2014年04月観たおすすめ邦画

2014年04月観たおすすめ邦画

 今月見た映画は59本。作品は全くのランダムではないけど、できるだけ事前に知識を入れずに見るようにしている。
おすすめはストーリの整合性がちゃんとしているもの、ちゃんとしていないならそれを凌駕する「何か」があるもの、月末に記憶に残っているものを選んでいる。

『座頭市』(2003年公開)監督北野武、4/3掲載
 座頭市の戦う理由が助太刀というのは弱いと思うが、最後までちゃんと観れる。ギャグも抑えめでストーリーを邪魔するほどではない。殺陣は必見。身体を突き抜ける刀ゆっくりと撮ったり、逆に全ては見せない編集で速さを演出したりと、見どころ十分。

『震える舌』(1980年公開)監督野村芳太郎、4/5掲載
『オーディション』(1999年公開)監督三池崇史、4/10掲載
『黒い家』(1999年公開)監督森田芳光、4/12掲載
 この三作品は恐怖を描いている。恐怖の表現は確かにうまいのだが、怖い演出はそれだけでは成立しない。日常の描き方が非常にうまい。
 『震える舌』は小さな子供のいる家族。『オーディション』は妻をなくした父子家庭。『黒い家』は保険会社という映画では珍しい職場だが、その仕事内容が克明に描かれる。日常を丹念に描くことで、見ているこちらは映画の中で起こっていることが、すぐそばの僕らの身近で起こっているのではないかと錯覚する。日常から虚構へのハードルが下がることによって恐怖表現がちゃんと怖くなっている。
 追加で『ゆきゆきて、神軍』(1987年公開)監督原一男(4/24掲載)もおすすめ。まあ、これは怖いを逸脱していて、虚構ですらないドキュメンタリーだ。怖さとは事実と向き合うこと、なのかもしれない。

『舟を編む』(2013年公開)監督石井裕也、4/23掲載
 これほど地味な仕事場を映画にして大丈夫か?とこちらが心配するほどなのだが、実に安定どっしりした画面で最後まで描ききる。石井、若いのに大監督然としている。

『発狂する唇』(2000年公開)監督佐々木浩久、4/26掲載
 びっくりするほどのアバンギャルド。何が何だか混沌としているが、腕はあるなあと思わせる作品。主人公の三輪ひとみは線は細いが後を引く個性。

『ポストマン』(2008年公開)監督今井和久、4/9掲載
『卍』(1964年)監督増村保造、4/20掲載
『HINOKIO』(2005年公開)監督秋山貴彦、4/29掲載
 上の三作品は残念作。制作前に冷徹に作品のバランスを評価する人が周りにいればなあと思う。ま、大きなお世話ですけど。

『北京原人 Who are you?』(1997年公開)監督佐藤純彌、4/4掲載
『天と地と』(1990年公開)監督角川春樹、4/8掲載
 上の二作品はとんでもない大失敗作。他の失敗作品は箸にも棒にも掛からないし、低予算だから非難する必要もないが、この二つは大作だ。
 『北京原人』は一応現代科学を駆使した内容がキモの映画なのに、そこが一番どうしょうもないという不思議な作品。『北京原人 What are you doing?』にタイトル変更した方がいい。余談だが『ガッチャマン』の監督佐藤東弥は息子らしい。大作を任される家系なんだ。
 『天と地と』は一見普通の作品。騎馬戦のシーンはすさまじい人馬の数で圧倒する。この場面がすごいだけに他のシーンのどうしょうもない感が倍増する。行動がよくわからない主人公。気分で城を出たり、恋愛では笛しか吹かない。家臣は戦に出てこない「だけ」だし。ラストはあっと驚く優柔不断。なぜこれで企画が通るのか?

