2016年07月後半観たおすすめ邦画

2016年07月後半観たおすすめ邦画
 2016年07月後半観た邦画は32本。

【次点】

アニメ映画『亜人 -衝動-』監督瀬下寛之、2015年公開、2016/7/18掲載
 不死とは何か?なんていう結構でかいテーマを扱っていそう。スプラッターシーン多め。三部作らしく、面白くなりそうという期待を込めて。

『死んだ目をした少年』監督加納隼、2015年公開、2016/7/25掲載
 教室内でいじめのようなものを受けている男子高校生。落書きをしていると、キャラクターが飛び出して周りの生徒を出血をともないながらぶちのめしていく。結局妄想なんだけど、こういう精神の奥底におりのように貯まる凶暴性を描いている点が良い。邦画のひとつの方向性だと思う。

『LAST SCENE(ラストシーン)』監督中田秀夫、2002年公開、2016/7/28掲載
 ダリに似ているジョニー吉長の老人役が味わい深い。絶対見るべきは、麻生久美子。初々しくて凛々しいバストショットはこれまで見た麻生出演作の中でも最高。ある瞬間を切り取る映画の機能を果たしている。

【次点の次点】

『からみ合い』監督小林正樹、1962年公開、2016/7/17掲載
 遺産相続に巻き込まれていく岸惠子。しかし、巻き込まれたはずが、相続争いに勝利してしまう。ヒール役の岸が新鮮。野性味あふれる芳村真理にもびっくり。

『復讐したい』監督室賀厚、2016年公開、2016/7/23掲載
 ありがちな無人島でのサバイバルもの。ツッコミどころも多め。だけど、最後まで一応見れる。敵討ちが無限スパイラスする落ちも面白い。顔の腫れた鈴木紗理奈に似ている高橋メアリージュンが印象的。

『制服サバイガールⅠ』監督金子大志、2008年公開、2016/7/26掲載
 いろいろ稚拙だし、低予算だしとまあ映画的にはかなり貧弱だけど、設定は面白い。制服女子の生き残りをかけたアクションシーンはそこそこ盛り上がる。

【駄作】

『信長協奏曲』監督松山博昭、2016年公開、2016/7/24掲載
 なんちゃって時代劇。タイムスリップの設定が全く生きてこない。などなど、ちゃんとした駄作。

『制服サバイガールⅡ』監督金子大志、2008年公開、2016/7/27掲載
 Ⅰの良さがすべてなくなって、稚拙で低予算な部分だけが残っている。続編の意味がまるでなし。

呪いですけど何か?映画『王様ゲーム』

 鶴田法男監督映画『王様ゲーム』(2011年公開)を観た。設定が飲み込みづらくすぐ飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 クラス全員にメールが届きゲームが始まる。命令が書いてあり、従わないと消される(死ぬとかじゃなくて、映画内で消える)。ゲームを棄権しても消される。で、まあ、理不尽な要求の命令がどんどん言い渡されるんだけど、この設定が非常に飲み込みづらい。
 まずさあ、消えるって何?クラス内の誰かが消えると、クラスのみんなは大騒ぎ。だけど女の先生はそんな生徒は知らないとふんだんの生活。家庭でもその人物はいなかったことに。町中でも消えた後は普通の生活に戻る。
 あのー、じゃあさあ、クラスのみんなも記憶が消えれば良いはずだよねえ。それに学校なのになんで他のクラスは出てこないのかな?
 後、昔の写真とかが出てきて、意図的に残しているみたいな説明があるけど、人物の周りの関係者の記憶が全部消されるのに、事件だけが残るわけ。
 とまあ、物語のキモのロジックがものすごくお手軽で、見ていてすぐに飽きる。
 人が死ぬシーンが多いけど、直接表現は一切無し。ビルから、すでに落ちている。とか、すでに刺されているとか、血が流れているとか。
 熊井友理奈が服を脱がされる設定があるけど、結局、脱がない。まあ、やる気がないのは最初からわかっているけど、だったらそんな設定作るな。
 数人しか残っていないガランとした教室で授業。女の先生がバカに見える。そのくらいは気がつけよ。
 廃校なのに玄関ドアが普通に開く。ガラスを割るとか、何かアクションシーンは撮らないんですかねえ。手抜き。
 出ましたハサミ。邦画ではハサミでよく人が死ぬねえ。ちなみにハサミが凶器になる邦画は『こわい童謡 表の章』(2015/6/4掲載)、『こわい童謡 裏の章』(2015/6/5掲載)、『g@me.』(2015/6/5)、『悪魔ちゃん The 夢ovie』(2015/10/24)、『闇の狩人』(2015/10/31)、『キラー・ヴァージンロード』(2015/12/1)、『白夜行』(2016/7/9)がある。
 映画を最後まで見ても人が消えたり、机が消えたり、人々の記憶を操作しているのが誰なのかはわからず。呪いらしい。メールを出している主体もわからず。呪いらしい。熊井が呪われているから、らしい。呪いの力ってすごいねえ。なんかSFみたいなことまで出来るようになったんだあ。進歩したなあ呪い。

宮下順子の透け乳首、映画『怪異談 生きてゐる小平次』

 中川信夫脚本・監督映画『怪異談 生きてゐる小平次』(1982年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 宮下順子、水浴び。残念ながらおっぱいポロリなし。宮下、お手玉、うまい。
 幼なじみの三人。藤間文彦、石橋正次、宮下。石橋と宮下が夫婦?同棲?。共に暮らしている。恋愛映画の黄金比率、事件前の旧ドリカム状態。そこで藤間が宮下に告ってから、ごたごたしだす。そのごたごたが殺人事件にまで発展するんだけど、というお話。
 藤間は緞帳芝居?の役者。歌舞伎をやったりしている。石橋が地方。三人のセリフは歌うような歌舞伎のセリフ回しのような掛け合いが頻繁にある。
 後、低予算映画にありがちなイメージ映像多め。意味不明で若干飽きる。
 宮下が滝にうたれるシーン。透け乳首あり。サービス映像はここだけ。
 石橋、藤間を池に沈める。家に帰り着くと藤間が現れる。で、また、争いになるんだけど、藤間、またやられる。『怪談 蛇女』(2016/7/29掲載)でもそうだったけど、妖怪とか幽霊が弱い。弱すぎ。全然、人間に反撃しない。だから全然怖くない。
 紙を切り抜いた人形が出てくる。『千と千尋の神隠し』や『コープスパーティー』(2016/2/29掲載)に出てきたやつ。
 白衣にミイラのような出で立ちの藤間が賽の河原にあらわれて、石橋とまた取っ組み合いの喧嘩。まあ、結局、藤間は生きていたわけで、女の取り合いなだけ。
 火打ち石、日本城、お遍路。

戦争についてもうろくしたかな、映画『一枚のハガキ』

 新藤兼人脚本・監督映画『一枚のハガキ』(2011年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 戦争によって家族がどんどん減っていき妻の大竹しのぶだけが残される。そこへ戦死した夫へ書いたはがきを持参する豊川悦司。
 このシーンから映画を始めた方が良かったような。回想によって戦争を語るほうが、豊川が謎な男に見えて興味が増すような気がする。
 目合シーンは多め。けど、相手が大竹だけにヌードゼロ。見せられても困るな。
 板ガラスを切って窓ガラスの修理シーンあり。『夏の庭 The Friends』(2016/5/27掲載)にも出てきた。
 茅葺屋根の日本家屋。囲炉裏のある部屋でのシーンが長い。大竹が後退りしながら泣き、柱につかまっては泣き。悲しみの表現として、そんなことするかなあ。舞台劇を見ているよう。オーバーアクション気味。
 夜中、外で豊川「戦争はまだ終わっちゃおらんでー」と叫ぶ。これまたオーバーな感じ。
 大杉漣が龍の神楽を舞う。邦画『かぐらめ』(2016/4/19掲載)でも神楽を舞っていた。俳優やっているといろんな役がかぶるもんだ。
 戦争責任についての議論になりそうだけど、くじのせいで死んだという話に落ち着く。旧日本軍がとか、天皇の戦争責任などという話は一切出てこない。邦画の太平洋戦争の描き方って、だいぶ落ちたなあ。
 天秤棒で水汲みする大竹。どこかで見たなあと思ったら『裸の島』(2014/6/2)で出てきたんだった。そういえば監督同じだ。名作『裸の島』の切れまくった映像に比べると、冴えは影も形もない。
 アクションはほのぼの。焼け跡でゴロゴロする大竹。なんか全体的に無理のある演出が多くて白ける。

妖怪弱すぎ、映画『跋扈妖怪伝 牙吉 第一部』

 原口智生監督映画『跋扈妖怪伝 牙吉 第一部』(2004年公開)を観た。色んな所が程々、見てもいいし見なくてもいい。
 妖怪と人間が暮らしているらしいんだけど、人間側が討伐隊を組織して妖怪を一掃してようとするというのが、ざっくりした内容。
 時代は江戸時代かなあ?お侍風の出で立ちがいるかと思えば、長髪でレザーの黒いロングコート風の侍もいる。牙吉(きばきち)こと原田龍二が村の飯屋に入るシーン。出入り口が縄のれんではなく、ウエスタンドア。回想の中にはインディアン風の集落も。いわゆるなんちゃって時代劇。邦画にありがちな、舞台設定や美術で手を抜く技術。
 で、見始めると案の定、いろいろ気になる点が。
 まず、妖怪のクオリティがあまり高くない。驚く前に作り物感が半端無いので微笑ましいレベル。
 妖怪が全く強くない。というより弱い。なんの力を人間側が利用していたのかがさっぱりわからない。妖怪は皆殺しに合うわけだけど、どちらの側も理由が判然としてないので、感情移入できず。
 安藤希が祈っているところへ原田が来て「何を祈っていたんだ?」と問いかける。うーん、セリフと行動が変。「何を祈っているんだ?」じゃないと場面の辻褄が合わない。「何を祈っていたんだ?」なら安藤は立ち去る動作や演技をしていないと。こういう思考の流れを止めるショットがいくつかある。まあ、簡単に書くと、脚本やつなぎが雑。
 天井からぶら下がっている照明器具が吊り下げ式のシーリングライト。何時代なんだろう?適当すぎ。
 妖怪の親分事、清水健太郎が全然活躍しない。偉そうにしているけど、全く役に立たない。同じく、安藤がちょいちょい出てくるけど、物語に全く絡んでこない。続編で活躍するのかな?
 武器、仰々しいけど適当。ショットガン風の銃を撃つと、弾が当たるシーンは拳銃の弾風。この辺、非常に雑。
 屋敷内部でのアクションシーン。間に、会話によるドラマがちょくちょく挟まれてもっさりして長い。結構飽きる。
 原田が狼男に変身、さあ面白くなるのかと思うと、なんと、全然関係ない怪物が出現。なんの前フリもないので面食らう。その上、対決が仮面ライダー風。邦画で怪物が出てくると、きぐるみ対決、こんな感じになるねえ。残念ながら邦画の限界、子供だましな感じ。
 ローソク消し、ブーメラン。

