歌うだけなら若い女が昔のヒット曲を歌うだけだけど、賠償が多部の肉体を通して歌っているというひと手間があるので、若い頃の経験を通した上でもう一度ヒット曲を歌うという意味が乗っかっているし、それを観客は無意識のうちに歌う多部に投影する。
 子どもを叱りつける母親のシーンもそう。普通に多部が母子を褒めるなら「何言っているんだあこいつ」なだけだけど、苦労した賠償が言っているという設定があるので、多部を含めた若い人全般に言っているような錯覚に陥る。それを観察している要潤を置いているのも小技が効いている。
 ちなみに、この辺の肉体と精神の乖離を描いているのは『秘密』(2014/9/11掲載)がある。ただし、こちらは娘の肉体に母親の精神が宿るというお話。夫との関係などもからめて事態はこちらの方が深刻。男女の入れ替わりだと『転校生』(2014/1/28)。
 多部、60年代ファッションに身を包みかわいい。大柄でシンプルなデザインは今見てもかっこいい。
 バンドの演奏シーンでシンセNord electro 3が出てくる。要潤の自宅はオーディオ装置多数。ただ、ちょっと並べ過ぎかなあ。そんなあけっぴろげの日本家屋だと大音量は無理だと思うけど。
 後半部はちょっと残念。まず、バンドものに見せかけているけど、練習シーンが全く無い。だからやり遂げた感はなし。後、ラストのライブシーン。ここでオリジナル曲が披露されるんだけど、やっぱり曲がつまらない。これまで多部が歌ってきた曲が名曲揃いなので、どうしても比較してしまう。このライブシーンは、残念ながら弱い。
 ラストはちょっとだけ希望をもたせる展開。エンドロール後に多部の歌うライブシーン。楽しそうではある。
 ちなみに『あやしい彼女』は、2014年公開、韓国映画『怪しい彼女』のリメイクなんだとか。

ホモとのんけのラブシーンが切ない、映画『メゾン・ド・ヒミコ』

 犬童一心監督映画『メゾン・ド・ヒミコ』(2005年公開)を観た。つまらないけど、光るシーン有り。ラブシーンは切ない。
 現代音楽風の音色のSE。独特だなあ、と思っていたら音楽担当、細野晴臣。
 中学生の仕掛けた爆竹に驚いて転倒する柴咲コウ。転倒シーンは撮らない。わざわざ設定するなら、もう少し頑張ってもいいと思うけど。手抜き。
 田中泯、ホモ設定。威厳がありすぎて、そっちの人に見えない。
 バニーガールへの変身。映画にありがちなファッションショーが始まるんだけど。これががっかり。前フリまでしているのに、柴咲のバニーガールが耳と上着だけ。がっかり感がひどい。なんでこう中途半端に描くのか意味不明。ちゃんとしたバニーガールの衣装着せてあげたら。そのくらいの予算もないのか?それとも柴咲や事務所が拒否?邦画はみみっちくて見ているこちらが嫌になる。
 打って変わってダンスホールのシーンになると画面がイキイキし始める。「また逢う日まで」にあわせてダンスを始めるオダギリジョーと柴咲とその他大勢の客。柴咲はスチュワーデス風のミニタイトスカートで踊っていて、楽しそう。見ているこちらも引き込まれる感じ。ここは非常にいい。
 オダギリと柴咲のベッドシーン。非常にゆーっくりキス。オダギリが胸の中に手を滑りこませると、柴咲、靴をベッド脇へ落とす。おずおずと進む感じが実にいい。そして「触りたいところないんでしょう?」と言い放つ柴咲。オダギリがホモだから目合えないことを端的に指摘する。うーん、切ない。ホモとのんけのラブシーンとして、ここ結構名シーン。
 全体的に見ると登場人物が多くて整理できていない感じ。ホモの老人ホーム内の人物も欲張りすぎて未消化気味だし、柴咲の働く細川塗装の女達も絡んでこない。老人ホーム内の人物描写に集中したほうが良かった気がする。後、過去にひどい仕打ちを田中から受けたらしいけど、映像がないので感情移入にまでは至らない。このままだと柴咲は嫌な女なだけにしか見えない。
プロフィール

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グブリー川平(かびら)
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