『パプリカ』(2006年公開)監督今敏、4/11掲載
 音楽が素晴らしい。無国籍なサウンドが耳に残る。 

混沌としているが見るべき映像あり、映画『田園に死す』

 何気なく見てしまった寺山修司監督映画『田園に死す』(1974年公開)。
 子供が墓地でかくれんぼ。墓石の裏から出ると大人になっている。破れた写真が糸で縫われている。と、冒頭からイメージ映像の釣瓶撃ち。『攻殻機動隊』を思い起こさせるコーラスのイントロ曲。白塗りの顔は黄泉の世界の記号か?志村けん世代にはバカ殿を想像してギャグに見えてしまう。恐山で半裸女の踊り、ふすまだけが立っている(機能は取り出せないことの比喩?)。恐山、白塗りの顔、黒装束、イタコ、出産と生と死と性のイメージが付きまとう。視線は傍観者、覗きの強調あり。サーカスはフェリーニへのオマージュ?(見たことないけど)
 と、面白そうに書いたが、面白い映画ではない。虚構内虚構という映画の構成は読めなかったが、さすがにイメージ映像に飽きる。昔から、『リリィ・シュシュのすべて』『害虫』のようなイメージ映像の羅列とテロップの映画はあったんだねえ。

魔女修行という名の成長物語、映画『西の魔女が死んだ』

 何気なく観た映画『西の魔女が死んだ』(2008年公開)。
 冒頭の車内の映像。車窓が合成ぽい。2008年の映画にしては古臭い映像。冒頭ということとその後の展開、更に感情移入を考えるとすごくもったいない。
 おばあちゃんのセリフ回しが丁寧でぎこちなくて違和感がある。ただ外人という設定なのでリアリティがあると考えるべきか。
 物語は家族三代の交流を描く。登校拒否の孫がおばあちゃんの家に厄介になる、というだけの話。清里高原の映像とそこでの暮らしが悠揚迫らぬテンポで描かれる。
 動物から人への過渡期である思春期がよく描かれている。成人雑誌が捨てられている。その持ち主の異性に嫌悪する。森のなかで感じる可聴範囲を超える音域に感動する場面。魔女はあくまでも比喩であり、別にその手のファンタジーが描かれているわけではない。
 誰にもこんな贅沢な逃げ場があればいいのだけど、普通はないわなあ。だから街の中でグレる。そいう意味ではファンタジー映画ともいえる。
 最後のシーンはちょっと無理がある。

近未来吸血鬼恋愛、アニメ映画『バンパイアハンターD』

 ネットのランキングから見る気になった川尻善昭監督アニメ映画『バンパイアハンターD』(2000年公開)。
 人工衛星がゴシック建築風。サンドマンタ、手のひらの顔などすごく奇妙な世界観。耽美的な主人公、北斗の拳を思わせる退廃的ムードと期待は高まる。
 キャラ設定で気になるのは、人間の女が受け身で役に立たないこと。人質は恋愛至上主義でただの困った少女漫画風女だし、バンパイアハンターの女は設定としては重要なのに、アクションで活躍するシーンが全くないし足手まとい。どちらも男の引き立て役でしかない。

自然なロボットは必見だが大失速、映画『HINOKIO』

 何気なく観た映画『HINOKIO』(2005年公開)。
 ロボットと映像との自然な溶け込みは必見。合成なのか実写なのかわからない。特に周りの人物の演技との絡みも自然。これはすごい。ただ、ヒノキは特に物語に絡まないので意味なし。
 ロボットにドラムを叩かせて、その後のBGMの入りがドラムからというのはうまい。
 車いすが横移動するシーンなど近未来を期待させるのだが、研究所の使っているパソコンがNECのMate。制服もださい。と、未来風映像のバランスが微妙。
 格闘シーンでは俳優よりもロボットの演技がうまいというのも狙いなのか、それとも本当に演技が下手なのか。考えさせられる。
 多部未華子の設定がうまい。
 と、意外な展開で期待しながら見られるのだが、90分すぎから、非常に残念な展開に。チラチラと物語に入り込んでくるネットゲームが現実とリンクしているという設定なのだが、なぜリンクするか説明がない。だから、90分すぎから展開される行動に全く説得力がない。もっとも感動的な場面なのに説得力も理由もないのは致命的。
 ただ、それを乗り越えて最後の最後にまたもや設定を活かしたシーンがあってうまい。
 なんていうのか、ものすごく気を使って作られている部分とものすごく雑な部分が混ざっていて、痒いところに手が届きそうで届かない作品になっている。ネットゲームを切り捨てて、戦闘ロボットである設定を拡大すれば予想を裏切る展開で面白くなりそうなのだがなあ。返す返すも残念な作品。
 原作、監督、そしてVFXも秋山貴彦。