BCLラジオは出ません、映画『引き出しの中のラブレター』

 三城真一監督映画『引き出しの中のラブレター』(2009年公開)を観た。これぞ見てもいいし見なくてもいい。
 ラジオパーソナリティの常盤貴子。北海道の高校生?の林遣都がお便りを出す。おじいちゃんこと仲代達矢を笑わせる方法を募集。で、林たちが実行するんだけど、これがどうしょうもなくつまらない。
 林から中止の手紙が届いて、で、急に方針転換。今度は普段言えないことを募集。で、常磐が三顧の礼で仲代に手紙を書くようにお願いするも、仲代拒否。放送日が近づき、放送が始まるけど、手紙こず。さあどうなる。というのが大体のお話。
 こういう話に乗れない人には手紙がこなくてもいいじゃねえ?だって放送台本、手紙がこなかった場合も準備してあるし。人が死ぬわけでもなし。と思ってしまう。
 常磐が勤める放送局はJ-WAVE。MORI TOWERの玄関やビルの外観。外の眺め。放送ブース、副調整室などが出てくる。
 妊婦役の中島知子。顎のあたりにちゃんと肉がついていて、妊婦っぽい。陣痛が起こり病院へ行く時のタクシーの運転手が岩尾望。中島をおろすときに「こんにちは赤ちゃん」を歌い続ける。なんか、変質者か精神異常にしか見えない。岩尾に何がさせたいのか意味不明。
 常磐宛の父親六平直政からの手紙、常磐、読まずに引き出しの中へ。取り出すけど読まない。を繰り返してやっと開封。読み始めると六平のナレーション、短。こんなに引っ張った割に手紙の内容短すぎ。
 放送が終わるとビルの外に人が集まっている。なんで?福山雅治がゲストなのか?集まる理由がわからん。
 痩せっぽちの医者が家を飛び出して女のもとへ行くというエピソードがある。実はこの人、中島の腹の子供の父親。で、家出して行方の知らない中島を探すために訪れるのが、本上まなみの経営?する下着店。うーん、これが前フリ一切無し。本庄と中島が出会っている場面とか一ミリもない。唐突過ぎて画面の前で口ポカーン。本上を経由する意味が全くわからない。
 放送局が舞台なのでBCLラジオの登場を期待したけど、一切出てこない。出てくるラジオはポケットラジオのみ。それもアップで撮らないので機種名わからず。映画製作者がラジオになんの興味もないことが見え見え。
 その代わり、これみよがしにマックのノートPCばかり映り込む。金払えば撮ってもらえるのかな。
 ちなみにラジオ局が舞台となる(出てくる)邦画は『波の数だけ抱きしめて』(2014/5/17)、『ラヂオの時間』(2015/3/1)、『絶対恐怖Boothブース』(2015/3/31)、『7月7日、晴れ』(2015/5/4)、『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』(2016/1/19)、『メイン・テーマ』(2016/2/10)。
 久保田製作所、喫茶店West Coast(所在地は北斗市館野?)、保証人、ローソク消し、トラピスト修道院、北海道函館、東京タワー、三研マイクロホン。

お化け優しすぎ、映画『怪談 蛇女』

 中川信夫監督映画『怪談 蛇女』(1968年公開)を観た。幽霊が優しい。見てもいいし見なくてもいい。
 村長役として伴淳三郎が出てくる。歌を披露するんだけど、うまいんだか下手なんだかよくわからない癖のある演芸。他の役者とも演技が異質でかなり変。
 明治のはじめ?大沼部落の大沼家は大地主。西村晃は借金を返せず土地を取り上げれることに。病気と心労が重なり西村死ぬ。残された妻(月丘千秋)と娘(桑原幸子)は大沼家で働くことに。そこで当然、悪い主人(河津清三郎)とその妻(根岸明美)にいびられこき使われ折檻され月丘は死ぬ。桑原は河津の息子(山城新伍)に強姦され、それを苦に自殺。
 とまあ、昔の映画は絵に描いたように身分制度、土地制度による貧富の差が厳然とあって、乗り越えるべきハードルが明確。だからお化け映画も恋愛映画も面白くなる。
 で、当然、死んだ三人がお化けになって反撃、となるはずなんだけど、お化け優しい。
 お化けになって出てくる西村「旦那、土かじっても借金をお返しします」と、お化けになってもまだ借金を返す気でいる。真面目か。
 月丘は娘の桑原にお化けになったら楽になれるみたいな誘いをかける。おいおい、自分の娘が早く死ぬように促すな。
 お化けになった桑原。堪忍してくださいと山城に謝りつづける。うーん、家族三人、小作人根性丸出し。
 とまあ、お化けになったかいがない展開。だから、大地主一家がお化けに取り憑かれて死んでいくんだけど、恨まれて死んでしまう怖さが殆ど無い。これは流石にお化け映画としては失格。
 でまあ、月丘が生き物に優しかったので、蛇が変化(へんげ)して山城の妻に乗り移るんだけど、これがそれほど怖くない。特殊メイクとかの技術も今の目から見ると稚拙だし、直接的なスプラッターもないし。やっぱりお化けの皆さんやさしい。
 崖から落ちるシーンは人形。桑原の恋人(村井國夫)が海岸に打ち上げられる。すると海岸を走る桑原。スロー映像、その後、白無垢姿で走るスロー映像。ここなかなか美しい。
 山城の妻の嫁入りシーン。海岸に行列。婚礼の宴会風景。日本家屋の外観。など、昔の映画はこういうシーンが本当に完成された様式で美しい。
 「ものみのご祝儀」という言葉が出てくる。その日は一日休みで、大地主の妻が使用人の女達に一人づつ給金?を渡していく。屋敷の庭では三味線にあわせて踊る女がいたりして、ハレの日の一つだったのだろうか?調べてもはっきりしたことはわからなかった。
 ランプを清掃、磨く仕事が出てくる。今は絶滅したねえ。絶滅したといえば処女を奪われることを「きずもの」ということ。日本は隠れ男尊女卑社会だからまだ残っているかな。

小中学生向けかな、映画『西遊記』

 澤田鎌作監督映画『西遊記』(2007年公開)を観た。大人が見てどうこう言うべき作品でもない。見てもいいし見なくてもいい。
 ギャグのために設定している場面だと思うけど、思いっきりわかりづらい。映画冒頭の荷物だけを載せた馬。あれはなんなんだろう?だからどうしたとしか言えないショット。笑いにもなってないし。
 川?もしくは湖。小舟を浮かべていると水中に巨大な影。で、水面を叩く尾びれが出てくるんだけど。作りが機械生物のよう。意味不明。妖怪が住む山といっているのに人造的な装置を出されても混乱するだけ。実は小林稔侍の住んでいる山だということになるけど、だからどうした。機械文明、映画になんの関係もない。雑炊を持ってくる機械も無駄。
 雪が降っているのに寒そうじゃない。まあ、そんなこと気にしていたら最後まで見続けることのできない作品。
 香取慎吾と岸谷五朗の空中戦、割と面白い。地上に降りると仮面ライダー風。宮殿の中でのアクションでは長いショットを見せたり、細かく刻んだりと割とちゃんとしている。
 ヒール役の大ボス鹿賀丈史、あっさり死ぬ。拍子抜け。
 龍を捉えるために名前を呼ばなければならない。どうする?となった時の解決策が、意味不明。どうして香取と多部未華子は名前を思いついたんだあ?前フリあったけ。なぞ。
 エンドロールに中国組のクレジット。中国ロケも行われているんだあ。

麻生久美子が凛々しく美しい、映画『LAST SCENE』

 中田秀夫監督映画『LAST SCENE(ラストシーン)』(2002年公開)を観た。映画の裏方の動きが多めに映る。映画好きにおすすめ。
 雨の中の車、運転席に西島秀俊。場面転換して散らかった部屋の中で何かを探している麻生祐未。雷、鳴り続ける黒電話。とまあ、サスペンスというかホラーというか。場面転換すると西島一人だけの部屋。胎児がガラス窓の外にぶら下がったりし始めると完全にホラー。
 で、場面転換するとスタジオ内。撮影現場で、映画の撮影だったということがわかる。ホラー調で撮影現場に柳ユーレイがいるとなると『女優霊』(2014/8/31掲載)と全く同じ設定。中田印が見え隠れする。
 俳優三原健の物語。時代は二つ設定されていて、1965を西島秀俊が、2000年をジョニー吉長が担当。
 うまいなと感じたのは1965年の描き方。撮影現場の機材、試写室のえんじ色のシートなど、雰囲気は出ている。テレビに押され斜陽になる業界。同じく西島は妻の若村麻由美の死をきっかけに酒に溺れ引退する。
 2000年になるとジョニーが味わい深い。ダリ風の風貌で絵になる老人という感じ。
 映画的な笑い、業界をおちょくった笑いもちょこちょこ挟まれる。ナース役のタレント(宮崎景子)が「写真集でハワイにいって焼けちゃって」と黒くなっている姿を見て関係者が絶句するシーン。医療アドバイザーの生瀬勝久のいんちきな感じ。テレビ業界から入ってきた監督の適当な感じ。と、現場あるあると思われるショットが頻繁に挟まれる。
 セリフも良い。「映画の時代は終わった」「お客さんが決めればいい」「映画作っているのはうちらテレビ局」など。
 「ドクター鮫島 THE MOVIE」を撮影しているというていのスタジオ内部(7st.)を細かく見せる。抗癌剤は何色なのか?手作りの砂時計。物語の時刻設定と小道具の時計。テープチェンジでパナビジョンのカメラ内部を見せたり。撮り直しのテイクを記録する用紙、ストップウォッチ。休憩時の弁当の配り方。などなど。映画好きなら非常に面白いショットが目白押し。
 けど、更に見て欲しいのが、麻生久美子。小道具係という設定なのでズボンにTシャツ姿で着たきりすずめなんだけど、化粧化のない表情が凛々しくて美しい。65分頃の公園でのバストショットはこれまで見た麻生出演作の中でも最高のショットだと思う。
 エンドロールにHDCAM/24Pの記載あり。協力は日活撮影所、東映東京撮影所。