Xubuntu14.04の日本語入力

 Ubuntu Japanese TeamよりUbuntu14.04LTS日本語Remixがリリースされた。リリースノートの中にXubuntuではIBusが削除されたことが記述されている。さらに日本語入力のメタパッケージの導入方法もある。以下その部分のみを引用しておく。

IBusの削除(Xubuntu/Ubuntu Studio)
IBusは影響力の高いバグ(1284635)により削除されました。詳しくはXubuntu/Ubuntu Studioのリリースノートを参照ください。
ただしそれだと日本語環境では使い物にならないため、IBus関連とFcitx関連とim-setup-helperをインストールするメタパッケージを作成しました。
$ sudo add-apt-repository ppa:japanese-testers/ppa
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install xubuntu-desktop-ja
を実行したあと、一度ログアウトして再ログインするとFcitxが起動します。IBusを使用したい場合は、前述のMozcセットアップヘルパーを実行してください。

小学生向けかな?映画『ノロイ』

 ネットに出ていたので見てしまった映画『ノロイ』(2005年公開)。
 いやはや、ネット情報はまさに玉石混淆。この作品を見て怖いとコメント書いているんだから、暇なのか平和なのか多幸症なのか。
 作家が怪奇現象を取材した番組が「ノロイ」であり、それが流れるという趣向。擬似ドキュメンタリーというのかな。
 もう、どうしょうもなくつまらない。対象者は小学生かな?怖いんじゃなくて怖がっている映像の羅列。
 これは画面がすでに嘘ですっていう作りの映像なわけだ。映画の嘘の上にさらに擬似ドキュメンタイリーという嘘も乗るわけで、ただの苦痛でしかない。
 本当に怖い思いがしたいのなら『ゆきゆきて、神軍』を見てはどうか。あなたの思考や精神に何らかの影響が出ても当局は感知しないのでそのつもりで(笑い)。
 監督白石晃士、ガキと同じレベルで映画作っていると先はないよ。
 確かに、115分も時間を無駄にするというのはまさしくノロイだな。

俳優たちも高齢化、映画『大鹿村騒動記』

 原田芳雄の遺作ということで観た映画『大鹿村騒動記』(2011年公開)。
 冒頭出てくる店員募集に応募してきた人物が男女なので見ているこちらは混乱する。後々そういう人というのがわかるのだが、冒頭で出す必要があるのか。特別、物語に絡むわけでもないのに。
 昔逃げた妻が男と一緒に戻ってきた。妻は記憶障害(認知症?)になっていた。と、物語は深刻だが音楽がひょうひょうとしていて重苦しさはない。
 リニア、地デジ、村おこしの特産品、高齢化、自然災害、と日本の田舎で起こっていることはだいたい網羅されている。
 共同体をつなぎとめているのは村芝居(三百年の伝統がある歌舞伎)であることが描かれている。観客を入れての歌舞伎シーンはライブ感があり、ちょっとした別世界。

吸血鬼SF反戦映画?、映画『吸血鬼ゴケミドロ』

 前から名前だけは知っていた映画『吸血鬼ゴケミドロ』(1968年公開)を観た。
 機内映像が時代を感じる。すごいちゃち。特撮模型飛行機。男は救命しないのに女は助ける。何故か宇宙船の外にいるはずのスチュワーデスに宇宙船内部が見えている。急にガソリンに火がつく。荷物の中の遺影という前振りがあるも、ベトナム戦争の話が長い。演出もアクションも古臭くてかなり辛い。3分の2が過ぎた頃からは各人の行動がよくわからん。
 閉塞状況に追い込まれた群像劇という点で『マタンゴ』と共通点があるが、マタンゴには到底及ばないでき。
 脱出を果たしたラストは、えー、どこに出たの?という展開。佐藤友美が綺麗。

虚構の設定と泣かせの技術、映画『パコと魔法の絵本』

 映画公開時の宣伝は覚えていた中島哲也監督映画『パコと魔法の絵本』(2008年公開)を観た。
 豪華絢爛、カラフルな映像。舞台劇のような小道具大道具衣装と演技。映画監督ティム・バートンを思い出させる。
 実写、回想、回想の中のCGなど、物語は多層。見た目は子供向けのようだが内容は完全に大人向けだ。実際、ドリフのコントや吉田拓郎のパロディも出るし。
 うまいと思わせるのは実写とCGのつながりの部分。通常、アニメの精度を上げて実写との違和感を打ち消そうとするものだが(そして失敗する)、この作品はもともとの実写の物語部分を現実にはありえないポップでカラフルに虚構化することで、後に出てくるCGとのつながりをスムーズにしている。
 脇を固める俳優たちが意図的大根芝居を打つことによって、相対的に役所広司とパコ役アヤカ・ウィルソンの演技が光るという設定もうまい。
 わかっちゃいるけど、泣かせの部分も計算されていて、やっぱり泣かされる。ただ、パコの病状の前振りがないので最後の展開は無理がある。ま、そこまで求めるべき映画ではないが。

ギャグ、ホラー、エロ、格闘技という珍品、映画『発狂する唇』

 恐怖映画ということで見てしまった佐々木浩久監督映画『発狂する唇』(2000年公開)。
 母親と二人の娘が犯罪者の家族ということでマスコミに追われ家に引きこもっている、という設定から始まる。薄暗い部屋の中、この三人の女が奇妙にエロい。主人公の三輪ひとみは満島ひかりに似ていて寂しげな表情が尾を引く独特な女優。
 霊能者が現れてホラーかなあ、と思っているとカメラ目線で「霊的逆探知」と発言。ああ、ギャグなんだと思っていると、母親と娘が姦淫されるというポルノなのかと思っていると、サイコキネシス、と思っていると森のなかの本格アクションと、もうすさまじい場面展開、物語展開。殺しの謎解きが入ったり、カラオケ風PV映像のパロディがあったりと、「お約束」がわかればかなり楽しめる。
 最も弱々しい人物が最も力を持っていたり、被害者が実は加害者だったという展開など、見るべき点も多い。
 残念ながら、最後の大団円が雑。霊能者じゃなくて、三輪に意味をもたせたエンディングにすれば悲恋物語として余韻の残る作品になったのでは。
 

悪習、戦隊ヒーローという手法、映画『ガッチャマン』

 不評ばかりを聞く実写化映画『ガッチャマン』(2013年公開)を観た。
 金のかかった戦隊ヒーローもの恋愛ドラマと思えば腹は立たない。
 堤真一に似ている。
 出だしは地球規模、世界規模の話なのに、時間が経つに従って基地内だけの出入りに縮小。それに伴いアクションもチャンバラと肉弾戦に。プライベートな話は海。
 地球が危ないのに最後まで男女の三角関係だけにこだわる脚本は立派。
 エンドロールの後に邦画界を破壊する結末が。2も作る気まんまん。

高齢化する日本、映画『凶悪』

 「ぶっこむぞ」で有名になった映画『凶悪』(2013年公開)を観た。
 バイオレンス描写が凄そうだが、血は出ないしソフトに処理されている。意図的なのか監督白石和彌の腕の問題なのか、ちょっとわからない。ピエール瀧などその他の演技がすごいと噂になったが、それほどでもなかった。
 最近の映画にしては珍しくおっぱいがちゃんと出る。車内の暗騒音は良く出来ている。
 事件にも高齢者がからみ、取材する記者の家族にも高齢者、しかも認知症が影を落とす。
 最近の邦画が糞つまらない現実に甘えた若者しか描かないのに比べ、老人が出てくるとすごくリアルになるというのは時代なのかなあ。

MCE-3580とQuietComfort2のニコイチ

ニコイチヘッドホン

 BoseのノイズキャンセリングヘッドホンQuietComfort2の欠点はハウジングとヘッドバンドをつなぐアジャスター部分だった。使っていくうちにプラスチックにヒビが入り、ボロボロと剥がれ落ちて完全にヘッドホンの機能はなくなった。音はちゃんと出ている。ただ、頭に装着できないだけ。
 そこで、(株)マクロスのワイヤレスヘッドホンMCE-3580とニコイチにすることを思いついた。
 上の写真の黒いヘッドバンドとアジャスターがMCE-3580。ハウジングとヘッドバンド内側に見える馬蹄形の金属がQuietComfort2。
 締め付けが向上して音質にはいい。重量もほとんど変わらない。今は針金で仮止め。瞬間接着剤で固定すればまだまだ使えそう。