Ⅰの良さがどこにもない、映画『制服サバイガールⅡ』

 金子大志監督映画『制服サバイガールⅡ』(2008年公開)を観た。Ⅰの良さがなにもない。駄作。
 映画冒頭、病院のベッドに寝ている女。震えている、喋れないという設定。急に部屋のドアが開いて女をなじる。あのさあ、看護婦がそんなことする?。普通、前フリがあるとか、説得するとかあるよねえ。この場面だけで、ものすごーく雑な作りだとわかる。
 男子高校生の白石隼也が仲村みうと連絡が取れない。「帰りたくて俺を探している」。うーん、なんでそんなことがわかるのかなあ?セリフが謎すぎて、頭がピーマン。
 病院を制服姿で逃亡する仲村。玄関にハンヴィーが置いてあり、仲村、荷台に隠れる。関係者が玄関から出てきて車で出て行くと青い車。ハンヴィーの影に隠れていた車で出て行く。で、仲村、置いてけぼり。あのー、これは映画的ギャグということで理解してよろしいのでしょうか?ものすごーく、つまらん。
 その後、ヒッチハイクで車が捕まらず、色んなポーズをする仲村。最終的に胸をはだける(下着がちらっと見えるだけ)。そんなことで車を止めると危険なのでは?それにパンチラとかいろいろやりようはあると思うけど。見せ方、下手くそ。ただし、仲村が手をあげると夏物の制服がずり上がり脇腹が見えるのはグッド。こういう自然なのが良いんですよ。
 白石が仲村を探していると、『制服サバイガールⅠ』(2016/7/26掲載)で7人の女子高生がいた場所にたどり着く。ベンチにスケッチブックが散乱。あのー、なんでそんなところに荷物残しているの?だって普通にそこから帰ったよねえ。襲われたりしなかったよねえ。Ⅰとの整合性、まるでなし。
 なんと驚くべきことに、仲村、全員が花に襲われていることを知らない設定。バカすぎる。バスタブ状の容器にずーっと隠れていたとはいえ、脱出したら、状況ぐらい確認するよねえ。なんかもうひどすぎてひどすぎて飽き飽きする。
 Ⅰに続いて逆三角錐の形をした建物八王子セミナーハウスがちらっと映るけど、全然映画と関係がない。
 仲村と白石、植物に感染した三人に追われて建物に避難。ここから、まあ、ダレること。携帯電話が圏外だと「機械が多いからアンテナが建てられない」と説明。なにそれ?なんの説明にもなっていない。傷の手当まではわかるけど、その後、目合(まぐわい)、だべり、水飲んだり、アナフィラキシーショックの話ししたり、とまあ、だらけて部屋の中でウロウロするだけ。植物に感染しているんじゃないかと気づくと、仲村自殺しようとする。仲村は自分の感染を隠しているし。なんかもうただただだらだらしているだけ。
 Ⅰは撮影も演出も演技も稚拙でダメだったけど、設定の面白さはあった。Ⅱは、設定の面白さをすべてなくしてダメな部分を残しただけの作品。なんのためにⅡまで作ったのか、理解不能。
 植物に感染すると急に水を飲みたくなる設定になっている。Ⅰになかったよねえ。特にこの設定が生きることもない。本当に適当。場当たり脚本。
 トイレのドアの音、非常に紛らわしい。ドアが勝手に閉まるんだけど、コンコンと音がする。この音がノックに似ていて、誰か来たのか?と映画を見る上で非常に邪魔。映画、見ていたらこんなことすぐわかるよねえ。ちゃんと作ろう。邦画関係者の皆さん。
 やっと外に出て植物ゾンビたちと対戦する仲村。武器がひどい。手裏剣をスカーフで巻いて振り回すだけ。Ⅰより確実に面白さが後退。さらに、その武器で相手の首が落ちる。アクション、雑過ぎ。
 トンネルの中で仲村と忍者。スカーフ手裏剣と分銅鎖対決。二人共、ずーっとぐるぐるまわしながら立っているだけ。急に蹴り攻撃。鎖でぐるぐる巻の忍者。とまあ、アクション、ひどすぎ。学芸会レベル。これでエンドロールにアクション指導、新井兼二とある。
 除草剤入噴霧器使ったら白石本人にも影響あると思うけど。あと、なんで除草剤が効くとわかったの?花が感染元だと気が付かなかったバカップルなのに。

パセドウ病顔の森川葵、映画『通学途中』

 川野浩司監督映画『通学途中』(2015年公開)を観た。脚本や展開が下手すぎてすぐ飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 コンビニ内での会話。「スパゲッテイ饅仲間」らしい。そんなこというかなあ。なんかセンスないなあ、セリフ。
 森川葵に千葉雄大が「お前の気持ち」と初対面なのにお前呼ばわり。なんか本当に雑。と思っていたら『通学電車』(2016/6/9掲載)にも出ていた同じキャラ。その後、危篤になったり(理由わからず、病気なのか事故なのかすら説明されない)と雑な扱いな上、物語に一切からまず。出てもでなくてもいい人物。本当に脚本が適当。
 森川、パセドウ病顔の挙動不審にしか見えない。筆が落ちていたから勝手に他人の家にあがり込むか、普通。もう本当に飽き飽きする。
 中川大志の家。室内、ずーっと暗く、あちこちに照明器具が散りばめられている。工事現場で使う照明器具で油絵を描いている。
 あのさあ、絵を描くためのモデルとかオブジェに照明を当てるというのはわかるけどさあ、ただ絵を描くためだけに部屋を暗くしてスポット照明当てるかあ?知人に美術関係の仕事している人がいて聞き取り調査してけど「おかしい」とのこと。まあ、一般人が見てもこのシーンの設定はおかしいよねえ。ただただ暗い部屋で照明を炊きたいだけ、その映像を撮りたいだけなのがまるわかり。それがすけて見えて正直邪魔。
 でなぜそんな撮り方をするかといえば、たぶんSONYのPXW-Z100業務用カムコーダーを使っているからじゃないかと邪推する。『通学電車』もそうだったけど、逆光シーン多いもんねえ。意図的に画面の中に光源入れるとか。逆光といえば『下妻物語』(2016/7/13掲載)を思い出す。腕があるように見せたい人はやりがちなのかも。
 「宇宙を描いてみたい」と言う割に出てくる絵がしょぼい。映画の中の芸術問題、というよりも若さゆえということにしておきますか。
 病院のシーンが実にデタラメ。千葉が病気?事故?であることも知らないのに、森川が病院内の廊下で友人たちに向かって「まかせて」。うーん、もう意味不明すぎて頭が痛い。森川の父親の病院らしいけど、そのお膳立てを森川がしたということ?それ一切描かれてないよねえ。で、何を任せるの?病院の娘なら危篤の患者を助けられる?なんかもう話がバカすぎる。
 暗い密室で二人っきり。何度もあっているのに中川からキスされると家から逃げるように出て行く森川。もう、バカなのかな?中川しか住んでいないことがわかっていて、何度も何度も訪れるということは、強姦されたって文句言えないよねえ。それでキスされたら逃げ出すの?小学生なのか?
 でました、またコンビニ店内。森川が入ってくると藤森泉が遅れて「偶然」入ってくる。このパターンが四回?繰り返される。場面設定とか、演出とか、思いつかないのかなあ。適当に映画作っているのがまるわかり。
 登場人物の名前がゆき、ゆか、ゆうな。あのさあ、名前、わかりづらいよねえ。そのくらい、見る人のことを配慮しないのかなあ。映画関係者以前に、サービス業として失格だよねえ。
 基本、建物の外観をあまりとならない(色んな物が写り込んで大変だから)。屋上が出てくる。だから学校の屋上は出入り自由じゃないんだって。森川、中川の家に勝手に出入りしているけど、鍵は?
 初めて出てきた明るい中川のアトリエ。イーゼルに立てかけてある絵が、女の顔(森川の顔のつもりらしい)。これが、油絵なんだけど漫画チック。絵画的な手法とか一切ない、正面からの大きな顔。正直、笑った。恋愛映画の見せ場がこの顔なの?ひどすぎる。
 中川、右手で手紙描いている。複雑骨折とかリハビリとかの話はどうなったんだあ?バカなのかな?忘れたのかな?それとも不死身?
 約束もしていない、電車で移動しなければいけない街なのに、中川、すぐ見つかる。二人共携帯電話持っているよねえ。
 中川と千葉が白衣。無意味、デタラメ、ひどすぎる。