カナダからポルノへ、映画『後ろから前から』

 畑中葉子の名前を思い出したので見てしまった映画『後ろから前から』(1980年公開)。
 「カナダからの手紙」という曲を知っているだろうか。平尾昌晃と一緒に歌っていたのが畑中葉子。ちゃんとしたヒット曲が出て、突然、次の話題が日活ロマンポルノ。なんで?多くの人がそんな疑問を抱えたまま大人になってしまったのじゃないかな。その疑問を解決するという意味も込めて最後まで観たけど。
 トヨタセリカが懐かしい。畑中、ポルノに出るほどのかーぎ(容姿、顔形)かあ?何があったんでしょうか。ステージで「後ろから前から」を歌うシーンあり。
 裸の出方がすごく極端。シチュエーションコメディかと思うほどやっつけ。
 こういう映画にもお金が出て、映画監督のたまごたちが試行錯誤を繰り返しながら育っていったんだから存在意義はあったのか。
 畑中、歌手と女優、どちらの才能があるのか?と問われれば、絶対歌手だ。身体も演技も普通。特徴なし。結局、なんでポルノに出たのか謎だなあ。

所詮、負け犬の遠吠え、映画『凛として愛』

 上映中止になったというエピソードで観た映画『凛として愛』(?年公開)。
 「負けたのは仕方がない」仕方がないで済むと思っている時点で発想が小学生レベルというか精神の成長が止まっている。
 映画手法としても退屈。無駄なイメージ映像、スロー映像とテロップの多用。思想信条なんかどうでもいいけど、この映画の登場人物の誰に感情移入できない。
 語られているのはすべて精神論。太平洋戦争は物量の差、エネルギー供給の差、国力差で負けたのに、この21世紀にまだ精神論。「エネルギーをアメリカに頼っていた」と映画の中で語っているのに、戦争に負けたことが理解できていない。頭のなかは化石化しているのか。
 この映画の論理を使うなら、現在、日本はアメリカに侵略されているから、中国が日本に侵攻してもいいということだ。少し考えれば論理が破綻していることわかる。そのくらいの推理力も観察力もない。
 右翼も左翼も「信仰」でしかない。人命軽視はどちらも同じだ。上映中止ねえ。

映画は技術に感動するものでもない、映画『運命じゃない人』

 この映画を見るのは二度目。評価の高い作品なので確認のため再見したのだが、やっぱり感動しなかった内田けんじ監督映画『運命じゃない人』(2005年公開)。
 今流行の映画表現なのだろうか。『霧島、部活やめるってよ』にも見られる、ある出来事を多視点によって何度も見せる手法。この手法が多用される。映画的手法の拡大という意味では関心もするし、脚本、映像の整合性の完成度も高い。
 だけど、再度見ても感動はしなかった。別に映像技術を見たいだけで映画見ているわけじゃないんだよねえ。
 同じ内田監督作品『アフタースクール』でも感じたことだけど、映像表現が先にあって物語が後追い後付のように感じてしまう。この監督は人を描くつもりはもともとないのではないだろうか。

もう一度、Xubuntu14.04の日本語化

 NEC MY25X/F-LにXubuntu14.04(LTS)32bitをインストールした。驚いたことになんのトラブルもなくインストールは終了。10年以上昔のパソコンが普通に動くのにびっくり。
 で、試しに「[ubuntu-jp:4736] Xubuntu 14.04向けのIBusとFcitxをインストールするメタパッケージ」にあるメタパッケージをインストールしてみた。
端末から
sudo add-apt-repository ppa:japanese-testers/ppa
sudo apt-get update
sudo apt-get install xubuntu-desktop-ja
を、それぞれ実行。
再起動、日本語入力が普通に使えるようになった。
 今回の14.04はトラブルが少なくて、非常に快適。体感として、最も安定性が高い。

日本軍による人肉食、映画『ゆきゆきて、神軍』

 昔から気になっていた原一男監督映画『ゆきゆきて、神軍』(1987年公開)をやっと観た。
 屋根に大きな看板と拡声器をつけた選挙カーか小型街宣車かと思わせる乗用車に乗る男、奥崎謙三が出てくる。
 左翼の急進派を思わせる発言で、政治に不満があるちょっとイカれた男の話なのかと思っていると急展開。ニューギニアで、戦争は終わっているのに脱走の罪で銃殺刑にした、上官たちの罪を暴くために動いている、ということがだんだんわかっていく。しかし、戦地で行われていたことはそれだけではなかった。
 天罰とか神とか、ノイズが多いので、このドキュメンタリーの本質に興味がわくまでに時間がかかるけど、元日本兵の証言が出てくるあたりから画面から目が離せない。すさまじい体験談の数々。
 日本と韓国の慰安婦問題やらせ大騒ぎというのがあるけど、映画『アクト・オブ・キリング』がなかなかマスコミで取り上げられないのもこの辺りの「配慮」や「自主規制」が働いているのかもしれない。
 中国や韓国による戦争犯罪の追求が始まっているが、この考えを敷衍すれば、東アジアによる天皇の戦争責任追及という動きだって可能なわけだ。日本の経済的凋落によって、周辺国の態度が変化していることははっきりしている。次は、東南アジア諸国がどう出るか。
 明仁(あきひと)と美智子が皇太子の時、沖縄で火炎瓶を投げつけられたのを思い出した。肉親を殺された人々がすんなり過去を水に流すと思っているとすれば、それは人間に対する洞察力がかなり欠如している。

アニメと実写の才能は別、映画『蟲師』

 話題になったような気がする映画『蟲師』(2007年公開)を観た。
 前にも書いたけど、外の世界をいくら探しても見つからないとすれば、頭のなかにいるということだ。だから映画にはその頭のなかにだけいる幽霊や魑魅魍魎、神様などetcを外に出す役割があるわけだ。で、その一例として「蟲」という表現方法を選んだのは良いと思う。
 だけど、映画としてはつまらない。
 実写なのかCGなのかわからない森、ホーミーなのか合成音なのかわからないBGM。冒頭から土砂崩れに巻き込まれた母親を探していると思われるカットが下手すぎ。落とした財布でも探しているような緊迫感のない演出と画面構成。
 奇妙な言葉遣い。昔風の言葉使いになったり、現代語になったりグチャグチャ。衣装は頑張っているつもりなんだろうけど異世界感が感じられないおろしたての感じで興ざめ。白髪というか金髪というのか違和感あり。ゲゲゲの鬼太郎へのオマージュなのか?
 江角マキコどうした?無理がある。
 物語も、蟲師の子供の頃と成長してからの時間とあちこち飛び、それが特別つながってもいないので話がぶつ切り。物語を引っ張っていく牽引力はない。
 調べたら大友克洋の実写映画なんだと。あ、それでこの映画のタイトルを覚えていたのだ。大友、実写の才能はないということがわかったのだからよかったのでは。

ワイヤレスヘッドフォン(株)マクロスMCE-3580

ワイヤレスヘッドホン(株)マクロスMCE-3580

 ワイヤレスヘッドフォン(株)マクロスMCE-3580を手に入れた。実は二台目。古い方は改造に使う。その話は後で書く。
 Amazonの神通力に陰りが出てきたよう。この商品。Amazonで\1,500前後で売られている(送料込み)。近くのディスカウントショップで\1,008だった。消費税の増税の影響なのか、どこよりも安い、つもりで即ポチることもなくなるかも。
 で、実はこのマクロスMCE-3580。おすすめの商品とは言えない。FMラジオが付いているのだが、蛇足以外の何者でもない。トランスミッター側の電波が弱まると勝手にラジオを受信してしまって使い勝手が悪い。ラジオを外したステレオトランスミッタータイプの上級機を出してくれませんかねえ。

別世界を垣間見る、映画『舟を編む』

 原作の噂は聴いていた石井裕也監督映画『舟を編む』(2013年公開)を観た。
 映画には日常は体験しない知り得ない世界を疑似体験させてくれるという特性があると思うのだが、そんな観後感を味あわせてくれる。辞書編集が映画になるのか?まあ、これだけ地味な仕事と作業で物語を引っ張っていけるのか?いけます。ちゃんと最後まで観れます。まじめにちゃんと映画を作ればちゃんと面白いという見本のよう。
 出版社本社の別館という古い建物、下宿先(?)の建物の古さも年季が入っている。職場内の葛藤や、恋愛、仕事の達成感なども織り込まれているけど、映画全体が凄まじくしみじみしている。料理がちゃんと出るのもポイントが高い。物事を成し遂げるのはどこでもつくづく大変だなあと思わせる。
 登場場面は少ないが池脇千鶴が記憶に残る。何も特別物語には絡まないんだけど、何かしら独特なものがにじみ出てるよなあ。
 柱時計からの場面展開がうまい。あと、ここぞという場所でのテロップの決め打ちが効果的。『リリィ・シュシュのすべて』とか『害虫』のこういうのがかっこいいんでしょう的な無駄な字幕とテロップの出し方。『舟を編む』の爪の垢を煎じて早く飲め今飲めすぐ飲め。