乳を締め付ける肩パットがいい、映画『制服サバイガールⅠ』

 金子大志監督映画『制服サバイガールⅠ』(2008年公開)を観た。低予算で稚拙なんだけど、設定が面白い残念作。
 白衣の男二人。何かを撒いている。反対の立て札。会話の内容から植物を巨大化させる実験のよう。巨大化の映像的表現としてクワズイモの葉が茂っている。けどねえ、沖縄人からすると普通の風景。あっちこっちに生えているし。
 女子高生?7人が山道を歩いている。スケッチの課題?なのか。説明はあまりない。不真面目グループ3人と真面目?グループ4人に分かれている。不真面目三人がおじさんのやっている施設へ行くと言い出し山の中へ。何故か四人もついてくる。なぜついていくのか、ここ意味不明。
 サバイバルランドの看板のあるトンネル。かなりしょぼい。施設内部は日光江戸村のような町並み(ロケ地はワープステーション江戸か?)。八王子セミナーハウスを思わせる逆三角すいの建物がちらっと映る。けど、映るだけでその後全く出てこない。何なんでしょう?
 施設に入り開発者によるテーマパーク内部での遊び方の説明。侍、忍者、ガンマンの三人が敵キャラ。七人の女子高生にピストル形状の武器が配られ、敵キャラに当たると防具のような肩パットに埋め込まれたライトがチカチカと点滅する。
 でまあ全員が施設を出てゲーム開始なんだけど、何故か女子高生七人まで肩パットをつけている。女子高生は撃たれることはないはずなのに。説明がないので意味不明。
 なんだけど、この肩パット、思わぬ副作用が。肩パットの紐がバストを締め付けるので、胸の形が顕になっている。いやはや、金子、でかした。映画内ロジックまで曲げてサービスに務めるとは。映画監督としてあっぱれじゃ!
 で、追いかけっこが始まると、屋根の上の忍者の動き、ひどい。
 花を見ると斬りつける侍。たぶん、化物植物による誘導なんだろうけど、説明映像が下手糞で、かなり意味不明に見える。ちゃんと撮れば面白い映画になるのに、惜しい。
 施設にある監視モニターがしょぼい。2008年公開なのに、いくらなんでも。
 消火用水桶のようなものに隠れる女子高生。どう考えても走って逃げたほうがいいし、十分逃げられる場所なんだけど。非常に理解に苦しむ行動。実は映画ラストにこの女子高生出てくる。ただそのためだけのショット。うーん、前フリ下手くそだなあ。
 アクションシーン、下手くそ過ぎて微笑ましいレベル。何がしたいのかわかりづらい。人の動きとして変。更にそのために緊張感が全く無い。例えば、外で女子高生の首が切られているのに、引き戸をゆっくり閉める。いやいや目の前に敵がいるんだよう。遠くだったら気づかれないようにとかあるけどさあ、目の前なんだよう目の前。
 不真面目グループのリーダーと思われる女子高生が対決のために外に出ると、真面目グループのリーダーと思われる飛鳥凛とゆりがついてこない。なんと主人公っぽい飛鳥が裏切るとは。意外なキャラ設定で良い。
 ともえに除草剤をかけるシーンを撮らない。初めて除草剤が化物に効くかどうかの大切なシーンなのに。うーん、見せ方下手なんだよねえ。
 ドリンク剤の空瓶が置いてあるのはご愛嬌。蓋も捨ててない。準備良すぎ。
 植物に寄生されてゾンビ化。生き残った三人の女子高生はドリル、ネールガン、チェーンソーで武装。ここからゾンビ映画化。
 で、意外なことにここから盛り上がる。瓶に入れた除草剤の使い方が非常にうまい。ネールガンの釘にふりかける(制服を囮にするシーンは下着姿を撮って欲しかった。残念)。日本刀を瓶の口に入れてすくい上げ、日本刀に染み込ませる。
 ラスト、飛鳥の腕の傷口に赤い花が咲いているのは、かなり意味深でエロい。
 とまあ、見せ方、編集、演出、演技など、稚拙な部分が多々あるけど、設定はかなり面白く、最後まで見れる。予算がついて、じっくり撮れたら、話題の映画になっていたのになあ。非常に残念。
 ちなみに江戸村のような場所で女子高生がチェーンソーを振る舞わす男と対決する邦画は『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』(2014/7/22掲載)がある。

時代設定、おかしくねえ?映画『愛の小さな歴史』

 中川龍太郎原作・脚本・監督映画『愛の小さな歴史』(2015年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 映画冒頭に出てくるショートカットの女(中村朝佳)。で、映画を見ていると急にお弁当クラブで弁当の配達をしている中村映里子が登場する。
 実はここで時制が変化していて、中村映里子は中村朝佳の母親であり、中村映里子の映像は少なくとも20年以上昔を描写していることになる。
 うーん、中村朝佳は大学生風の描写があるから二十歳前後。その中村朝佳が生まれる前のことを描いているんだから1990年代前半の出来事ということになる。
 中村映里子と沖渡崇史の出てくる場面を見ていて1990年代に見える?映画ラストの効果を狙って、時制をわかりづらくしているのかもしれないけど、1990年代前半の世界観を描くのが大変だから逃げているようにも見える。
 中村朝佳、川の中で急にダンス?クラッシクバレーのようなしぐさ。なんか映画って急に踊り出すよねえ。普通の人は日常で踊らないと思うけど。
 池松壮亮の前で中村映里子が急に胸を見せるシーンがある。けど、胸は見せない、撮らない。なんか中途半端。
 優男がピアノのコンサート。だけど手元は撮らない。なんか映像的な技術はあるみたいだけど、映像的にごまかしているだけで手抜きしているショットが多い。
 その優男が中村映里子にカメラを渡す。なんで?理由がわからない。前後がつながっていない。
 意味不明な感じで、中村映里子と沖渡の生活が交互に描かれていく。で、その切り替えの間隔が短くなり、橋の上ですれ違ったりして、ついに団地の広場で出会うんだけど、ものすごーくむりくり。そこまでやるほどの効果もない。中村映里子と沖渡が中村朝佳の両親だったとわかる場面は、劇的に撮ったつもりなのかもしれないけど、見ている観客はかなり白ける。そのくらい設定がわざとすぎる。わざわざという感じ。
 映像は印象的なショットも多めだし、腕はあると思う。ストーリーの展開にこるけど、時代設定の美術は手抜きというのは、方向性として間違ってないかなあ。神は細部に宿る、というし。
 後、映画冒頭の親友はなんだったの?
 セルゲイ・ラフマニノフ、交響曲第2番ホ短調第3楽章、「アルプスの少女ハイジ」オープニングテーマ曲「おしえて」、DV。

邦画が描くべき凶暴な願望、映画『死んだ目をした少年』

 加納隼監督映画『死んだ目をした少年』(2015年公開)を観た。オフビートな映像は独特。面白い。
 高校と思われる教室。女三人組、紗都希、西井雅、後藤和歌菜。男子はいじめる側の福田航也、尾形駿一、櫻井圭登。いじめられる側は清水尚弥、福井成明。
 紗都希は強気で清水の首を絞めうんざり顔を見たがっている。清水にいじめまがいのことをするが内心好きでもある。独立独歩な性格。
 西井はどこでもいい顔をする八方美人。ぶたと下に見ている後藤の話す内容をそのまま鵜呑みにして他人に話す。ただし、内容を誤って理解している。そのくらい軽い性格。
 後藤、デブで三人の中で疎外感を持っている。心の声が独白として語られる。
 福田、あらくれタイプ。福井を相手にいじめというかじゃれあいというか格闘技の真似事で遊んでいる。
 尾形、こちらもあらくれタイプ。福田の子分的位置か。登場人物の中では一番影が薄いかも。
 櫻井、細身で付き合いでいじめ側の二人とつるんでいる感じ。実際に弱く、福井に二度倒される。
 福井、デブで大柄。いじめのような可愛がりのような仕打ちを受け続ける。格闘技に興味がある。
 清水、おどおどしている。父親からDVを受けているような描写がある。ひょうんなことから福井と共にボクシングの指導を受けることになる。
 とまあ、こうやって書いているだけでも一人ひとりが思い出せる。個性が立っていてキャラ設定が実にうまい。
 公園で清水と福井が試しにパンチを互いに打ち合うことに。固定カメラで横から撮るだけなんだけど、サンバのリズムの曲が奇妙におかしい。そこへ駆けつけるのが高樹マリア。高橋、パンチを伝授することに。
 で、高橋の生活が描かれる。清水と福井から格闘技をやっていると思われているけど、実はダイエットのためのボクササイズビデオを見ていて、そのパンチを二人に教えているだけ。実は風俗嬢。部屋ではビールばかり飲み、店では愛想がなくて客からクレーム。
 トレーニング風景が実に楽しい。パンチを出すと高橋の胸がゆさゆさと揺れる。それに目が釘付けの二人。腕立て伏せでは高橋の胸の谷間があらわに、更に腹筋になると、いちご柄のパンツが丸見え。素晴らしい。久しぶりのパンツちゃんと見せる邦画に出会った。
 教室で、福井に紗都希が飛び蹴り。ちゃんとスカートがめくれてパンツが丸見えに。更にそのショットを止めて静止画に。素晴らしい。加納、お前はちゃんとわかっている。
 と書いていると普通の青春映画じゃん、と思うでしょう。ところが奇妙な映像的な遊びが時々挟まれる。清水、いじめられるとノートに描いていたイラストが実体化し教室内を暴れ回る。ここ結構スプラッターで腕がもげたりするし、紗都希を問答無用で暴行する。結局、清水の妄想であり願望でしたというオチなんだけど、これアニメ映画『亜人 -衝動-』(2016/7/18掲載)の黒い影と非常によく似ている。精神が崩壊しそうなときに現れ実体化する何か。そういう願望を皆が持っているということだよねえ。それも凶暴な願望を。
 後、『桐島、部活やめるってよ』(2014/2/18)の自主映画によるスプラッターシーンにも類似性を感じる。
 面白かった部分をあげると。
 高樹、性的サービスをしながら世界で年間何人の餓死者が出ているかを話す。高樹、店のマスターと思われる男から無意味に乳を揉まれる。サービスショットしか思えない揉まれ方。実に良い。そこから場面転換すると福井が学校で乳を揉まれているショットになる。うまい。
 ピアノを弾く紗都希。清水の写真。紗都希が下を向くと股間に清水の顔。ホラー映画かよ、と突っ込みたくなるちょっと怖い映像。いやはや加納、何考えているかわからん。なかなかすごい。
 犬田の首を絞めながらも、それでも好きだという紗都希の関係性は『月光の囁き』(2014/8/6掲載)に近いものがある。思春期のいじめたいのと好きがごっちゃになっている感じ。非常にうまい設定。
 紗都希、制服のスカートの下っ腹あがりが膨れている感じ。子宮の存在感がありグッド。『聖少女仮面マルガリータ』(2015/1/7)の中村通代の下っ腹も良かった。清水の意見を取り入れてツインテールのおさげにしているのも細かい描写で手抜きがない。
 53分頃、具志堅用高の試合がちらっと映る。
 後は、因縁の付けあいがおかしいとか、中指の傷を見ているとファックユーに見えるとか、後藤の表情が相手の顔の位置で表情が瞬時に変わるとか、本当に細かい演出が目白押し。よく考えられている。
 とまあ、非常におもしろく、最近の邦画の楽しそうな雰囲気な学園モノ、だけど中身が全く無し。というお約束をすべて踏みにじる、オフビートな感覚が素晴らしい。まだ有名になってない俳優を使っているのも好感が持てる。と、おすすめ作品ではあるのだけど。
 一箇所だけ、難点が。ラストの清水、福田対決。ここだけは映画の雰囲気を変えて欲しかった。横位置のカメラでショットの切り替えもなく撮っているんだけど、これが、いやいやそれはない、といいたくなるような茶番劇。
 せっかくなんだから、へなちょこパンチで倒すんじゃなくて、映画的な手法や映像で倒して欲しかった。ここだけが非常に残念。

AE86が主人公、映画『DRIFT SPECIAL Beauty Battle』

 神野太監督映画『DRIFT SPECIAL Beauty Battle』(2006年製作)を観た。トヨタレビンと女の子が見たいならどうぞ。
 劇場公開作品ではないので気楽に見れる。好きな人が見ればいいだけだし、損害も少ない。
 作りはかなり雑。音楽の入れ方はショットが変わっているのに垂れ流しのような部分がある。物語は単純だけどつなぎは雑。初めてAE86をスタートさせるときエンスト。次のショットではボンネットを開けて中を点検。うーん、もう一度セルを回してエンジンがかからないとか、の演技を挟むべきでは?そういう気になる場面転換やつなぎがいっぱい出てくる。
 長崎莉奈、岩根あゆこ、堀井美月の三人がほぼ出ずっぱり。演技としては、水着になってサービスショットもあるし、まあ、いいかなというレベル。
 タイヤサービスフダに風間トオルがいてAE86についての説明が始まる。ここ意外に勉強になった。その後、車整備を担当する堀井によるパーツの説明が入る。とまあ、女優たちより、AE86の説明のほうが長くて丁寧。
 公道を走っているという設定なのに対向車が一台も出てこない。仕込みとして出しておけば臨場感は格段に上がるのに。
 上記の女優三人、水着の後はミニスカート。サービスは徹底している。岩根あゆこ、声が森下千里によく似ている。
 長崎が車をぶつけたはずなのに車全然壊れてない。この辺、ものすごく雑。
 映画後半は峠での走り屋女同士の対決。ただ勝ったから何がどうなるわけでもなく、女三人が喜んでいるだけ。
 とまあ、映画として見るとかなりしょぼいのだけど、これまで見た劇場公開映画『湾岸ミッドナイト THE MOVIE』(2014/9/24掲載)、『SPEED MASTER(スピードマスター)』(2016/7/1)などよりもおもしろ部分がある。それは一応走行シーンが実写ということ。
 峠道の車幅一杯を使っての走行はなかなか見応えがある。もちろん、走行シーンでは吹き替えで運転しているんだけど、女優の車内映像は正面だけから撮るとか、車窓を撮らないとか、ギヤチェンジ、ペダル操作のみをアップで撮る、などの処理で切り抜けている。
 後、長崎が車に乗る理由がただ単純に車が好きだからだというのは良い。女の乗る車は付き合っている男に影響されるというのが常だけど、この映画には男の影が全く無い。これは潔くてグッド。

山田孝之の熱演がもったいない、映画『信長協奏曲』

 松山博昭監督映画『信長協奏曲』(2016年公開)を観た。手抜きのなんちゃって時代劇。すぐ飽きる。駄作。
 アクションシーンがものすごく下手くそ。合戦で刺してないのがまるわかり。例えば、急いで馬を駆けさせているシーン。路上に人が飛び出てくる。当然、馬は驚き、何事だあ?と大騒ぎになるよねえ。これがなんと、普通に馬止まる。まるでそこで止まることを予定していたかのよう。馬上の人も普通にしている。うーん、みんなバカなのかな?人の行動としてどう考えても変だよねえ。この映像を見て何も疑問を感じないのだろうか?邦画は落ちるところまで落ちているねえ。
 小栗旬、信長なのに「マジで?」「デートもしたよねえ」「〇〇くん」「〇〇さん」と現代の言葉遣い。あまりのバカ設定に口あんぐり。で、小栗の正体が説明されるんだけど、これがまた、辻褄が合わない。
 言葉遣いは現代語の口調なのに、合戦に参加すると、馬は乗りこなす、刀は使う、相手の薙刀は奪って使う。と合戦巧者。どういうこと?言葉遣いは治らないけど、騎馬や武術は会得したの?いつ?全く説明がないし、それほど上達する期間、戦国時代にいたなら当然言葉も地元に馴染むよねえ。キャラ造型が適当すぎて、飽き飽きする。
 日本家屋内での所作も雑。女性が立ったまま障子を閉めたりすることがあったのかあ?
 そんなこと言うなら、馬だってサラブレッドは当時いなかったわけで。ポニーくらいの国産馬に乗った甲冑の男たちがよちよち駆けなければいけない。それは流石に映像として見たくない。だけどさあ、少なくとも映画内ロジックの整合性はきちんとしようよ。
 タイムスリップしてきたと小栗はいっているけど、その説明が一切ない。更に馬鹿げているのが、タイムスリップものにつきもののカルチャーギャプによる面白さが一切描かれない。
 例えば、未来から持ち込んだガジェットをうまく使うとか、普通、描くよねえ。なんと、スマホを他の未来人と比べるだけ。後、指輪のプレゼント。それどこから持ってきたの?全く未来人設定が役に立たない。バカすぎる脚本。
 更に未来人の知識や知恵を活かす場面が一切ない。争いのない世界が、どうのこうの、太陽の周りを地球が回っているとかだけ。科学的知識で合戦を有利にするとか、信長の領地の民に農業や商売の新知識を授けるとか、そんなことは一切ない。タイムスリップものとして、完全に落第。こんなにひどい脚本は久しぶり。
 わざわざ本能寺で披露宴というのもバカすぎ。披露宴用なのかケーキ風のものが置かれている。未来の知識の使い方が幼稚すぎて呆れる。
 それにさあ、根本的な疑問なんだけど、なんで小栗旬が二役なわけ。偶然、似た顔の人物がタイムスリップしたわけ。理由は?何もないわけ?脚本バカすぎ。
 火の中の一人二役小栗同士の話が長すぎ。その後の、山田孝之との話も長すぎ。周りが焼けているのに余裕かましすぎ。VFXだからそんなちんたらした演出するんだよ。『魔界転生』(2014/2/15掲載)火災落城シーンの爪の垢でも煎じて飲んだほうがいいのではないか。
 現代にタイムスリップする小栗。場所が『BALLAD 名もなき恋のうた』(2016/4/17掲載)と同じ祠のある木下。タイムスリップの仕組みを説明しないのも同じ。駄作からパクって駄作を作る。もう邦画って何してるんだろう。笑える。
 ちなみに本能寺にタイムスリップする邦画はアニメ映画『時空の旅人 -Time Stranger-』(2016/6/24掲載)がある。

三池モバとして美味しい役?映画『荒ぶる魂たち』

 三池崇史監督映画『荒ぶる魂たち』(2002年公開)を観た。組同士の抗争事件までは面白い。後半はダレる。
 路上の車の走行シーンは、蛇行があったり、交差点でのタイヤを滑らせながらの旋回があったりする。
 飲み屋の中、三池モバ(こと三池崇史)が女をいたぶるシーンはそこそこ迫力あり。銃器関係の間をおかずに発砲する感じは、可もなく不可も無し。
 組同士の合従連衡に巻き込まれる竹中直人と加藤雅也。執行部という連中の画策している大きな組に吸収される計画に反旗を翻す二人。
 で、子供の頃の二人の回想。加藤の女だと思われる人物の短いショットなどが挟まれながら、執行部に楯突く過程はなかなか面白い。
 加藤、身体も締まってアウトローな感じが似合っている。組長射殺後に、ガラスドアに血糊が滴り流れるショットは印象的。怪我をした遠藤憲一をねこで運ぶのも面白い。十円ハゲのある兄貴など、映画としてなかなか面白くなりそうで見続けられる。
 走ります、返し、てっぺん、などヤクザ言葉や、乗っている車の外車な感じ、手打ち式などの儀式を映像として見せている。専属の彫師(石橋蓮司)がいる、など雰囲気はなかなか良い。
 けどねえ。後半、執行部のそのまた上にえらい人がいるようで、登場人物多すぎで、かなりダレる。さらに、白竜演じる殺し屋?の恨みを返す話になるのが、蛇足かなあ。加藤、白竜対決になって、話が小さくなっている感じ。後、結局、思わせぶりに何度も登場する加藤の彼女?が物語に絡まないのも期待はずれ。
 警察がほぼ出てこないのも不自然だし、撃たれると口から血を流すショットもワンパターン気味かな。

ぎゃあぎゃあうるさい水川あさみ、映画『渋谷怪談』

 堀江慶監督映画『渋谷怪談』(2004年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 湖のようなところで男女六人がキャンプ?焚き火を囲んで怪談。ビールを取ってくると水川あさみ。缶ビールがビニール袋の中に入っていてどうも湖の水につけておいたみたい。そんなことするかなあ?ワンボックスカーで来ていてテントも張ってあるのにクーラーボックスを準備しなかったわけ。そのビールは誰が準備したんだあ?行動の辻褄があってなくて飽きる。後、六人の会話がものすごーくつまらない。
 なんとキャンプに行く前に荷物を預けておいたコインロッカー。その場所が、高架下のような人通りがない奥まった場所。そんなところに誰がコインロッカー設置するんだあ?これまた飲み込みづらい設定。バカすぎる。
 水川の行動もよくわからん。鈴木繭菓が疾走するとずーっと探し続けるのに、森下千里が疾走する現場にいても助けようともしないで逃げる。その後、全然森下のことが話題に出てこない。森下、みんなから嫌われているのか?
 どういうわけだから知らなないけど、若い男性のシャツの袖が短い。当時、そういうファッション、はやりだったけ。
 とにかく、水川、ぎゃあぎゃあうるさい。こればっかり。
 「望まれずに生まれてくる子供なんていないの」と小さい子供のお化けを抱きしめる水川。ショットが変わると、予想外の展開なのか、目を丸くして棒立ちの子供お化けの顔のアップ。爆笑。お化けを改心させるとは、水川、えらい。
 中学生の家庭教師、出合い系、グラタン皿、あわせ鏡、コインロッカーベイビー、0009、明治大学病院。