この映画に関わっている人が害虫、映画『害虫』

 どうしてこんな映画のために92分も無駄にしてしまったんだろう、塩田明彦映画『害虫』(2002年公開)。
 これがテレビなら数分でチャンネルを替えられている。どうしてこんなつまらない企画が通ってしまうのか。「芸術文化振興基金助成事業」だから。税金による駄作の大量生産システム。こういう映画を映画館で見てしまって邦画に諦めを感じて一生映画館に行かなくなっていく人々を作ってしまうシステム。
 イメージ映像が好きならご自由にネットの動画配信サイトにアップしろよ。なんで監督とその関係者のオナニー的映像わざわざ見せられなければならないのか。エンドロールにかかる曲はハミング。斬新だと思っているんだろうなあ。それぐらいの浅知恵。
 邦画は終わっている、と思わせるには十分の出来だと思う。

特に何もない、映画『日本以外全部沈没』

 まあ、しばらくすれば全部忘れてしまうだろうなあという思いで観た河崎実監督映画『日本以外全部沈没』(2006年公開)。
 ものすごくつまらない。怪獣映画の特撮を思い出させる地震の映像。観たこともない演技をしているのかどうかすらわからない外人たち多数。芸人多数。主人公と周りの友人たちが、実に貧相。役じゃなくて俳優本人から受ける印象が。まだテレビの外国犯罪の再現VTRの方がまし。
 筒井康隆の原作は読んでいる。ドタバタギャグを映像にすると本当につまらないと教訓になる作品。ブラックジョークは映画自体をまじめに作らないと成立しないということがよく分かる。

内部抗争で消耗する団体、日本軍。映画『兵隊やくざ』

 増村保造監督つながりで観た映画『兵隊やくざ』(1965年公開)。
 すべての解決が根性とビンタという満州に駐屯する関東軍が舞台。ただただ内部抗争する団体。エネルギーは内へ向かうだけ。敵兵も出てこなければ、敵へ向けた攻撃も弾一発撃たない。ただの村社会。
 やくざ上がりの勝新太郎と彼を助ける上官田村高廣の二人を中心に物語は描かれる。深刻な内容を明るく描いていて、今見ても楽しめる。
 現実にこんなことができたわけではなく、戦後から観た願望を映画にしたわけなのだが、こんなことじゃあ、戦争負けるわな。現代にも言えることだが、戦争するなら勝て!バカ

暗闇で男が頑張ります、映画『HAZE』

 塚本晋也監督の名前だけで見てしまった映画『HAZE』(2006年公開)。ヘイズと読むらしい。
 全体像がわからない暗闇。男(塚本)の表情と身体の一部しか出てこない。『悪夢探偵』でも見られたグレーのTシャツに短パン。目立たない服装だけど逆に目立つ。塚本自身を記号化するためか。状況を限定してカメラの高速移動は封印している。
 こういう作りをスチエーションホラーというのだろうか。説明なしである状況に放り込まれるやつ。映画『SAW』みたいな雰囲気。ただ『HAZE』の方は最後まで謎解きも特別に明快な結論も用意されていないのでご注意を。尺が49分、劇場公開されたのだろうか。
 どんな時でも諦めず希望を持てというメッセージかな、ちがうか。

すさまじい女の湿度、映画『卍(まんじ)』

 名前は知っていたけど見るのは初めて増村保造監督映画『卍(まんじ)』(1964年公開)。
 すげー怪しい雰囲気。まさに妖艶。フィルムの深い色合いとソフトフォーカス。リマスター技術の賜物。若尾文子が徐々に裸になるシーンは良い。ただ、裸は吹き替えとわかる不自然さ。昔も裸NGの女優さんがいたんだ。なんで若尾なんかキャスティングしたんだ。それに比べ、岸田今日子の演技はすごいねえ。眼がイッてます。
 手のひらに相手の名前を書くなんて、お前は耳なし芳一か!(映画『怪談』参照)
 映画の形式としてはある人物に岸田が語るという独り語り。実質四人(五人?)の登場人物でここまで引っ張るとは。すべての人間関係がねちっこくて湿度が高い。息苦しい映像と人間関係は他では見られない。後半はもうコメディか?と思えるほどのシュールな展開。最後にもう一山、謎解きがあったら高級ミステリーになれたのに、惜しい。