復讐の無限地獄、映画『復讐したい』

 室賀厚監督映画『復讐したい』(2016年公開)を観た。雑な部分が多々あるも、最後まで見れる。
 映画冒頭のニュース映像というていの路上デモシーン。道のあちこちで火の手が上がり、数人がよたよた歩いている。非常に短いショットなんだけど素晴らしい。超高画質カメラが混乱した道をさまよっている感じ。この映像で実写版『AKIRA』が撮れないかなあと思ったほど。女性キャスターの顔がテカっているのもなんか実に生々しい。狙いで撮っているとすると、腕あるなあ。
 スーパーマーケットの爆発シーン。VFXがめちゃくちゃ荒い。まあ、低予算だから割り切っているんだろう。洋画『ダークナイト』の病院爆破シーンぐらいの迫力が出せたらなあ。返す返すも残念。邦画の限界を感じるのはこんな時。その後も、ヘリ、島、射撃とVFXがめちゃくちゃ荒い。
 俳優の顔の表面の凹凸がすごい。映画の内容に合わせてのメイクなのか?それにしても俳優の肌荒れはすごいねえ。
 邦画『バトル・ロワイアル』(2015/8/13掲載)と洋画の『バトルランナー』を混ぜて二で割った感じ。つまり、無人島での合法的殺し合いもの。この手の話はこすられすぎて、正直、新鮮味はゼロ。『復讐したい』でも復讐法があるとか、島が閉鎖空間であること、地雷原、発信機、武器、などなど。設定に目新しい物はない。
 水野勝が復讐を行うために、島の施設から地上に出るシーン。椅子のあるカプセル状の乗り物で移動する。本人以外すべてVFX。発進、停止でショックがあるはずなのに、そういう演技をほとんどしない。一応、映画全編にわたってこんな感じ。かなり大味な演出と演技。
 音楽がとにかくうるさい。ボーカルの入っている曲が邪魔でしょうがない。
 安全装置を外すことを忘れるくらいの人物なのに、格闘後は銃を取り上げてすぐに相手を射殺。安全装置は?うーん、この辺、雑だなあ。
 水野、なんか行動がドタドタしている。まあ、復讐初心者だからという演技なのかもしれないけど、それにしてもおおぶりな演技だねえ。
 水野、顔を角材で殴られたはずなのに傷がない。その代わり木片が刺さっていたという別な話が出てくる。そんなことより、顔は?前後のつなぎ、雑。
 核爆弾は小型化されているとは聞くけど、アタッシェケースの大きさの核爆弾が本当にあるのだろうか?それって闇で売買できるくらい出回っているのかなあ?国家レベルでないと製造できないような気がするけど。
 意外なことにストーリーや人間関係は複雑。動機は単純だけど、悪役が変わるし、それに呼応するように主人公の水野が成長していく、精悍な表情になるのはグッド。
 問答無用で射殺したり。逆に顔の腫れた鈴木紗理奈似の高橋メアリージュンをいたぶるように撃っていくショットなどは、なかなかいい。撃たれてもしょうがないよねと思わせる高橋の癖のある顔はすごい。
 復讐法で逃げる計画の説明もまあそこそこ面白いし、そのまま終わるかに見せかけて、もう一山ある復讐の無限地獄。ここは読めなかった。
 ちなみに核爆弾を作る邦画は『太陽を盗んだ男』(2014/4/18掲載)、燃料気化爆弾製造は『昭和歌謡大全集』(2016/2/2)がある。

バンドに迷惑な宮﨑あおい、映画『ソラニン』

 三木孝浩監督映画『ソラニン』(2010年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 じゃがいもを積み上げている宮﨑あおい。田舎から送ってきたのかな?そんなことするかなあ?と不自然で気になる。ちなみにソラニンはじゃがいもの芽などに含まれる毒のことらしい。
 高良健吾の寝顔に油性(と思われる)マッキーで落書き。翌日の朝?、になり外に出る高良。顔の落書きが消えている。油性はなかなか落ちないよ。
 高良、割り箸で自分のメガネを挟む動作。なんか悩んでいるしぐさらしい。そんなことするかなあ。とまあ、今ひとつ納得しづらい、演出や行動が続く。
 老人が薬局のマスコットキャラクターのカエルをポストと間違えて、郵便物を出すシーンはちょっと面白い。
 夜の海岸。五人で花火。邦画にありがち。警官がくる。逃げる五人。逃げる必要ある?走るシーンをスローで撮りたいだけなのがばればれ。なんか、行動が不自然で、マッチポンプ。
 ボートから落ちる宮﨑。つまんない話ししてないで、高良、早く引き上げろ。ああ、あ。高良も落ちた。そんなことある?
 恋愛映画の要素もあるようだけど、高良と宮﨑の目合(まぐわい)シーンなし。まあ、見たくもないけど。
 交通事故シーンなし。病院シーンなし。葬式シーンなし。手抜き改め映画的省略。
 高良の日記。一ページにでかい字で二行ぐらいしか書いてない。小学生なのかな。
 桐谷健太のドラムと近藤洋一のベースの演奏シーンは多め。驚いたのは近藤。サンボマスターだけに演奏も魅せるけど、演技も意外にいける。ちょっとびっくり。
 死んだ高良の意志を継いで、宮﨑がギターとボーカルを担当する。それってバンドにとって迷惑なだけなのでは?ギターボーカルは巷に溢れているでしょう。鯖川あらため鮎川律子役岩田さゆりでもいいわけだし。
 出ました、バンド映画につきまとう致命的な欠点の芸術問題。宮﨑のボーカルに観客が感動しているけど、映画を見ている観客には「普通〜」。

邦画の悪習、地方宣伝映画、『あしたになれば。』

 三原光尋脚本・監督映画『あしたになれば。』(2015年公開)を観た。無駄な設定と演出で飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 野球のユニフォーム姿(小関裕太)。泣きながらボールを投げる。見ている女子(黒島結菜)。ボールを投げ返す。小関が振り返ると、もういない。
 とまあ、映画冒頭で二人を印象づける登場をさせているのはいいんだけど、なんと、野球がその後、全然物語に関わってこない。
 街の全景、農村部、学校の雰囲気など、なかなかいい。登場する高校生も、そこそこそれらしく見える。けど、とにかくひょうきん演出と演技が邪魔。大げさな身振り手振り、何時の時代だよ、と思うほど古臭い。映像は自然なのに、ものすごく違和感がある。
 キャッチボールシーン。黒島、ボールの投げ方が、女投げではなく、ちゃんとオーバースローで投げている。
 急に、故郷グルメコンテストに参加することになる男子校から四人と女子校から二人の話になる。
 で、当然、各々の才能を活かしてコンテストを乗り切る料理青春モノなのかなあ、と思うでしょう。それが、全然。料理のシーン雑。ただただ、ひょうきんショットを撮るだけ。なんか、才能ないなあこの監督。
 農業大学に忍び込む六人。コンテストのライバルらしいけど(前フリなし)、忍び込んでどうする?ライバルは他にもたくさんいるよねえ。なんで農業大学が急にヒール役なの?このあたりから話が雑。
 コンテストで勝負するメニューの決め方雑。その名前の決め方雑。とまあ、本当にどんどんどうでもいい展開。
 商店街で絡まれた四人組に小関が捕まり、他の三人が助けにくる。けど、喧嘩のアクションシーンは撮らない。手抜き。このヤンキー風四人組、これまた物語に全然関係してこない。こんなんばっか。
 明らかにカルピスウォーターのCMとしか思えない場面がある。『流れ星が消えないうちに』(2016/7/15掲載)でもCM風のショットありましたなあ。こんな撮り方して恥ずかしくないのかなあ。
 コンテスト結果は無難に二位。コンテスト終了後、野球部員が来て、小関、野球部に戻ることに。うーん、小関は何か成し遂げた?なんで野球部に戻れるの?
 こういう物語って、失敗を乗り越えて、欠点を克服するとか、課題を克服するとか、ハードルを乗り越えて、元のコミニティーに迎え入れられるというのが基本だよねえ。
 小関は何を成し遂げた?どんなハードルを乗り越えた?ドーナツ作って売っただけだよねえ。それで野球で失った自信を取り戻せたの?なぜ野球部員は、そんな逃げまわっている小関を必要とするんだあ?
 とまあ、実に、物語の構成が幼稚で低レベル。成長物語に全くなっていない。エンドロールに藤井寺市、羽曳野市、太子町の文字が。地方宣伝映画は駄作になることが多いねえ。邦画の悪習の一つ。
 ちなみに遊びまわって野球部に疎遠になっているという設定の邦画は『桐島、部活やめるってよ』(2014/2/18掲載)がある。
 さらにちなみにぶどう園が出てくる邦画は『悪魔の手毬唄』(2015/11/21)、『ぶどうのなみだ』(2016/2/19)がある。
 道明寺粉、セイコースポーツタイマー、南河内。

邦画関係者はKFC好き?映画『東京闇虫』

 佐藤佐吉脚本・監督映画『東京闇虫』(2013年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 男の独白。暗闇。事務所のよう。ブラインド。机、豊原功補がいる。で、男の回想。自堕落な生活をしている、頬に食べ物を隠しているようなほっぺをしている桐山漣。電話、チャイムがなり、ドアを開けるとチェーンカッターが差し込まれて、男二人が乱入。借金の取り立て。外国人風の優しいしゃべり方の男がこわい。担がれたまま、二階から投げ落とされる。ここまではなかなか面白い。
 けど、豊原が285万円の借金を立て替えて、仕事を始める頃から若干雲行きが怪しくなる。
 顔に傷のある男まではまあまあ許せるけど、次のアイドルオタクの家での取り立てはつまらない。特に豊原によるべろべろばあ風、滑りギャグのようなものが本当にいらない。このあたりから飽きる。桐山の一人パントマイムのような独白もきつい。
 撮影も低予算の為か雑な部分がある。例えば、ヤクザ(やべきょうすけ)のマンションに監禁される場面。桐山、ペットボトルの水を飲むよう強要される。で、無理に飲もうとするのだけど飲めないという動作が何度も繰り返されるんだけど、ペットボトルの水、全然、減ってない。飲んでいる真似だけ。
 その後、水をかけただけで、ひるむやべ。小学生並み。この辺の描写、かなりトホホ。
 桐山、洋画『ダイハード』ばりに腰に消火ホースを巻きつけ爆発炎上のビルの屋上から飛び降りる。けど、地上に落ちるシーンは撮らない。大爆発なのに、地上は静かな夜の街。映像の落差がありすぎ。
 ラストはケンタッキーギャグ。邦画『東京島』(2016/7/12掲載)にも出ていた。映画関係者はKFCから金でももらっているのか?
 劇伴は中東風の旋律に正確に刻まれたリズムで、ちょっとかっこいい。
 ネットカフェ、山本一郎のポスター、しじみラーメン、関西弁、無明(むみょう)、白ブリーフ、自己破産。

一瞬老婆に見える佐藤江梨子、映画『その街のこども 劇場版』

 井上剛監督映画『その街のこども 劇場版』(2010年公開)を観た。挑戦的ではあるけど、映画としてはそこそこ。見てもいいし見なくてもいい。
 2010年1月16日夜、新神戸駅で出会った二人(森山未來、佐藤江梨子)が、翌日の朝まで街の中をさまよい歩く、というだけの話。
 ただし、当然だけど、翌日の1月17日というのは阪神・淡路大震災から15年目の日なわけで、二人は震災の日のことを語り始める。
 モデル体型への津田寛治の食いつきからの、森山が佐藤へ接触するというきっかけではあるけど、佐藤の配役って、どうなんだろう。この内容でモデル体型の佐藤がどうしても必要とは思えないけど。
 震災後に登場した便乗値上げ商法の話は面白い。整列してます、みんな助けあってます、という報道にゲップが出そうだったけど、被災者の市井の感想とか、街にいれなくなって東京へ飛び出した家族の例とか、興味深い。
 夜の商店街、繁華街の撮影はセミドキュメンタリー風。緊迫感があったりしていい。それに伴い、所々でサラウンド。街の中の環境ノイズ、多め。新幹線内部のアナウンス、駅のアナウンスも多め。
 なんか、この雰囲気、どこかで聴いたことあるなあと思っていた劇伴。あまちゃん風。エンドロールを見たら音楽、大友良英だった。
 夜中まで起きている友達(震災で死亡)の家。夜中に訪ねるかなあ。なんか無理な設定。
 逆ナン、建築士、地元説明会、耐震設計、モーターショー、コンパニオン、時報のアナウンス。

猫に一人芝居の風間俊介、映画『猫なんかよんでもこない。』

 山本透監督映画『猫なんかよんでもこない。』(2016年公開)を観た。ものすごーくつまらない。すぐ飽きる。見てもいいし見なくてもいい。
 風間俊介がボクサーらしい。一応、トレーニング風景、ボクシングジム内の風景、試合風景など、ある。けど、ボクサーに見えない。かなりのなんちゃって。
 網膜剥離の一歩手前の網膜裂孔らしい。で、ボクシングを続けられなくなるんだけど、葛藤が一切描かれない。ボクシングジムの見える歩道橋でコロッケを食べるだけ。これがボクシングへの未練の表現らしい。なんか軽いねえ。
 ボクシングができなくなり部屋でふて寝していると、漫画家で兄役のつるの剛士がお金を渡して遊んでこい。ショットが変わると、風間が、食堂で大飯を食らっているところ、バッティングセンター、パチンコ。で、部屋に戻る。
 で、またつるのがお金を渡す。当然、次の遊びは、、風俗だと思うよねえ。みんな、期待するよねえ。なんと、前に出た映像とほぼ変わらない場面が続く。食堂、バッティングセンター、パチンコ。で、帰ってくる風間。
 バカなのかな、この映画関係者は?ストイックにボクシングのトレーングを続けてきた設定だよねえ。食欲の後は、当然、性欲だよねえ。うーん、描き込みはこの程度。ものすごーく、内容が幼稚。
 さらに、演出や演技もひどい。
 ドアを開けっ放しでジョギングに出る風間。それで猫がついてくるといって腹を立てる。バカなのかな?ドアを閉めて出ればいいだけの話だよねえ。こういう事件を起こすためだけのつまらない不自然な行動、いわゆるマッチポンプが多々ある。
 更に、つるのが部屋を出て、猫と風間だけになると、猫相手に風間の一人芝居が延々とだらだら続く。それも全部、セリフで説明する。ので、本当に飽きる。後、猫を探すシーンも多すぎ。
 急に原付きバイク、ホンダ(HONDA)バイト(黄色)に乗る風間。あるなら最初から使え。
 給食のバイトをしながら漫画を描き始める風間。で、この辺の描き方もボクシング同様なんちゃってな雰囲気。
 応募原稿をポストに投函する。うーん、そんなことあるのかなあ。どう考えても郵便局の窓口で簡易書留で送るべきでは?重量もまちまちだし、切手はストックがあるのか?ものすごく納得しづらい場面。
 実際に漫画を描くシーンも絵を描くシーンだけ。ネームの段階とか、そんな細かい描写は全然ない。
 猫が死んだのに埋めたりするシーンは無し。ボクシング同様、葛藤が本当に薄い。泣きながら一人で説明ゼリフ喋っているショット撮る暇があるなら、埋葬するシーンぐらい入れたら。それ以前にさあ、猫の生態や習性として、死ぬ前は住んでいた場所に戻ってこないんじゃなかったけえ。出て行ったのに戻ってくるって、猫の行動としておかしくない?それに戻ってきたのに埋葬しないって。なんか、どっちにしても、ストーリーとして稚拙。
 なんか、猫の世話が汚い。糞尿を拭いた水を流しに流したりしている。それで保育園の調理シーンになったりする。なんか、結構、衛生的にエグい。
 風間の成長物語にもなってないし、猫も物語に関わってこない。ただ、最後に猫の漫画を描くだけ。猫が来たから試合に勝ったという話は何だったんだあ?
 ちなみに猫が主役級の扱いを受けている邦画を集めると『グーグーだって猫である』(2014/4/4掲載)、『猫侍』(2014/8/3)、『コネコノキモチ』(2014/12/18)、『レンタネコ』(2015/1/29)、『くろねこルーシー』(2015/3/24)、『ネコナデ』(2015/4/23)、『藪の中の黒猫』(2015/9/20)、『亡霊怪猫屋敷』(2015/11/30)、『陽だまりの彼女』(2015/12/4)、『ねこばん』(2016/2/14)、『猫侍 南の島へ行く』(2016/2/23)、『先生と迷い猫』(2016/5/1)がある。こうしてあげてみると、駄作が多いなあ。
 プロボクサー、B級ライセンス、調理栄養士、猫エイズ。

1800本目は、映画『白痴』

 黒澤明監督映画『白痴』(1951年公開)を観た。恐ろしく退屈。駄作気味。『羅生門』(2014/5/19掲載)と『生きる』(2015/1/15)の間の作品なんて、思えない。
 三船敏郎と森雅之が北海道で出会う。原節子が現れ、三角関係ぽくなるけど、久我美子も出てきて歪な四角関係に。というだけの内容。
 途中、原が謎の登場の仕方だったり、千秋実が奇妙な行動をしたりするけど、ほとんどが意味不明。
 というのも、これが黒澤の作品なの?と思うほど、つなぎが下手くそ。急に登場人物勢揃いしたり、三船の周りに取り巻きが現れるけど説明がなかったりと、前後の脈絡がない場面が連続したりする。
 その上、北海道が舞台なのに雄大な風景とか全然出てこない(北海道ロケではないのだろうなあ)。殆どが室内。それも舞台劇風の撮り方、演技の仕方なので、大味で、これまた飽きる。映画冒頭の字幕での説明も長すぎ。
 途中、アフリカなどを思わせる民族的な仮面を被った集団がスケートしているシーンが挟まれる。
 ラストは暗い部屋で三船と森がウロウロしているだけ。退屈にも程がある。この内容で166分もある。苦行。
 いいところはねえ、原の湯ばあば風ファッションの高飛車演技。意外に、原、悪女役、いけたかも。後、左卜全、最高。セリフが全く聞き取れない。これはもうすでに芸の域。森はずーっと首の下で手をぐーに握るぶりっ子ポーズ。白痴演技はそればっか。
 戦犯、沖縄、癲癇(てんかん)性痴呆症、椿姫。

おぼこそうだけど二股の武井咲、映画『クローバー』

 古澤健監督映画『クローバー Clover』(2014年公開)を観た。前半ちょっと面白い、けど、後半恋愛バカ映画化。見てもいいし見なくてもいい。
 ホテル従業員の武井咲。上司に大倉忠義がいる。この大倉のキャラ設定がぶれないので、前半は大倉だけでおもしろい。仕事の出来無い武井とできる上司の大倉。この二人の関係にやきもきさせられる。
 エレベーターに乗り込んだ武井と大倉。シースルーのエレベーター内、差し込む光の中、キスをする二人。と、思ったら武井の妄想で業務用エレベーターの中。こういう映画的ギャグは面白い。どんどんやってほしいところだけど、一応恋愛映画なんで、技を見せているのはここくらい。
 山中湖、転落シーンはVFX。ここはドタバタで武井を惨めに見せたいところ。事務所NGなのか、綺麗すぎる。大倉との目合(まぐわい)シーンが意外なことにある。だけどなんちゃって。背中だけ、ヌードすらない。
 昔の知り合いの永山絢斗まで出てきて、事件前の旧ドリカム状態に。恋愛映画でもっとも盛り上がる恋愛黄金比。
 なんだけどねえ、映画後半になると、どんどん恋愛バカ映画化、正直、飽きる。
 写真を撮られて雑誌に出たのに、また、のこのこ武井の前に現れる永山。電話で済ませればいいだけの話なのに。
 武井、表札のある一軒家に住んでいる。一人暮らしか?捜索願が出ているという回想があったけど、家族構成はどうなってんの?
 その一軒家にまたまた永山がくる。だからさあ、電話で済ませられるよねえ。わざわざ雨に濡れなくてもさあ。
 電車降りたら急に教会。なんで?教会ってそんなに出入り自由かあ?それにパパラッチはどうした?二人で出歩いて大丈夫なのか?
 後半になると、あんなに冷静、冷徹な大倉が結構バカキャラ化。これが映画をつまらなくしている原因。最後まで、キャラは守れ。
 パーティー会場の二階から大声で宣言。何度も書くけど、そんなことは電話で済ませ。二人共スマホ持っているよねえ。なんで使わないんですかあ?
 結局、武井と大倉の結婚式風景がエンドロールに流れて終わり。永山はどうした?前フリは回収すべきなのでは?
 ターレットトラック、高所恐怖症、イベント企画室。