「よしずうみい~」、映画『復活の日』

 この映画を見るのは二度目、映画『復活の日 VIRUS』(1980年公開)。
 潜水艦の絵。無人偵察機が実現している。ただし、無人機から送られてくる映像は現代の映像とは違う。このあたりSF映画は難しい。
 歌が懐かしい。ジャニス・イアンの「You are Love」。撮影木村大作。極地映像は素晴らしい。映画内のテレビから流る報道映像が奇妙に怖い。報道映像は迫真、日本の病院と南極基地は演出過剰、ホワイトハウスはスカスカ。
 看護婦姿の汗ばんだ多岐川裕美がセクシー。ボートに乗ってどこへ行ったんだろう?『回路』の麻生久美子、『黒い家』の大竹しのぶと女優は船舶免許持ってないとやれない。あと、死ぬシーンで本を落とす。『アジアンタムブルー』の松下奈緒も落としてた。
 映画の英語タイトルがVIRUSであるように遺伝子操作による感染症が人類を滅ぼす。だけど、対策する側の人々が誰も対細菌防護服を着ていない。この辺りSF映画は難しい。
 ほとん英語。ヨーロッパ、ソ連、アメリカ、極地と話がでかい。沈められるのがソ連の潜水艦というのも時代を感じる。イギリスの潜水艦が魚雷発射管から巡航ミサイルを発射する。魚雷でよかったんじゃないのか?なぜわざわざミサイルなんだろう?
 草刈正雄が教会にたどり着くシーン。教会内での字幕による独り言が怖い。マチュピチュを経由して南下する。見かけによらず意外に体力余っているんだ。ラストの感動的シーン。海面反射の逆光、きれいなオリビア・ハッセーの「よしずうみい~」にずっこけた。

特に何も、、映画『ユメ十夜』

 別にファンでもないけど戸田恵梨香が出ているということで見てしまった映画『ユメ十話』(2007年公開)。
 夏目漱石の「夢十夜」をベースにしたオムニバス作品。少しお金のかかかった世にも奇妙な物語というのか、低予算の映画の羅列というのか、オムニバスの必要性はあったのか。短編の切れがない。
 「第六夜」の全然彫刻しない運慶というのは面白い。阿部サダヲの躁的演技は笑える。
 注目は「第十夜」の本上まなみ。なんでそんな(損な)役を引き受けたのか。脱いだほうがまだ話題性もあって得なのでは。

最高の雲表現、アニメ映画『風立ちぬ』

 宮崎駿の最後の劇場公開作品となる予定のアニメ映画『風立ちぬ』(2013年公開)を観た。
 声にエコーが付いている。竹下景子の声が特に変。
 絵は発色が良いためかメリハリがありくっきりした感じ。
 大地震の表現が素晴らしい。アニメならでは。人の移動が集団でゆっくり、余震がある、人が列を作る、など現実に起こった大地震とその後の行動が、アニメにも生かされている。
 エンジン音、落下音が人の声。虚構感が強調されて面白い。金属表現、メタルな感じがいい。
 ポニョの父親のような狂言回し(夢の中のカプローニ)が出てくる。
 キスシーンがある。主人公が男だと淡白に見えてしまう。これまでの少女が主人公なら別な見え方になっていたはず。
 主人公の理想の飛行機が米国製グラマンと同じガルウイング。日本製の戦闘機が人命無視の軽量化を行っていることなど批判するセリフがあるので、ガルウイングは米国の戦闘機が本当は理想だという暗喩?と、思ったら実際に試作機として作られていたんだ。知らんかった。
 結婚式に臨む女の表現が少し怪奇的。
 雪山の風景が端正で綺麗。雲の表現が更に向上している。雲と風の表現は宮崎の到達点だといえる。
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グブリー川平(かびら)
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毎月15日と末日
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ヘッドフォン BOSE Quiet Comfort 25

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