シミーズ姿の佐々木すみ江、映画『おとし穴』

 勅使河原宏監督映画『おとし穴』(1962年公開)を観た。見てもいいし見なくてもいい。
 戸が開く。子供出てくる。井川比佐志出てくる。掛け声のようなSE。あたりを伺いながら、夜道に飛び出す二人。男と合流して三人、線路の上を小走り。
 どうもこの男二人は「ずらかりもん」らしい。石炭が出ると穴をほって地主?または出資者から金を受け取ると、とんずらするのが商売。
 そこへ白いスーツ(たぶん白、モノクロなんで)姿の田中邦衛が写真撮ったりしてつけまわしている。
 で、井川が殺されて、謎の展開が、という話自体は面白くなりそう。なんだけど、お化け設定がなあ。今の目から見ると、流石に雑な感じ。炭鉱住人用の団地を無人にしている設定など、努力はわかるけど、もう少しお化けっぽくして欲しいところ。
 殺人事件の現場検証は細かく撮っていて、時間も長め。
 子供による、カエルの生皮剥ぎシーンあり。ちんちんを出している全裸の子供のシーンあり。うちわに手ぬぐい滴る汗、とにかく映画の中の全員が暑そう。どれも最近の邦画では絶滅した映像。
 佐々木すみ江が若い。強い顔、ガッチリした体型。シミーズ姿で汗ばんでいる。原始的な力強さ。
 結局、殺人は誰が計画しているのか、けむにまくようなラスト。幽霊設定も特別必要だとも思えないし、「とうちゃん」以外、ほとんど喋ららない子供の観察者としての視点も、これまた成功しているとは思えない。井川の二役も集中力を分散させてしまっている感じ。と、短い時間の中に盛りすぎてとっちらかった印象。
 天秤棒、移動証明書、駄菓子屋、労働団体、炭鉱。

不死という身体障害者、アニメ映画『亜人 -衝動-』

 瀬下寛之総監督アニメ映画『亜人 -衝動-』(2015年公開)を観た。巻き込まれ型主人公と不死。面白い。
 描き込みは普通。目が大きかったり、髪の毛がとんがっていたりと現代の省略多めのアニメといった印象。
 ただし表現は結構ハード。血しぶき、人体損壊多め。不死がテーマの一つなので、死亡事故や殺人シーンが多め。
 永井圭という学園生活を送っている男子。授業の中で亜人と呼ばれる人類の別種?がいることが説明される。
 で、永井、トラックにはねられる、けど、死なない。亜人だと指さされ、警察や厚生労働省から追われ、賞金稼ぎから追われる羽目になる。
 で、亜人からは黒い粉状のものが吹き出て人型を形成(ダリの絵のよう)。亜人の代理で戦闘する。
 設定はよく考えられている。
 亜人は擬死反射を起こさせる声を出すので、実験室は無響室の作りになっている。亜人は麻酔銃により眠らせることができる。当たりすぎて死に至ると困るので、ひとりひとり撃つ。で、銃撃戦になり、腕に麻酔弾が刺さると、腕を自分で切り落とす。胸に当たると、銃で自殺。再生する。
 とまあ、いろいろ描かれるけど、まだまだ続編がありそうで『亜人 -衝動-』はさわりの部分を描いただけのよう。最近観た邦画で続編が待ちどうしいのは久しぶり。

みんな先祖の祟りのせい?映画『千年の愉楽』

 若松孝二監督映画『千年の愉楽』(2013年公開)を観た。すごーくつまらない。見てもいいし見なくてもいい。
 女陰の形をした岩壁、花の窟(いわや)(ロケ地は花窟神社か?)、渡された紐の意味有りげな幾何学的結び目。大量のスモーク(炊きすぎ)。場面転換すると斜面にへばりつくように立つ家々。海が見下ろせる。ロケ地は三重県尾鷲市須賀利町らしい。女声の地声の民謡風の曲(歌、中村瑞希。奄美大島民謡か?)が常時流れ、この辺の雰囲気は悪くない。
 で、そこで産婆として働く寺島しのぶが病床の中で、すでに死んでいる佐野史郎の写真を相手に語る。写真を相手に語る、と書くと独白のようだけど、実際、写真の中の佐野が喋り出す。
 で、高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太の三人について回想で描かれる。んだけど、これがまあつまらない。
 どうも、この三人の一族というのが女好きで、変な死に方をする家系らしい。で、映画冒頭でもそんな一族の男が死ぬシーンが血みどろででてきたりして、おどおどしいんだけど。
 これが全く地縁血縁に関係ない。ただただ、高良と高岡の素行が悪いだけ。自業自得。そんなに女をとっかえひっかえしていたら、そりゃあ、いつかは恨みを買って刺されるでしょう。泥棒繰り返していたらそりゃいつかは見つかって強盗になったり暴力事件に発展するよねえ。ヒロポン中毒だと死期も早まるだろうに。という、まあ、小学生でもわかる話。ただただ、自分のせい。
 なのに、映画の中では、これがいかにも血のせい、とか先祖の祟り、として描かれるもんだから、ただただ飽きる。
 更に飽きるのが、語り役としての寺島がちょくちょく出てくるんだけど、別に物語に絡んでこない。特別、寺島じゃないと話が進まないということでもない。
 気になる、意味不明なシーンもいくつかある。
 高良が山へ下草刈りに行くんだけど、仲間は三人しか出てこない。山に行く時に使う軽トラの運転手はだれ?運転手だけの作業員っているの?そんな田舎で?
 後、とにかく高良、高岡、染谷の服装が変。わかるよ、そういう一族の表現なんだろうけど、それだとものすごく安っぽいちんどん屋に見えるんだけど。それで女にモテモテなのかあ。
 後、地理的位置関係がわかりづらい。山の斜面の小さい村なのに繁華街がでかい。そこはどこなんですかねえ?移動風景を全く撮らないので、何か急に別世界が出現した感じ。この辺、手抜きがすぎる。
 後、小さい村のはずなのに、女遊びが自由すぎる。一族みんな女遊びで有名なんだから、村人からの締め付けが厳しいのでは?この辺がファンタジー過ぎて、せっかくのロケ地から浮いている感じ。
 殺人犯が来ているのに、佐野、寝すぎ。朝も起きない。死んでいるようにただただ寝ている。
 高岡、港の壁で首吊り。そんな死に方するかあ?画としてコントに見える。
 映画冒頭、女陰からの出だしなだけあって、目合(まぐわい)シーンは多め。寺島を含めおっぱいポロリあり。高良の3P、高岡の腰振りシーン、寺島と染谷の目合もある。 

嘘泣き?佐々木希、映画『縁(えにし) The Bride of Izumo』

 堀内博志監督映画『縁(えにし) The Bride of Izumo』(2016年公開)を観た。映像こってり、前半ちょっと面白いけど、見てもいいし見なくてもいい。
 岩のある海岸。男がステップ。雷。出雲大社の風景。カメラ、クレーン移動。こってりした画質、風景の切り取りもちょっと独特。撮影監督、クリストファー・ドイルとクレジット。
 井坂俊哉と佐々木希が乗る軽トラ。荷台側から撮影。ちょっと変わっている。
 縁結びパーティー野外会場。名前を呼ばれて逃げ出すシーン。意味不明。だったらそんな真ん中の前に二人で座るな。前後のつながりが悪い。
 「お前は神様か」と佐々木が参道の中央を歩いているのを井坂がとがめるシーン。出雲大社あるある。
 東京でうまくいかない(うまく行き過ぎている)カップルの女のほうが、野暮用で地方へ。そこで出会ったぶっきらぼうで野性的なshしじみ漁師に一目惚れ(かな)。井坂と喧嘩するまではそこそこ面白い。けど、それだけ。手を握る、キスする、目合(まぐわい)なんてことは一切起こらない。
 その後、佐々木が探している婚姻届の男の正体が判明するけど、だからどうした?という内容。井坂と佐々木の関係が見たいのに。
 早朝という設定なのに影が短いシーンがある。多分、昼間撮ってフィルターや加工していると思われる。撮影監督と名を出している割に手抜きあり。
 大柄で少し太った織田裕二という外観の井坂は存在感がありうまい。もっと活躍してほしいところ。佐々木は女優してます、という感じ。泣きのシーンは嘘泣きっぽい。いしだ壱成、久しぶりに見たら老人顔。
 まあ、こういうご当地映画というのは、地元をけなすわけにもいかず、殺人事件や事故なども扱えず、所詮いい話でお茶を濁すのがつね。ご当地映画は駄作の宝庫。『縁(えにし) The Bride of Izumo』は出雲大社の宣伝臭がぷんぷんだけど、映画としては可もなく不可もなし、といったところ。映画作りも、気ばかり使って大変だねえ。
 エンドロールに女声の地声(歌、朝崎郁恵)が印象的な奄美民謡「朝顔節」が流れる。
 ちなみにファッション誌のライターが故郷に帰り恋に落ちる邦画は『海猿 UMIZARU』(2016/7/9掲載)がある。男が海に関係した仕事についているのも同じ。
 キルト、婚姻届、白無垢、しじみ漁、宍道湖、ウェリング雑誌、大土地神楽、花火大会、軽トラ、Bキャメラ。
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